持続するダイエットの10の法則
ダイエット方法を変えてばかりのあなたに送る、本当にうまくいくダイエットの裏にある自然科学をオーストラリア版「ウィ....
ダイエット方法を変えてばかりのあなたに送る、本当にうまくいくダイエットの裏にある自然科学をオーストラリア版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
1
.重要なのは炭水化物ではなくカロリー
アトキンスダイエットやサウスビーチダイエットといった低炭水化物の減量プランが成功する唯一の理由は、食べる量が減るから。医療学誌『The Lancet』における低炭水化物ダイエット法の論評によると、減量を左右する要素はただ二つ。
一つのダイエットプランをどのくらい続けるか、そして摂取量をどのくらい控えるか。炭水化物をやめると誓ったとき、あなたが諦めるパン、お米、パスタ、そしてデザートは、高カロリー食品の定番なのだ。
成功させるには?
カロリーの消費率が摂取率を上回らなければ体重は減ってこないけれど、カロリーを計算する必要はない。
ガーヴァン医学研究所の科学者で、『The Don’t Go Hungry Diet』の筆者アマンダ・セインズブリーサリス博士は、「体には、食べた物のカロリー、脂質、炭水化物、プロテインを自動的に計算する巧妙なメカニズムが備わっている」と言う。
「最も簡単にカロリーを赤字にするには、食べる前に一息ついて、実際にどのくらいお腹が空いているのか見極めること。そしてお腹がいっぱいになったときではなく、満足できた瞬間に食べるのをやめるのよ」
どこからカロリーを摂るべきか? 米国栄養士会報に掲載された論評は、35~50%を炭水化物、25~35%を脂質、そして25~30%をタンパク質から摂取するのがベストバランスだとしている。
Text: Women’s Health Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
2.短期間で体重を激減させない
お腹が空きすぎて、深夜の冷蔵庫を漁らずにいられなくなるだけではない。一気に体重を減らしすぎる (クラッシュダイエットをする) と体は飢餓モードに入り、カロリーを消費する代わりに脂肪として体に蓄えるのだ。事実、クラッシュダイエットで落ちる体重の半分は脂肪ではなく筋肉。代謝を活性化する筋肉を失うことは、カロリー消費量が減るということだ。
成功させるには?
ゴールは高く設定しても、進歩はゆっくりと。米国ミネソタ大学の研究では、体重を多く減らしたいと願った人は、低い目標を掲げた人よりもスリムになる傾向が強いことが分かった。筋肉を維持するために、一週間で0.5kg以上は痩せないこと。その間にも着たいサイズのドレスを買いに行こう。10kg痩せるための健康的かつ現実的な所要時間は5ヶ月。その間クローゼットで待つことになっても、そのドレスはダイエットのパワフルな動因になる。
3.エクササイズよりも食事内容に注意する
心と体の健康にワークアウトは欠かせないが、それが最も大切なことではない。「20分間の有酸素運動で消費できるのは、たった95kcal程度だということを人々は分かっていない。エクササイズしたからって好きな物を好きなだけ食べていいわけではない」と言うのは、米国ピッツバーグ大学の健康身体活動学科長のジョン・ジャキシック博士。たった一本のスニッカーズミニでエクササイズを台無しにできる。
成功させるには?
毎日少しずつ。ジョギングでカロリーを消費するより食べる量を減らす方がラク。とはいってもジムを脱退しないこと。応用生理学誌に掲載された2005年の文献は、運動と平行してダイエットを行った場合、減少する体重のほとんどは確実に脂肪減少によるものだとしている。米国国立衛生研究所は、この場合の体重減少のなんと98%が、筋肉ではなく脂肪の燃焼によるものだという。ウォーキングや水泳、階段を上るなどの適度な強度のエクササイズを、ほぼ毎日30分は行うようにしよう。
4.ボリュームを上げる
魅力的ではないかもしれないが、食物繊維はダイエットの強い味方。水分と食物繊維含有量の高い食品はかさばっても、カロリーは少ない。例えば、1カップのイチゴから得られるカロリーは小さなビスケット1枚分だが、満足感は格段に大きい。
ペンシルベニア州立大学の実験に参加した女性の集団は、2日間にわたって同じ物を食べた。2日目に食物繊維を含む食事が出されると、彼女たちのカロリー摂取量は30kcal低下したが、満腹感はいつもと変わらなかった。また、水分と食物繊維を豊富に含む食品を食べた肥満の女性グループが、摂食量と脂質量をコントロールしただけの女性グループに比べて、40%多くの体重を減らしたことを同大学の別の研究が報告している。
成功させるには?
