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ブラの着用で胸が垂れやすくなると主張するフランス人科学者がいる。それに対する専門家の意見は?

2013年、フランスの科学者が衝撃的な発言で世界を震撼させた。新たな研究によって、ブラを着用すると若いうちから胸が垂れることが分かったというのだ。ノーブラ大好きのアメリカ人歌手マイリー・サイラスが、また何かしでかすつもりなのか? そんなことを考えずにはいられない。

このフランスの研究では、15年にわたり330名の若い女性を追跡。この研究論文の著者は、フランスのラジオ局によるインタビューの中で、ブラで押さえつけられた胸には、自然なハリを持たせるための筋肉や肌の発達が見られなかったと述べている。研究期間中にブラを外した女性たちには、胸の弾力性に一定の改善が確認できたそう。

でも、下着を捨てるのはまだ早い。専門家たちは、この未発表の研究結果に疑いの目を向ける。血行問題や乳がんまで、ありとあらゆる問題の責任をブラに負わせようとし、後に偽りが証明された過去の研究が無数にあるからだ。

「興味深い暫定的結果ではあるけれど、時間が経っても垂れることの少ない胸の小さな女性だけを対象としたのか、あらゆる胸のサイズの女性を対象としたのかがハッキリしない」 と語るのは、米イェール医科大学臨床産婦人科教授のメアリー・ジェーン・ミンキン医学博士。

「重力が自然と全身の組織に与える影響を計算に入れたのかも分からない。説明されるべき要素が多すぎて、この結果を受け入れるのは難しい」

とはいえ、ブラが健康に無害だということにはならない。サイズの合わない下着は、首や肩の痛みだけでなく、前屈姿勢の原因にもなる。ミンキン博士によると、合成繊維や通気性の悪い素材は、汗を好むバクテリアを閉じ込め、発疹やニキビといった肌トラブルを引き起こす。スポーツブラを着用せずに運動すれば、少しの揺れで胸や乳首がひどく痛むことも明らか。

やっぱり垂れるのが心配? ミンキン博士いわく、ブラを着けるか着けないかで違いが出るという証拠はない。胸の垂れに間違いなく貢献するのは、ダイエット、妊娠、授乳によって起こる胸の拡大と収縮。胸を大きくしたり小さくしたりするものは何でも、胸の周りの肌と組織を弱くする。その結果、弾力性が失われ、しぼんだように見えてくるそう。

評決: ノーブラ派でもブラ派でも、大事なのは心地良さ。どちらを選んでも健康に大きな影響が出ることはないので、怖がる必要はない。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Esther Crain Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images