ここ50年間の中でのダイエット神話の中では、カロリー収支、というものがある。何年もカロリーを摂り過ぎると体重が増えて、体重を減らしたいのならカロリー制限をしないと達成できないと言われてきた。でもこれは正しくない。
人気ダイエットコーチのサム・ウッドがこのダイエット神話について解説してくれた。
「何千人もの女性と一緒に働いてきて、彼女たちの食べたもののカロリーを全て計算してきたけれど、思ったような結果が出ないことがある。それはなぜか? 実はカロリー計算は必ずしもうまくいくわけではない。
食べ物を食べるということは、必要なカロリー摂取量を満たすために好きなものをなんでも食べてもいいということではない、と理解しなくてはいけない。食べ物は、良質な栄養源として微量栄養素を与えてくれて、健康とエネルギーの元となってくれる。
多くの人たちは今まで、そして今も細かくカロリーを計算したり、カロリーの低いものを買ったりしてきた。でも、実はカロリー計算は目標達成に役に立たないばかりか、むしろ悪さをしていることもある。だから、自分のクライアントには、カロリーだけでなく他ものも考えるように、と指導している」。
そこで、サム・ウッドにカロリーについて知っておきたい3つのポイントを聞いてみた。
1. カロリーは全て一緒ではない
キャンディーの100kcalとフルーツの100kcalは決して同じではない。
糖質を含む炭水化物よりも、脂質の方がカロリーが多いというのは本当。でも本当にコーラ1缶はアーモンドひとつかみやアボカドよりも身体に良いのか? そんなことはないはず! どこからカロリーを得ているのかと、それが代謝をどう変化させるかを考えた方が良い。また、自分が食べた物が身体にどんな影響を与えるのかについても考えなくてはいけない。たとえば、ホルモンに大きな影響を与えるような食べ物もある。そしてこのホルモンが空腹をコントロールするよう脳に信号を送ってくれる。
また、身体の燃料となるような栄養素がたっぷりなホールフードをなるべく選ぶようにして。ホールフードとは、自然の姿に近いもので野菜やフルーツ、豆類、ナッツ、種子や穀物のこと。こういったものを食べることで身体も調子がよくなる。
2. 食べ物の食事誘発性熱産生のことも考慮して
これはそんなに難しいことではなく、食事誘発性熱産生とは食べた物を分解するためにどれくらいのエネルギーが必要かということ。たとえば、パンや精製された砂糖やシリアルよりも、タンパク質や食物繊維が多い野菜を消化するのにはより多くのカロリーを使う。タンパク質は食事誘発性熱産生がもっとも高い。そのため、タンパク質は身体の脂肪にもっともなりにくいということ。
3. お腹がすく食べ物と、お腹がいっぱいになる食べ物がある
炭酸飲料を飲んでもお腹がいっぱいになる? 個人的には食べるのなら、後でお腹が空いてイライラしたり、毎時間おやつを食べなくてはいけない、なんてことがないものを食べたいと思っている。満腹感とは食事を食べた後に感じるもので、お腹がいっぱいで満足してこれ以上食べたいとは思わないこと。こういった満足感や満腹感の得られる食べ物もある。カサがある食べ物で、高タンパクで食物繊維が多い食べ物のほうが長い時間満腹でいられる。
自分の場合は、食べ物は楽しんだり、みんなと分け合いながら食べるものだと思っていて計算するものではないと思っている。だから、食べた物のカロリーを必死で計算するのではなく、食べたものが身体に何をしてくれるのかを考えたほうがいい。気にすべきなのは、食べ物の栄養を考えるのであって、何カロリーあるかではない。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:Sam Wood Translation:Noriko Yanagisawa Photo:instagram of @ snezanamarkoski