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夜眠れないと、おなかがすくだけでなく悪影響があるそう。その内容をUK版「ウィメンズヘルス」からご紹介。

8時間睡眠なんて夢のまた夢、と思うかもしれない。そして、眠れない理由はストレスなのか、ただリラックスできないのか、それともただ神経質になっているだけなのか理由は色々ある。でも、眠れないことを気にすると余計に寝られなくなってしまうことにもなってしまう。

夜中に1時、3時、5時と起きてしまうと身体が重くなるだけではない。きちんと睡眠がとれていないと、腸にも影響があり体重が増えてしまうと知っている?さらに、睡眠不足はジムでのエクササイズの効果にも影響するそう。

研究によると、夜にしっかり寝ることは給料が上がることよりも気分にプラスの影響があるという。その一方、眠れない夜が何日か続くだけで精神状態にもインパクトがあるとか。

オックスフォード大学の研究者は4人の健康な成人を調査。はじめの3日は妨害なしに眠り、次の3日間は4時間しか眠れない状態を作った。(4時間というのは、一般的な「あまり寝られない」場合の睡眠時間だという)。

この研究で、被験者の精神状態はたった3日間睡眠が不足するだけで大きく影響されることが分かった。これは医学専門誌「The Lancet」に発表された実験結果にも裏打ちされている。

また、1年間にわたって、被験者の睡眠パターンと精神状態を分析した結果、研究者は不眠症と精神疾患との明確な因果関係を発見したそう。睡眠障害は、精神障害の二次的な症状だけでなく、精神障害を引き起こす要因そのものにもなることが判明。

「この実験では不眠症は精神病の諸症状の因果要因であるという証拠を強く示した」と研究では結論づける。

では、実際に夜眠れないと心にどういった影響を与えるのか見てみよう。

1. 不安

眠れなかった次の日はなんとなく心配しがちにならない?研究では不眠が不安を引き起こすことを示している。

バークレーの睡眠と神経画像研究所の研究では不安障害の既往歴のない成人18人に対してよく眠れた日と眠れなかった日にいくつかの画像を見てもらう実験を行ったという。

その結果、特に気持ちが乱されるような画像を見せられた時は、眠れなかった日の方が落ち着きがなかったという。

マシュー・ウォーカー医師によると、この結果は睡眠が精神状態にいかに影響しているかを示すものだと話す。そして、睡眠と精神障害との因果関係を強く示すものである。

2. うつ状態

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不眠も過眠もどちらもうつ病の症状。でも、睡眠の乱れはうつを引き起こす要因となるのか?

オックスフォード大学の臨床心理学の教授、ダニエル・フリーマンが4人の被験者の睡眠を調査して質の悪い睡眠についてこう結論づけた。「睡眠が足りないと、マイナスな思考になりがちで、さらにそれにとらわれやすくなってしまう」。

もちろん眠れなかったからといって必ずしもうつが引き起こされるわけではない。ただうつになる確率を上げる可能性はあるとフリーマン氏は話す。

「毎晩3人に一人がなかなか寝つけずにいて、人口の5パーセントから10パーセントは不眠症。それでも、みんなどうにかやりすごす方法を見つけて生活している」と説明する。しかし、眠れないことは精神状態にさまざまなリスクを引き起こしてしまうことは間違いないそう。

3. ストレス

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3日連続で眠れないとストレスレベルが上がってしまう。そしてそのストレスが不眠の原因になり、睡眠の乱れがまたストレスを引き起こしてしまうという悪循環になってしまうそう。一日眠れないだけでも気分が左右されて、集中力や注意力にも影響すると説明するのは睡眠協会のリサ・アーティス。

「長期的に睡眠が足りないともっと深刻な問題が出てくる。高血圧、心臓病、糖尿病や脳卒中などの健康問題につながっている」という。

不安と睡眠を切り離すためにアーティス氏は眠ろうとしないことをすすめている。自然と眠れるのを待ったほうがいいので、眠れるまで目は開けたまま起きようとしていたほうがいいそう。眠くないということをあまり気にせずに受け入れて、とアーティス氏。

眠れないことを気にすればするほど、身体はストレス状態になってしまい眠りにつけなくなってしまう。

4. 強迫観念

睡眠が足りないと被害妄想につながってしまうと知っている?

全米バイオテクノロジー情報センターに発表された論文によると、不眠は不安、うつ病や異常行動の要因になりかねない。また別の論文によると、不安、うつや異常行動は強迫観念を見つけるサインでもあるという。

この研究は初めて強迫観念が強い人に睡眠障害が多いということを直接的に証明したものだそう。

5. 不信

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さらに、強迫観念の延長で、夜に眠れないことが日常的に起きるようになると、まわりの人を信用できなくなってしまうという。不安、うつとストレスが組み合わさり疑い深くなってしまうのだ。

全米バイオテクノロジー情報センターによる研究で行われたアンケートでは、睡眠が少なかった人は「誰かが私を陥れようとしたと思っている」、「ある特定の人が私にうらみを持っている」、「誰かに間違いなくいじめられた」などの項目に高い評価を与える傾向にあったという。

もし次に眠れなくて睡眠が足りないと思ったらパニックになるのではなく、天井を眺めるのではなく起き上がってなにか別のことをするようにして、とアーティス氏はアドバイスする。眠ろうとして上を向いているのは逆効果で、むしろ落ち着かなくなってしまうそう。簡単だけど、気分を変えるのにはよいのでためしてみて。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Jadie Troy-Pryde Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images