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上着を忘れて肌寒いときは、脳を使って寒さを乗り越えよう。科学誌『Emotion』に掲載された記事によると、懐かしい記憶を頭の中に呼び起こすことで、体がポカポカしてくるとのこと。この研究をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

この研究では5つの実験が行われ、被験者はそれぞれ1つの実験に参加している。

1つ目の実験は、寒い部屋の中で行われた。1つのグループには懐かしい記憶を思い出すように、もう1つのグループには過去の平凡な出来事を思い浮かべるように指示をした。その後、部屋の温度を推測してもらったところ、懐かしい記憶に浸っていたグループは、実際の温度より室内が暖かく感じていたよう。

2つ目の実験でも同じように2つのグループに分かれて、それぞれ懐かしい記憶と平凡な出来事を思い浮かべるように指示をした後、氷水が入ったコップを手に握ってもらい、被験者たちの冷たさに耐えられる時間を観察した。結果、懐かしい記憶に浸っていたグループの方が、コップを長く持つことができたそう。

残り3つの実験でも似たような調査を行った結果、全ての実験において、懐かしい記憶に浸った被験者たちは、体に温かさを感じたという。

サウサンプトン大学の上級講師で、この実験の記事を執筆した共著者のティム・ウィルシャット博士は、被験者たちがそのように感じたのは「そうであるかのような体のループ(as-if body loop)」と呼ばれる仕組みによるものだと解説している。心で強く感じた特定の感情は、現時点の肉体的なコンディションに打ち勝つことができ、記憶の中の思い出が、まるで今起きているかのような感覚をもたらすとウィルシャット博士は言う。このような現象は、実際に過去で体感した出来事であれば、懐かしい気持ちに起因して生じるとのこと。

体の中で最も温かさを感じられる記憶とは、具体的にどんなもの? ウィルシャット博士は、自分の感覚で感じるように提案している。「音楽や香りには、記憶を鮮明に呼び起こす強い作用があります。その記憶の中にいる友人と実際に会話をするのも十分なトリガーとなります」

次の実験を試してみて。真夏の野外コンサートへ行ったことがあるなら、そのときに聞いた楽曲を、寒さで震えるような日に聞いてみよう。汗がしたたるほど暑い感覚が、体にじわじわとよみがえってくるはず。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Naomi Piercey Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。