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科学の力に乾杯! 2つの研究によって多少の飲酒が実際に健康にいいことが証明された今月は、科学を愛さずにはいられない。その研究内容をオーストラリア版「ウィメンズヘルス」からご紹介。

まず、糖尿病専門誌が発表した研究が「1週間に3~4日の飲酒によって、その毎週の平均アルコール摂取量を考慮しても、糖尿病のリスクが減る」ことを明らかにした。

この研究では、70,551名のデンマーク国民による飲酒の量と頻度を分析。その結果、毎週9杯のアルコールを摂取した女性の糖尿病リスクは、まったくお酒を飲まなかった女性に比べて58%も低いことが判明。頻度の点では、週に3~4日の飲酒をした女性の糖尿病リスクが最も低く、週1日以下の飲酒に留めた女性に比べて、リスクが32%も低い結果となった。

お酒の種類も関係しているそう。特に赤ワインに含まれるポリフェノールの働きで、適量~多量のワインを飲むと糖尿病リスクが下がることが分かったそう。1週間で7杯以上のワインを飲んだ男女の糖尿病リスクは、1週間で1杯以下の人よりも25~30%低いことが判明。

ビールの場合、1週間で1~6杯のビールを飲んだ男性の糖尿病リスクは、1週間で1杯以下の男性よりも21%低かったが、女性の場合、ビールの摂取と糖尿病リスクには関係性が見られなかった。でもジンやトニックが好きなあなたは要注意。1週間に7杯以上の蒸留酒を飲んだ女性の糖尿病リスクは、1杯以下の女性に比べてなんと83%も高かったとか。

アルツハイマー病の専門誌に掲載された2つの目の研究で明らかになったのは、適量のお酒を定期的に飲む高齢者は、お酒を飲まない高齢者に比べて、認知症やその他の認識機能障害を患うことなく85歳まで生きる可能性が高いということ。ちなみにここでの適量とは、成人女性に対して種類は問わず1日1杯のアルコール飲料のこと。

この文献の上席著者のリンダ・マクイヴォイ博士は「この研究は、晩年期の男女の認識機能の健康を考慮に入れ、飲酒が死亡率の低下だけでなく、高齢になっても認識力を維持できる確率を高めてくれることを発見したという点でユニーク」だという。

だからといって、誰もが好きなだけ飲んでいいことにはならない。筆頭著者のエリン・リチャード博士も「この研究結果は、加齢に伴う認識力維持のために適量のお酒を飲むのは、ヘルシーなライフスタイルであることを示している。でも、皆さん全員飲んでくださいと勧めているわけじゃない。アルコールによって悪化する健康問題を抱えている人や1日1~2杯に抑えることができない人にとっては、飲酒はマイナスの結果を生みかねない」と注意を促す。

飲酒によって、癌を含む数々の病気のリスクが高まる可能性を過去の研究が示してきた。調子に乗らず、分別を失わないこと。そしてリスクを下げるために再び飲み始めることのないように。でもやっぱり、仕事帰りのワインを正当化するにはいい情報なのかも。

https://www.womenshealth.com.au/article/health/studies-find-drinking-alcohol-can-have-health-benefits



Text: Women’s Health Australia Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images