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SPFとブロードスペクトラム。日焼け止めを選ぶ際に、この2つをチェックすべきなのは知っている。だけど、リーフセーフ (サンゴにやさしい) であることも、チェックリストに加えたい項目のひとつ。

ハワイの画期的な新法は、サンゴ礁に有害となりうる化学物質を含むあらゆる日焼け止めの販売を禁止しようというもの。ハワイ州知事が署名したことで2021年1月1日から施行されるこの法案は、オキシベンゾンとオクチノキサートという化学物質を特に標的としている。これまでの研究で、これらの化学物質が海で洗い流されると、サンゴの白化現象 (サンゴを白くし殺してしまうこともある現象) を引き起こす可能性があることが分かっているからだ。

米ナショナル・パブリック・ラジオによると、オキシベンゾンとオクチノキサートは3,500種類もの商品に含まれる非常に一般的な日焼け止め成分。日焼け止めだけでなく、SPFを含む数々の保湿クリームや化粧品にも使われている。

サンゴにやさしい日焼け止めとは?

だからといって、日焼け止めの使用をやめるべきだというわけではない。ハワイの新法立法者と提唱者たちは、代わりに “リーフセーフ” のオプションを勧めている。酸化亜鉛や二酸化チタンなどの成分を含むミネラルベースの日焼け止めだ。

ニューヨークシティのマウントサイナイ・アイカーン医科大学で皮膚科学臨床助教授を務めるゲイリー・ゴールデンバーグ医学博士によると、ミネラルサンスクリーン (物理的な日焼け止めとしても知られる) は、酸化亜鉛と二酸化チタンの微小な粒子が肌の表面に付着し、紫外線を散乱させるもの。

一方、従来の日焼け止め成分 (前述のオキシベンゾンとオクチノキサート) を使用するケミカルサンスクリーンは、紫外線を吸収して熱エネルギーに変換し、皮膚から放出するという仕組み。

普通” の日焼け止めと同じくらい効果があるの?

ご安心を。ニューヨークシティに拠点を置く認定皮膚科専門医、ジョシュア・ツァイヒナー医学博士がアメリカ版ウィメンズヘルスに語ったところでは、「酸化亜鉛と二酸化チタンを含むミネラルサンスクリーンは、ケミカルサンスクリーンと同じくらい効果的」だそう。

ただし欠点はある。皮膚に吸収されるようにデザインされているわけではないので、肌になじみにくい (鼻の頭に日焼け止めが白く残ったりする)。その上、ゴールデンバーグ博士いわくミネラルベースは落ちやすいので、いつもより頻繁に塗り直す必要があるかも。それでも 「紫外線対策に関して言えば、日焼け止めで白く見える方が日焼けして赤くなるよりマシでしょう」 とツァイヒナー博士。

また、すべてのミネラルサンスクリーンがリーフセーフとは限らない。リーフセーフとなるには、使用される酸化亜鉛と二酸化チタンの粒子が “ノンナノ” (ナノではない) サイズでなければならないのだ。ニューヨークタイムズ紙によれば、100ナノメートルより小さい粒子は、それが何であれサンゴに吸収される可能性がある (でも、日焼け止めに使われる酸化亜鉛と二酸化チタンは厳密に言えばすべてナノ粒子なので、アメリカの日焼け止め専門情報機関Environmental Woking Groupは “ノンナノ” という言葉にはちょっと語弊があるとしている)

その日焼け止めがリーフセーフかを知る唯一の方法は、成分表をチェックすること。酸化亜鉛と二酸化チタンが含まれ、“ノンナノ” 表示のある商品を探そう。明確に “リーフセーフ” と書かれた商品もあるけど、自分の目で成分を確かめたほうが確実。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images