アメリカが妊婦の日本渡航自粛を勧告!? 想像以上に深刻な風疹パンデミック

11 November 2018

アメリカが妊婦の日本渡航自粛を勧告!? 想像以上に深刻な風疹パンデミック

今、猛威を振るっている風疹。マスコミがその緊急度と危険性に警鐘を鳴らしているものの、まだまだ対岸の火事として捉えている人も少なくないよう。しかしここにきて、ついにアメリカが日本の風疹の拡大について、対策を打ち出した。それは妊婦にまつわるもの。国際情勢から見た日本の風疹事情と、甘くは見ることができない症状について迫る。

前回、風疹が拡大しているニュースを緊急記事として公開。あれから約半月で、患者数はさらに増加。今年の初めから9月30日までで925人を数えた患者は、10月21日までに1,486人にまで拡大したと国立感染症研究所が10月30日に発表した。

国立感染症研究所や厚生労働省、メディアも呼び掛けをしているが、まだまだ危機感がない人が多く、このままでは感染はもっと拡大すると警告している。日本のこの風疹の流行は世界的にも問題になっていて、アメリカの米疾病対策センター(CDC)は、予防接種や過去に感染歴がない妊婦の日本への渡航しないように勧告しているという。 

もう「風疹? 知らない」なんて言ってはいられない状態なのだ。


風邪が流行する今の季節は、症状に気づかないことも!

前回の記事でも風疹について簡単に解説したが、まだまだ他人事の人が多いのが現状だ。アメリカが妊婦の渡航の自粛を求めるほど深刻なのは妊婦が感染した場合、生まれてくる赤ちゃんに深刻なトラブルが出る危険があるから。

きちんとした知識を覚えておきたいもの。もう一度説明をしておこう。

風疹とは、ウイルスによって起こる急性の発疹性感染症で、昔は「三日はしか」と呼ばれていた。感染力が異常に強く、インフルエンザの2~3倍の強さで周囲に広がる力を持っている。インフルエンザや風邪と同じように、飛沫(咳やくしゃみ、会話中に飛び散るしぶきなど)で感染すると言われている。

問題なのは、症状だ。主な症状は発疹や発熱、リンパ腺の拡張、結膜の充血、関節痛に関節炎、咳、鼻水など。風疹の代表的な症状と言われる発疹や熱、リンパ腺の拡張の3つの症状が全て出た人は、感染した人の半分強。

発疹は風疹の代表的な症状のため、出た場合は感染を疑うかもしれないが、それ以外は風邪にも似た症状だ。そのため、風邪をひいている人が多い今の季節は風疹にかかっているのに、気づかずに拡散してしまう危険も大きいのだ。


注意するのは妊婦だけでなく、「妊娠を希望する全ての女性」

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「だったら気づいたら、すぐに病院に」という考えでは、風疹の問題は解決しない。もちろん、症状が出たらとにかく早く医療機関を受診しなくてはいけない。妊娠中の女性が感染してしまったら、生まれてくる赤ちゃんに「先天性風疹症候群 (CRS)」という障害が出てしまう危険があるからだ。

CRSになった赤ちゃんは先天性心疾患、難聴(高度難聴)、白内障などのトラブルが出ることが多く、他にも網膜症や脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球などのリスクが出やすくなるという。しかもCRSの治療は現状では残念ながらなく、万が一妊娠中に感染しても、そこからケアすることは不可能とされている。 

ウィメンズヘルス世代は妊娠中の人、これから妊娠を考えている人も多い。
妊娠中の人はかかりつけの産婦人科などで、風疹についてどうすればいいか説明を受けることが必要だ。

また、妊娠したら産むことを考えている人は、風疹の抗体を持っているのか、きちんと検査しておくことが肝心だ。風疹の抗体がない場合は、将来の妊娠に備えて風疹ワクチンの接種は必ず受けたほうがいいだろう。しかも風疹ワクチンを接種する場合は、接種後にピルなどを使用した2カ月間の避妊が原則となっている。

 

 

これらのことを考えると妊娠中の人だけではなく、妊娠の可能性のある女性は皆もっと、このニュースに関心を持つべきだろう。自分の体とパートナーだけではなく、未来の日々も守るために。風疹の抗体の有無の確認とワクチン接種も検討してみて。

Photo:Getty Images Text:Manabi Ito

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