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私の学生時代からの友人は、赤ちゃんがお気に入りブランケットを手放せないようにシルクの枕カバーにぞっこん。学生のころから寮で毎晩使うだけでなく、デートや休みの日のおでかけにまで持って行ってくくらい。そんな彼女が枕を忘れた夜は、「ただの枕でしょ」と散々からかわれながらもタクシーで取りに帰ることに。

だから、その何年後かに、肌も髪もケアできる必需品としてシルクの枕カバーが美容の世界でこんなにもてはやされることになるなんて、夢にも思わなかった。アメリカンセレブ、コートニー・カーダシアンまでも注目しているとか。でも、枕カバーにアルガンオイルが塗られているわけでもないのに、なんで肌や髪にそんなにいいの?

「コットンやウールと同じく、シルクは天然素材。単純に、天然素材は肌に、特に敏感肌や湿疹肌には、よりやさしい」とニューヨークのギャリー・ゴールデンバーグ医学博士は言う。「ニキビやニキビ跡に悩む人は、高品質のシルクなら毛穴をふさがないので肌に効果がある」と続ける。

人気の美容師、アンドレ・ウォーカーは「一般的な綿の枕カバーは切れ毛や枝毛の原因となることが分かっている」と言う。「綿は吸水性がある繊維なので、髪の水分を奪ってしまいがち。シルクの枕カバーは、カールした髪が縮れたり伸びたりするのを防ぎ、スタイリングをキープしやすくしてくれる」とウォーカー。

「シルクはなめらかで吸水性もあるので、髪との摩擦が少なく、ブロースタイリングを持続し、切れ毛も防いでくれる」

シルクの枕に毎晩顔をうずめるなんてなんだかちょっと浮かれている感じがして、実用主義者の私はそのよさを疑っていた。でも一方で、美容に興味のある私は、気になって仕方がなかった。そこで、ついに一番人気のある「Slip Silk Pillowcase」というシルク枕カバーを買って、2週間使ってみて髪と肌への効果を検証してみた。

1夜目:もしかして、8時間も寝続けたの?

この枕に頭をうずめた瞬間、ヒヤッと冷たい感じした(これまでの綿のカバーに比べて)。いつも暑くなってしまい、涼しいところでないと眠れない私でもすぐにスヤスヤと眠りに落ち、そのまま8時間も眠り続けた。(王室のベッドで眠るのってこんな感じ?)

翌朝、おでこのシワと大きな毛穴はいつものように化粧なしだと目立っていたけど、頬に枕のシワの跡は見当たらないし、疲れ顔でもなかった。シルクの枕カバーで寝た初日からニキビが減っているわけではなかったけれど、仕事のある平日にもかかわらず、いつもよりよく休めて、見た目にもスッキリした気分だった。

でも、ゴールデンバーグが強調するように、たった一晩でその効果は肌には現れない。「敏感肌や湿疹肌で、合成繊維からシルクに替える人は、すぐに効果を実感できるかもしれないけれど、ニキビやニキビ跡の改善には、1ヶ月程度かかるかもしれない」

2~5夜目:赤いポツポツはどこへ?

真紅のシルクの枕カバーで寝て3日目か4日目の朝には、もっとはっきりした変化を鏡で確認できた。

私のクリーム色の肌は、いつも前触れなしに色々なアレルゲンの刺激によって赤みを帯びていて、特に朝が顕著。でも、数日シルクの枕カバーで寝た後、そのいつもの赤みがはっきりと引いていた。

そして、髪のからまりも減っているように見えた。もしかしたら、それは涼しくて快適な良い睡眠の賜物かもしれないけれど、ウォーカーはシルクのおかげかもしれないと言う。「シルクの枕カバーで寝ると、サテン織りの上を髪がすべり、髪が頭の重さにつぶされるのから守ってくれる。また、髪が繊維にからまって切れるのも防いでくれる」と話す。

6~14夜目:私もセレブの仲間入り?

検証の2週間がたたないうちに、すっかりシルクの枕カバーのとりこになってしまった。でも、それは肌のちょっとした改善と髪への効果によるものではないかもしれない。結局今も、ニキビ肌と縮れ毛に効くクリームや美容液やマスクを使っているし、そっちのほうがよっぽど効果があると思っている。シルクの枕カバーは、美容の救世主ではないけれど、いつものやっているルーティンやトリートメントの効果をアップさせてくれる位置づけ。

このシルクの枕カバーに意味がないと言っているわけではない。でも、私にとって一番の利点は、いつもの生活がちょっとゴージャスになったこと、涼しく快適に眠れること、そしてシルクで眠るというセクシーで官能的な気分、の3つ。なにせ、今までこんなにぐっすり眠れたことはない。

唯一の問題は(問題というほどではないけれど)、夜用のクリームやマスクをたっぷり塗って寝ると、頬が少し枕にくっつく感じがしたこと。枕カバーとしては高い方だけれど、いつもより涼しくて快適な睡眠を手に入れたのだから、私にとっては価値のある贅沢だと思う。

シルクの枕カバーの効果を体験した今、もう昔の枕カバーに戻るつもりはない。そして、もしかしたら、次のデートに持っていく可能性も……なくはないかも。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Julia Sullivan Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images