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髪にブラシをかけるたびに、大量の毛がブラシに絡まったり、床に落ちたり。はたまた、シャワーの壁にくっ付いたり、排水口に溜まったり……。抜け毛について、真面目に考えたことはある? 実は、毎日のビューティーケアから女性特有のトラブルまで、その原因はさまざま。放置しておきたくない原因もあるので、まずは5つの抜け毛の理由をチェック!

ヘアケア商品ブランド「Philip Kingsley」の毛髪学者で頭皮エキスパートでもあるアナベル・キングスリーによると、髪は1日60~100本抜けるもの。でも、最近やたらと毛が抜けると思うなら、別の問題があるのかも。

理由1.もしかして? あのお気に入りの髪型が髪を傷つけている!?

ストレートアイロンをかなり愛用していたり、一年中ブリーチしていない? キングスリーによると「刺激の強い商品やスタイリングツールは、髪への負担が大きすぎることもあるわ。特に良くないのは、ダメージを受けて傷んだ髪の上に、カラー液やスタイリング剤を重ね続けることね。髪がちぎれてしまうこともあるの。比較的短くて、毛根の最下部である毛球がない毛が抜けるのは、この手のダメージを受けている明らかなサインよ」

解決策 今こそ髪本来の質感と色を取り戻すとき! 硫酸塩を使っていない低刺激のシャンプーなら、ただでさえダメージで疲れた髪を、強烈な洗浄成分でこれ以上乾燥させないのでおすすめ。ヘアアイロンなどの加熱式のスタイリングツールは避けて。ポニーテールやキツめの編み込みなど、髪を引っ張るヘアスタイルも一度やめて、髪に回復するチャンスをあげてみて。

理由2.抜け毛を甘く見ない。甲状腺にトラブルがある

甲状腺ホルモンが足りないなどの甲状腺機能低下症や、甲状腺ホルモンが多すぎるなどの甲状腺機能亢進症も、突然の抜け毛を引き起こす。国際的な毛髪学専門誌に掲載された研究によれば、眉毛など髪以外の毛が抜けることもあるそう。「甲状腺が不調になると、髪の成長を担うホルモンが不安定になるわ。すると、自然と抜け落ちた後に新しい髪が生えてこなくなる可能性も」と、キングスリー。

解決策 甲状腺疾患の場合は医療機関を受診し、治療する。一般的には、甲状腺機能低下症にはホルモン補充療法、甲状腺機能亢進症に対しては抗甲状腺薬の服用とされているそう。 治療が終われば、髪はまた生えてくることが多い模様。ヘルシーな食生活も、髪の成長をサポートできる。脂肪分の少ない鶏肉や豆腐、ギリシャヨーグルト、ナッツのようなタンパク質の多い食材を摂り入れよう。

理由3.例えば仕事やプライベート、体調。ストレスを抱えている

「なんだか最近、仕事にだけは行きたくない」「彼氏と別れたばかり」「病気で体が言うことを聞かない」。こんな状況はどれも体の負担となり、ストレス性の休止期脱毛症というトラブルにつながるそう。

イェール大学附属ニューヘブン病院の皮膚科臨床助教授であるディアン・ムラーツ・ロビンソン医学博士によると、この症状は治まるのに数週間から数カ月かかるのだとか。ケアの鍵は、ストレスの根本的な解消。一度ストレスが解消すれば、自然と治ることも多いと言う。

解決策 例えば毎日瞑想する、新しい趣味に没頭する、週末に適度にお酒を飲む……。とにかく心を落ち着かせる方法を見つけること。自分だけではどうにもならないようなストレスを抱えているなら、セラピストの助けを得た方がいいかもしれない。

理由4.ホルモンの変動が髪にも影響。「子どもを産んだばかり」

ニューヨーク市の皮膚科専門医、マリーナ・ペレド医学博士によると「ホルモンが大きく変動するため、出産後のママは髪が抜けることも。妊娠中は女性ホルモンであるエストロゲンの量が飛躍的に増えるので、髪がどんどん育つわ。でも出産から数カ月たつと、エストロゲンの量が一気に減り、いつもよりも大量の髪が成長期から休止期に入るので、たくさん抜けてしまうの」

解決策 時間が解決する場合も。出産後3~4カ月で、髪は再び生え始めるはず。

※上記はペレド博士の見解であり、個人差があるため、必ずしもこの期間とは限りません。また、必ず生えるということを保障する内容ではありません。

理由5.女性特有のトラブル。ホルモンレベルが変わる多嚢胞性卵巣症候群

女性特有のトラブルが原因になることも。ホルモンレベルを不安定にし、男性ホルモンであるテストステロンを過剰に分泌する多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん、PCOS)も、その一つ。この病気には他にも体重の増加やひどいニキビ、生理不順や不妊、体毛が濃くなるなどを引き起こすことも。

解決策 多嚢胞性卵巣症候群が疑われるなら、産婦人科で治療を受けよう。ホルモンバランスを整える経口避妊薬と一緒に、インスリンを調節する糖尿病の薬が処方されるケースが多いそう。

※上記の処方はアメリカ版ウィメンズヘルスが取材した見解です。日本国内では異なる場合もあります。

では、当てはまる人はどうすればいいの?

皮膚科専門医に相談しよう。ロビンソン博士いわく「皮膚科専門医は、病歴のチェックと血液検査や生体検査によって抜け毛の根本的な原因を見つけてくれる。怖いかもしれないけれど、本当の原因が特定できれば、あなたに適した治療方法を提案してくれるはず」

※皮膚科の受診はロビンソン博士の見解です。日本では異なる場合もあるので、まずは医療機関にご相談ください。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Grace Gold Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。