スープと穀物をたくさん準備しよう。大きなボール1杯のブイヨンスープ、または大きなサラダ (野菜多め、脂質を含むトッピングは少なめ)で食事を始めれば、少ないカロリーでお腹をいっぱいにできる。玄米を詰めた唐辛子ローストや、大麦かキヌアを入れた野菜シチューなど、食物繊維含有量の高い全粒穀物をふんだんに摂取しよう。
5.一貫性というルール
摂取するカロリーの約10%は消化の燃料として使われる。だから頻繁に食べるのは、代謝機能をよく働かせるための素晴らしいアイディアなのだ。多くの栄養士が、一日に3食がっつり食べるよりも少量の食事を6回摂ることを勧めるのもこの理由から。
でも、頻繁な軽食のメリットを裏付ける医学研究は少ない。仮に一日1,300kcalに抑えようとしているとして、6回の小さな食事で必ずしも満足感が得られるとは限らず、誰にでもうまくいく方法とは言えない。お腹が空けば空くほど、予定外の食事に手を出す可能性も高くなる。
成功させるには?
食習慣に一貫性を持たせよう。一日何回の食事をするにせよ、毎日同じように食べること。毎日同じ数の食事をした女性の摂食量が、回数に一貫性のなかった女性よりも少なかったことを示すイギリスの文献がある。また、食習慣にバラつきがあると、前述の代謝燃料によるカロリー消費機能もうまく作用しないことが分かっている。満腹感を持続させてくれる食品なら一貫性を持続しやすい。
法則4を読んだあなたなら、食物繊維の働きはすでにご存じのはず。でも燃焼に時間のかかるタンパク質もおすすめ。米国ワシントン医科大学の研究では、タンパク質量の多い食生活を送る人々は空腹に耐えかねることもなく、一日を通しての摂食量も少ないことが分かった。低脂肪ヨーグルトやフレッシュフルーツ、全粒穀物と一緒に食べる固ゆで卵、ピーナッツバターを乗せたセロリスティックなどで、常に食べたいという気持ちに打ち勝とう。
6.一食分は意外と少ないもの
レストランで出される食事のほとんどが超特大であることを認識しておこう。「出された料理の75%でも多すぎるのでは」と言うのは、栄養士のタラ・ギドゥス。しかも、美味しくなさそうな料理でも、あればあるほど食べてしまうもの。栄養教育と行動に関する専門誌に掲載された実験では、映画を観に行く人たちに中サイズか大サイズのポップコーンが与えられた。
その中には出来立てのポップコーンを受け取った人もいれば、作ってから二週間も経ったまずいポップコーンをもらった人もいた。大サイズの出来立てポップコーンを受け取った人がその45%を食べたというのは、驚くべきことではない。でも、まずいポップコーンをもらった人ですらその3分の1を食べたという。なぜか? それがそこにあったから。
成功させるには?
マインドゲームをしよう。テイクアウト用の中華料理は、一食分ではなく二食分としてカウントし、食べる前に北京ダックを半分冷凍する。そしてシェフのふりをして、傑作料理を小さなお皿に盛り付ける。これで少量でも大量に見え、キレイに平らげることで満足がいく。
7.一生の食生活
“Diet (ダイエット)” という言葉は、ギリシャ語で “生活マナー” を意味する “dieta (ダイエタ)” から来ている。その定義によれば、目標体重に達してもあなたの仕事は終わっていない。統計もそれを裏付けている。90%もの人々が、ダイエットが “終了” した後に元の体重に戻っていたのだ。
体重が減ると、動き回るのがラクになる。つまり、サイズが小さくなるにつれて体重は減りにくくなり、そのサイズを維持するためには食べる量を減らす必要があるということ。エクササイズを増やせば、体重が戻ることもないのはグッドニュース。
成功させるには?
