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目が覚めると体が驚くほどスッキリしている。目はしょぼしょぼしないし、こめかみがズキズキすることもない。ここであなたは罪を犯す。そう、実際にどれだけ寝たかを確認するため、睡眠トラッカーの情報をチェック。すると、そんなに寝てないってことはない?

睡眠トラッカーのようなウェアラブルテクノロジーは寝室にまで入り込み、睡眠の在り方を変えているそう。でも、睡眠トラッカーで眠りを追跡する場合には、情報が必ずしも役に立つとは限らないかも。

睡眠トラッカーの使用が睡眠パターンにもたらす影響

エリートスポーツ睡眠コーチで『Sleep』の著者であるニック・リトルホールズによると、起きた時に体がどう感じるかよりも数字とグラフに気を取られていると、逆効果になってしまうことに問題があるらしい。

一日を始めもしないうちから睡眠トラッカーを操作していては、体の自然な睡眠パターンが大混乱を起こしかねない。それに、実際の気分はいいのに数字がそれほど良くないことが分かれば、体内のコルチゾール値も上がるというもの。

「自分の体ほど睡眠の質を正確に表すものはないので、体の声に耳を傾ける価値はある」 とリトルホールズ。

睡眠トラッカーが、心拍数のチェックや食事のマクロ計算ほど健康のためにはならないであろう理由は他にもある。

リトルホールズによれば、「ほとんどの睡眠トラッカーには、運動センサーか心臓モニター、またはその2つを組み合わせたものが搭載されている。でも、睡眠の異なるステージを理解するには脳の活動状況を記録する必要があり、それを可能とする技術がまだ存在していない」。

一般的な睡眠記録アプリは、必要な睡眠時間が人によって異なることを考慮していないことにも触れておくべきだろう。

人間の体内時計、つまり体がしっかり機能するために必要な睡眠量はもちろんのこと、最も寝やすい時間帯も人それぞれかも。

よって、睡眠トラッカーに関して言えば、アボカドをどれだけ食べるか、アクティブウェアにどれだけお金を使うかと同じように、大事なのはバランス。

睡眠トラッカーのデータに気を取られすぎ、十分眠れているかどうかを心配してばかりいると目が冴えてしまう。

リトルホールズは、「ストレスは不眠症の大きな原因。8時間完璧に寝ようと自分にプレッシャーをかけていては、睡眠時間が増えるどころか減ってしまう可能性が高い」という。

でも、データをポジティブに使うのなら、睡眠トラッカーには間違いなく価値がある。

「はっきりしたデータを見ることで、人々が日常生活に必要な変更を加える気になることも」 と語るのは、英国サリー大学睡眠研究センター研究員のヴィッキ・レヴェル博士。

「ちゃんとした時間にベッドに入れるようリマインダーを設定するにしろ、遮光ブラインドに投資するにしろ、このような変化は質の悪い睡眠による悪影響から身も守るのに役立つ」。

さあ、電気を消して睡眠トラッカーの電源を切り、夢のような眠りにつこう。

この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Beth Gibbons Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。