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科学専門誌に掲載された新たな論文によると、有酸素能力に優れた人は、座りっぱなしの人に比べて “度忘れ” することが少ないんだそう。これは、運動が言語処理をつかさどる脳の部位を強くするからだとか。この内容をオーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

この研究では、有酸素能力と言葉を見つける能力の関係が調査された。研究チームは、55名の被験者を2つの年齢層に分類し、60代後半の男女28名と20代前半の男女27名が度忘れする頻度を測定した。

最初に被験者は、イギリスの有名人に関する20個の質問に基づいて、その人物の名前をあげるテストを行った。続いて被験者には言葉の定義が与えられ、それを正しい言葉と結び付けるよう指示が与えられた。その後、総じてタスクに苦しんだ60代後半のグループが、エアロバイクで有酸素能力を測定した。

この研究論文の筆頭著者で、英国バーミンガム大学研究員のケイトリン・セガエルト博士は、「高い有酸素能力は、高齢者の言語処理能力に有利に働くだろうという予測していた」。その予測は的中し、有酸素能力の低い高齢者に比べて、有酸素能力の高い高齢者は単語や名前を度忘れする確率が低い結果となった。

なぜだろう? この論文によると、有酸素運動は色んな意味で脳にいい。例えば、情報処理をつかさどる脳の部位である灰白質の量が増える。つまり、定期的にランニングやエクササイズをしてきた人は、運動不足の人より灰白質の量が多く、年老いても度忘れする確率が低いということ。

セガエルト博士が言うように、この研究は60~80歳の健康な成人だけを対象としている。でも、ランニングがあらゆる年齢の人々の脳力を改善することも、走れば走るほど脳に燃料(グリコーゲン)がたまることも過去の研究から明らか。研究者たちは、グリコーゲンの貯蓄量が増えれば増えるほど、筋機能だけでなく認知機能も高まると考えているらしい。

この論文によれば、ランニングは新しい神経細胞と脳血管の形成を促進し、海馬 (言語に関係する脳の部位) の量も増やしてくれるそう。物忘れが激しいなら、今すぐランニングをスタートしてみる!?

※この記事は当初、Runner's Worldに掲載されました。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Danielle Zickl Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。