筋力トレーニングや非常に負荷の高い耐久エクササイズを多く行っている場合、ダメージを受けた筋組織を修復し再建しなければならない。カッツ博士によると「タンパク質は、体内に生まれつき存在し、人工では造ることのできないタンパク質の構成要素となる必須アミノ酸の供給源。食品から摂らなければ、一切摂らないことになる。これは間違いなく体に弊害を及ぼすことになる」そう。
体重が増えやすい人
「どこから摂るかにもよるけど、タンパク質摂取量を増やすと、その満足感で低カロリーダイエットが成功しやすくなることが、それなりの数の研究結果から分かっている」と言うのは、米国デトロイトのヘンリー・フォード・ヘルスシステムで代謝・体重管理センターの地域医長を務めるトム・リファイ博士。これは、タンパク質を消化するには時間がかかり、満腹感が促進されるからだ。また、タンパク質は血糖値を安定させ、摂食への欲求を抑えることも証明されている。ダイエット中には大助かり。
「ダイエット中は、空腹感を減らす一方で満腹感を増やし、筋肉の喪失を最低限に抑えるためにタンパク質の摂取量を増やした方がいい」。マメ科の食品は特に優秀なタンパク質の供給源。肥満学誌に掲載された2014年の研究結果は、ひよこ豆・レンズ豆・エンドウ豆などの豆類を毎日食べると満腹感が増し、体重管理や減量を助けてくれる可能性があることを示している。
糖質と炭水化物ばかりの乱れた食習慣の人
典型的なアメリカ人の食事 (パン・パスタ・スナック) をしている人は誰でも、卵白・魚・赤身肉といった良質なタンパク質中心の食事に切り替える価値がある。「カロリー摂取量におけるタンパク質が占める割合が高ければ、添加糖分や炭水化物など、その他の摂取は減ってくる」とカッツ博士。
つまり、「マグロをもっと食べて、ドーナツを減らす」ということ。心臓疾患予防のための最適主要栄養素摂取試験 (OmniHeart) として知られる無作為化試験では、ヘルシーだけど高炭水化物の食生活を送った人々よりも、炭水化物をヘルシーなタンパク質 (もしくはヘルシーな脂質) に置き換えた人々の血圧と有害なLDLコレステロール値が低いことが明らかになった。