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乳製品を片づけたばかりなのに、今度は豆乳の良し悪しが気になって仕方ない。なんだかもう、補充したばかりの冷蔵庫の中身を丸ごと捨てたくなってしまう。

フラットホワイトにはスキムミルクではなく豆乳を入れるようになった人と枝豆人気のおかげで、大豆の売上はここ数年で急増している。

でも、女性が食べると乳がんや不妊の原因になるとする研究結果を受けて、大豆はマスコミに非難されることも。

そこでUK版ウィメンズヘルスは、管理栄養士のローラ・ティルトに話を聞いた。果たして大豆は本当に体に悪いの?

大豆は悪者なの?

大豆に対する不安の多くは、大豆にもともと含まれており、イソフラボンとして知られる植物エストロゲン (ホルモンのような植物性化合物) の存在に紐づいている。

それでなぜ大豆が悪者になるの?

植物エストロゲンは、人間の体内でエストロゲンに似た働きをする。エストロゲンは細胞分裂を促すので、がん細胞を成長させる可能性がある。このエストロゲンの体内レベルが高いと、乳がんをはじめとするヘルスリスクに繋がると言われているので、大豆も有害なのではという懸念が生まれたそう。

でも、それ以外の点では?議論はさらに加速する。

イギリスのがんジャーナルに掲載された2008年の実験では、大豆を控えめに食べた女性に比べて、たっぷり食べた女性 (イソフラボン10mg以上) の乳がんリスクが著しく低下。これはかなりの方向転換。

この背景には体内のエストロゲン受容体、アルファとベータの存在がある。乳がんのリスクをもたらす危険性があるのはアルファ。でも専門家いわく、イソフラボンが優先して結合するのは保護作用があると言われるベータ。より最近の研究では、乳がんと闘う女性の予後や生存が大豆によって脅かされることはないとの結論が出ている。

がんのリスクはさておき、大豆が体と受胎能力におよぼす危険性については?“大豆” “受胎能力” でちょっと調べるだけで、二度と豆乳シェイクが飲みたくなくなる。

この原因は、羊、ネズミ、ラットを用いた数々の実験で明らかになった、ゲニステイン (大豆に含まれる主要イソフラボン) と受胎能力低下の関連性にある。でも、これらの動物には、私たちが大豆製品から日常的に摂取する量の5倍のゲニステインが与えられていたそう。

より最近の研究結果は、実際には大豆が受胎能力をサポートする可能性を示している。

不妊治療中の女性を対象とした2015年の研究では、イソフラボンの摂取が出生率にプラスの効果をもたらした。2016年に発表された別の研究結果は、大豆イソフラボンには有害なビスフェノールA (BPA: プラスチックや缶に含まれれる化学物質) から体を守る力があることを示している。

要するに、大豆をやめさせるだけの説得力をもつ人体試験結果は不十分だということ。

受胎能力に関して言えば、大豆よりもインパクトの強い要素があるはず。体脂肪の過多または不足、喫煙、アルコール、過剰なストレスは、どれも妊娠率に悪影響を与えるかも。

イソフラボンは別としても、ヘルシーな食生活の一環として大豆たんぱくを食べることで、心臓疾患のリスクが低下することを考えれば、やめる必要はない。枝豆たっぷりでいい。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Womens Health, extra words by Aleesha Badkar Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。