Human leg, Joint, Stairs, Knee, Calf, Thigh, Muscle, Foot, Ankle, Hip, pinterest

ランナーたちには昔から分かっていることが、新たな研究によってやっと実証されたそう。ランニングは正真正銘のストレス発散方法。その内容をオーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

学習と記憶の神経生物学専門誌が発表したこの研究では、ランニングには、慢性的ストレスが学習と記憶をつかさどる脳の器官である海馬にもたらす影響を食い止める力があることを発見したそう。

これまでにも多数の研究が、ストレスによって学び記憶するという重要な機能が損われる可能性があることを指摘してきた。適切な記憶の形成と想起には、長期増強 (LTP) と呼ばれるメカニズムによって、海馬内のニューロン同士の結合が時間をかけて強化される必要があるとのこと。長引くストレスはこの結合を弱め、長期増強の低下と記憶力の低下を引き起こすそう。

今回発表された研究では、ネズミを2つのグループに分け、片方のグループは4週間にわたって回し車を使用したのに対し (1日平均5kmを走った)、もう片方のグループは体を動かすことがほとんどなかった。その後、研究チームは、高い位置で固定された台の上を歩いたり、冷たい水の中で泳いだりといった精神的に疲れる状況を両グループに経験させてから長期増強を測定。

この測定に用いられたのは、記憶を頼りに迷路を走るというエクササイズ。その結果、回し車で走ったネズミには長期増強レベルの低下が見られず、運動不足のグループに比べてエラーの量が著しく少ないことが分かったんだそう。

「学習力と記憶力の向上のためには、ストレスを感じない、そしてエクササイズを行う生活が理想的だろう」 と語るのは、この文献の筆頭著者で米国ブリガムヤング大学生理学・発生生物学助教授のジェフ・エドワーズ。

「もちろん、暮らしの中で常にストレスをコントロールすることはできない。でも、エクササイズの量はコントロールできる。外に出て走るだけで、ストレスが脳に与える悪影響を食い止められるというのは心強いこと」

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Lauren WilliamsonTranslation: Ai Igamoto Photo:Getty Images