エリプティカルマシンを使い、サイクリングに出掛け、ネットボールに参加しよう。ジャキシック博士は、心拍数を上げてくれるものなら何でもいいと言う。でも、フィットネスリサーチディレクターのウェイン・ウエストコット博士によると、女性は10年ごとに2kgの筋肉を失うそう。
だから、レッグプレスやトライセプスカールなどで筋肉を強化し、体重管理を行うのが大切。筋肉強化調整研究誌に掲載されたリサーチでは、ワークアウトの順序でカロリー消費量が異なることを示している。ジムでスピンクラスとウエイトトレーニングを行うなら、スピンクラスを先に行った方が多くのカロリーが消費できる。
8.ダイエットシェイクは追放する
本当の食事に取って代わるものはない。朝食、昼食、夕食にはこのチョコレート味のシェイクを、食事の代わりのこのバーを……と、補食に頼る習慣はやめて節約しよう。確かに美味しいおやつにはなっても、長期的なヘルシーな食事とは何かを教えてはくれるものではない。
それに、ミルクシェイクとチョコレートバーを本物の食事代わりにして生きていけるというのは浅はかな考え。セインズブリーサリス博士は「補食で体重を低く抑えることができると証明する、無作為で長期的な比較研究はない」と言う。
「それどころか、補食は摂食障害の原因になるという対照的な証拠が出てきているわ」。さらに、急速な体重減少は胆石 (胆嚢にできる固形物の塊で激痛を伴う) の発症リスクを高める可能性がある。
成功させるには?
食事に “置き換える” ものを探しているなら、比較的栄養価の高い冷凍食品や低脂肪ミールといった賢い選択をしよう。一週間毎日食べるのではなく、一時しのぎの夕飯にすること。帰宅が遅くなり料理がしたくない日や日本代表戦の開始時刻直前といった、お決まりのナチョスを食べすぎてしまいそうなときに活用しよう。
9.ただ食べる
狂ったように忙しい暮らしが生んだのは、便利さという文化。食品コーナーに目をやれば、スナックからスープまで、車のカップホルダーにぴったり入るようにパッケージ化された商品が並ぶ。そんな中でこの法則は受け入れがたいかもしれないが、食事中は他のことをしないこと。2001年に臨床栄養学が発表した研究では、オーディオブックを聞きながらランチを食べた女性は、一人で集中して食べた時よりも約47kcal多く摂取したことを明らかにした。
お腹が空いているから食べたのはたった20%の被験者で、残りの人々は本を読んだりテレビを観たりしながら軽食を摂るに終わったとするフィンランドの研究もある。
成功させるには?
用は済ませること。食べた後、脳が満腹を感じ取るのに20分も必要であることを考えれば、いつ食べるのをやめるべきかを知るだけでも難しい。しかも、チップスの袋を抱えたまま渋滞にハマってしまったら最後。だから自分の空腹レベルを計る術を身に付けるのが大切。
飢えてしまいそうならマイナス4。クリスマスランチ後のこれ以上食べられない状態がプラス4。ゆっくり食べて、レベル0にいると判断する前に体に消化する時間を与えよう。プラス2か3の段階で食事は “終了”。セインズブリーサリス博士のおすすめは、「チップスの代わりに、ナッツ、乾燥ひよこ豆、全粒粉クラッカーといった栄養分を含むスナックを選ぶ」こと。「医学研究の結果、出来るだけ加工されていない食品を食べたときに “食事終了” の合図が最も効果的に送られることが分かっているのよ」
10.パートナーとエクササイズする
彼氏を洋服の買い物に連れて行くのが時間の無駄であることは、博士でなくても分かる。でも、エクササイズにはそのチームワークを発揮する価値がある。米国のピッツバーグ大学の研究チームが、パートナーとエクササイズをした女性が、一人でエクササイズを行った女性に比べて3倍の体重を落としたことを報告。さらにエクササイズは血流を良くしてくれるため、性欲の向上にもつながる。
成功させるには?
彼をやる気にさせること。「男性は目標重視型だから、小さなゴールを達成したらご褒美をあげて」と勧めるのは、心理学者のエレノア・コール博士。 (自分へのご褒美に新しいジムバッグを買うのと同じだ)
エクササイズが習慣になるまでには4週間かかる (だいたい12回程度ジムに行くことになる)。4回ごとに最新映画のチケットなどの小さなインセンティブをあげて、彼を病みつきにしよう (あなたも一緒に映画に行けば一石二鳥)。
https://www.womenshealth.com.au/the-10-laws-of-lasting-weight-loss