欧米では一般的な「風邪には大食、熱には絶食」という言い伝え。他にも、「1日1個のリンゴで医者いらず」「ニンジンを食べれば暗い所もよく見える」などさまざまなことわざがあるけれど、このような昔から存在することわざは本当なの? 現代の専門家に聞いてみた。
信用性の高い伝統的な民間療法も存在する一方で、回復を遅らせ、長い間寝たきりになるような疑わしいアドバイスも存在するという。
「風邪には大食、熱には絶食」は危険?
このことわざは、1574年の中世から存在しているんだそう。イギリスの辞書編集者ジョン・ヴィゾールス氏によって提案されており、得に断食は熱が出たときに最適な療法だとつづられている。しかしこれはかなり昔のことわざであり、真実だとは限らない。
「風邪やインフルエンザには、十分な水分補給が必須であり、インフルエンザのような高熱が出た際にも、体は水とエネルギーを必要とするため断食している場合ではない。」と断言するのは家庭総合医であり、『Ultra Chloraseptic(海外で有名な市販薬、のどスプレー)』のアドバイザーであるパウル・スティルマン医師。「そもそも風邪をひくと、基本的に食欲は低下するもの。発熱を伴うような感染の場合も、普段のように食事をとるよう心がけるほうがいい」
ハーブ療法は風邪や熱に効く?
おばあちゃんに教わった昔からの知恵は全て信じてもいいのか? という疑問に対して、スティルマン医師は「医学に基づいた現代的な証明によると、古い医学的な民間伝承はほぼ的外れである」と話す。
そんな中、インフルエンザや風邪に効くと言われている伝統的なハーブ療法もいくつか存在しているのは事実。
風邪を早く治すには?
1. 水分補給
とにかく水分補給が大事。温かい飲み物もおすすめ。
2. 薬を飲む
体に痛みや頭痛がある場合は、鎮痛剤の投与を。イブプロフェン(Ibuprofen)やパラセタモール(Paracetamol)は効果的。風邪や喉の痛み、少数派の感染症などの場合は、抗生物質の投与はおすすめできない。これらの感染症はほとんどが、細菌からではなくウイルスによるものなので、抗生物質の効果は期待できない。
喉の痛みや不快感を和らげるには、喉スプレーを利用して。大抵の喉スプレーには鎮痛薬を含有し、痛みに即効性があるという。のどがまひすることも防いでくれるそう。
3. 休養
スティルマン氏は、「できるだけ休んで」という。
時間に余裕があれば、好きなテレビを見ながら、心地良いソファでゆっくりしてみては? 睡眠もしっかりとることが大事。こんな1日を設けることで、風邪でつらい日も悪くはなくなるだろう。
風邪と熱の救世主
風邪や熱、インフルエンザにかかったら、現代の薬に頼るのが最も賢明。症状の中で一番厄介なのが、喉の痛み。繰り返すが、水分補給は怠らないように。症状に応じては喉スプレーも利用してみて。
※この記事は、イギリス版ウィメンズへルスから翻訳されました。
Text: Rhalou Allerhand Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。