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睡眠前にスマホを使わないなんて、持続可能な解決策じゃないでしょう? ヘルシーな生活と同様、睡眠の質を良くするために “するべきこと” は誰にでも分かっている。でも、それを実行に移すのは時として難しい。

日常生活が邪魔をするから、私たちは気付けば就寝時間の直前にスマホでインスタグラムの動画を観ているし、電子機器をリビングルームに置きっぱなしにすることもできずにいる。

そして、あなたには仲間がいっぱい。

●イギリス人の半数は睡眠に問題があり、その傾向は男性よりも女性に強い。
●イギリス人の70パーセントは、一晩の睡眠が7時間以下。
●イギリス人口の4分の1は、日常的に睡眠の質が悪い。

この記事を読んでいるということは、あなたもこの実態を知っているのでは? 睡眠不足が免疫システムを抑圧し、胃腸にちょっかいを出して体重増加を引き起こすことも、たぶん知っているはず。あなたがこれを読んでいるのは、答えを求めているから。実際に役立つ答えを。

まだ手段はあるかも。携帯をいじる時間を犠牲にしたり、深夜にネットでランダムな買い物をする楽しみを奪われたりすることもない。

現実主義者のための睡眠改善ガイド。

●睡眠問題: 暑い

毎日の暑さは、普段はしっかり眠れるタイプの人にも大惨事をもたらす。The Sleep Geek (睡眠オタク) として知られ、クライアントにイギリスのヘルスケアサービスWestfield Healthを持つ睡眠エキスパートのジェームス・ウィルソンによると、睡眠には体感温度の低下と心拍数の低下という2つの要素が必要。でも、外気温が上昇すると、室内温度も上昇する傾向にあるので、魔法の方程式が崩れてしまう。どうすればいい?

解決策は、「寝室は家で一番涼しくないと」 とウィルソン。「理想は16~18℃。暖かい部屋で寝ると、体が体感温度を下げようと発汗するので目が覚める。室温が最適なら、一度寝てしまえば目が覚めない。体感温度が必要なだけ下がるように、マットレスとブランケットの間の空間は27~29℃に保たれるべき。でも、ほとんどの人は35~41℃で寝ている」

●睡眠問題: 仕事のことを考えている

終わりのないTo-Doリストとあらがえないプロジェクトの締め切りを抱えているのに、家族や友達がかまってとねだる。そんな経験は誰にでもある。イギリスの睡眠時間レポートによると、眠れない理由の50パーセントはストレス。でも、キャンドルを灯した温かいお風呂に入り、携帯電話の電源を切って朝までメッセージを放っておくだけの時間的なゆとりなんて誰にもない。

解決策は、「寝る前に携帯電話やタブレットを使うなという専門家は非常に多い。万事もうまくいく完璧な世界に住んでいるなら、それでいいだろう」 とウィルソン。「でも、現実の世界では、体がまだ日中だと思ってしまうのを防ぐアプリかブルーライトフィルターを使って、電子機器を “眠るための” ツールにしよう。 瞑想アプリや、眠気を催す言語を話すポッドキャストはどれも有効。仕事メールの送受信だけはやめておこう」

ホワイトノイズを聞く、深い呼吸を練習する、そしてなんと親指を引っ張ることでも眠気が促進できる。

●睡眠問題: 歯ぎしり

驚くことに、イギリス人口の80パーセントもの人々が歯ぎしりによる症状で目を覚ましたことがある。これには、あごの痛み、顔面の痛み、歯が過敏になるなどが含まれるけれど、その原因の大半はストレス。

解決策は、「体を落ち着かせてリラックスするために、ベッドに入る30分前に横隔膜呼吸のエクササイズを。やさしいヨガの一部として練習するのもいい」 と勧めるのは、『The Dental Diet』の著者で機能性歯科医のスティーブン・リン博士。

これで改善しなければ、マウステープ。リン博士によると、気道の問題も歯ぎしりの原因になりうるかも。テープで口を塞げば酸素効率が上がり、結果的に睡眠の質が向上するとか。

●睡眠問題: 悪夢

西イングランド大学によれば、男性より女性のほうが悪夢を見やすいみたい。悪夢は、ストレス、不安、トラウマ (心的外傷) に紐づいていることが多く、実際に不眠の理由の6割を占めるそう。

NPO法人「米国立睡眠財団」は、毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝られるように、就寝の5~6時間前からカフェイン、アルコール、30分以上のエクササイズを避け、不眠が長引く場合には専門家に相談するよう勧めている。

●睡眠問題: (自分もしくは他人の) いびき

これぞ悪夢の元凶。時に不規則な口笛のような、鼻息交じりのいら立たしいいびき。多くの人にとって、いびきは単なるいびき。でも、閉塞性睡眠時無呼吸症候群を患うイギリス人口の40パーセントの人々は、いびきのせいで一時的に “息を止めている” 状態に陥ることも。上気道における筋緊張の不足が障害となり、肺に空気が入らなくなってしまうのだとか。重度のいびきの他にも、無呼吸症候群の症状には、日中の異常な眠気、朝の頭痛、性欲の減退などが含まれる。

解決策は、当たり前なのに見落とされやすいのが耳栓の使用 (衛生上の問題などに気を付けて)。寝る姿勢を変えてみるのもいい。それでも駄目な場合、あるいは、あなたのパートナーが無呼吸症候群の診断を受けていない250万人のうちの一人であることを疑う場合には、医師の診察を受けて (無呼吸症候群は、脳卒中、糖尿病の症状、肥満につながる恐れがあるので、調べてもらう価値はある)。

●睡眠問題: 夢遊病

不眠症対策サイトSleepStationの共同設立者で、睡眠情報サイトDreams’ Sleep Matters Clubの顧問睡眠神経学者、クリスティ・アンダーソン博士によると、夢遊病はイギリスの成人の2~3パーセントを悩ませる夜間の異常な行動。一見すると、ただ厄介なだけ。ベッド以外の場所で起きるなんて誰だって嫌。でも、夢遊病者はけがをしやすいので危険な行動ともいえる。

解決策としてストレス原因の症状を改善するために、アンダーソン博士は就寝前にリラックスタイムを設け、規則正しい睡眠習慣をつけることを勧めている。催眠療法にも効果があると言われているそう。

●睡眠問題: 空腹

箱入りのアイスクリームどころか、明日の朝食にと愛情を込めて作った一夜漬けオーツまで平らげたいという、どうしようもない欲望で目が覚める? 深夜の間食は一般的だけど、体重の増加、糖尿病、心血管障害、メンタルパフォーマンスの低下への近道でもある。

解決策は就寝前の燃料補給で一晩中ぐっすり眠ること。適切な食べ物やドリンクを選べば、ベッドタイムがこの上なく美味しい時間に。

●睡眠問題: くつろげない

ウエイトトレーニングで無理をした? それとも、走っているうちに不快な痛みが走った? 肩、腰、膝をはじめとする関節の痛みは、眠りの妨げになることも。

解決策は痛みのある部位を下にして寝ないこと。でも、無意識では姿勢がコントロールできないでしょ? そこで試してほしいのが、この便利なテニスボールのトリック。パジャマのポケットにテニスボールを入れるだけ。痛みに応じた睡眠時の姿勢を調べてみるのもいい。

時間がある人には、ベッド前の軽いマッサージも効果的。フォームローラーで筋肉をいたわる方法をチェックしてみよう。

※この記事は、UK版ウィメンズへルスから翻訳されました。



Text: Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。