スーパーフードとしてすっかり定着した「キヌア」。そもそもどんな栄養価があるの? ダイエットにおすすめな理由って何? 食べ方がわからない。そんなお悩みを解決するキヌアのすべてと、今すぐ作りたいレシピをご紹介。
いまでは定番となったスーパーフードのキヌア。ヘルシーな食材の代名詞ともいえる小さな粒粒は最近ではサラダやデリだけでなく、市販のお菓子などでも見かけるように。では、キヌアがなぜこんなに人気なのか、改めておさらいしてみよう。
そもそもキヌアってなに?
キヌアとは、ヒユ科アカザ属の南米のアンデス地方が原産の植物。現在は、ペルー、エクアドル、ボリビアのみで生産されている。
ヒエ、キビ、アワなどと同様に雑穀として分類されているが、イネ科ではないので「疑似穀物」呼ぶのが正しい。キヌアは直径2ミリくらいの小さな種で、赤、黒、白の3色があるが、一般的に出回っているものでは白いものが多い。
古くインカ帝国の時代から食べられてきたキヌアは「穀物の母」と呼ばれ、神聖な扱いを受けてきたという。近年ではNASAの科学者がキヌアの高い栄養価、栽培の簡単さ、そして使い勝手に着目し、宇宙に最も適した植物として、キヌアを「21世紀の主要食」呼んでいる。
豊富な栄養素がぎゅっと詰まっている
キヌアが注目される一番の理由は、栄養価が高いこと。高タンパク質な上にビタミンB 群、ビタミンE、葉酸、マグネシウム、カルシウム、鉄分、カリウム、食物繊維などが豊富。小さな身体にまさに多くの栄養素が詰まっているので、スーパーフードと呼ばれるのにふさわしい。
必須アミノ酸も摂れる
キヌアの栄養素のうち注目したいのは、タンパク質。100グラムあたり11.3グラム含まれる。さらに嬉しいのは必須アミノ酸が全て摂れること。植物性のタンパク質にはリシンが含まれないことが多いが、キヌアはリシンも含めた必須アミノ酸の7種を全て摂れるのでベジタリアンやヴィーガンのタンパク質源としてもおすすめ。
不溶性食物繊維も多い
また、食物繊維も多く、100グラムあたり5.3グラムから16グラム含まれている。これは他の穀物の焼く2倍。ただ、そのほとんどが不溶性の食物繊維なので、おなかにたまり食欲を抑えてくれる。さらに不溶性の食物繊維は便秘の解消にもなる。そして、身体から排出される際に、有害物質などを吸着してくれるのでデトックスにも。
ミネラルがたっぷり
キヌアは様々なミネラルが豊富で、特に女性にうれしいカルシウムや鉄分が含まれていること。カルシウムは100グラムあたり33ミリグラム、マグネシウムは167ミリグラム、鉄分は3.9ミリグラム。
特に、カルシウムはマグネシウムと一緒に摂ることで吸収がアップするので、両方とも入っているので手軽に補給できる。ただしキヌアにはフィチン酸も含まれているので、大量に摂るとせっかくのミネラル分の吸収が妨げられてしまう。
ダイエットにも向く食材
GI値とはグリセミック・インデックスの略。その食べ物を食べたらどのくらいのスピードで、糖に変わり血糖値が上がるか、というもの。血糖値が急に上がるとインシュリンが分泌され、血糖値を下げようとするが、このインシュリンには脂肪の分解を抑えてしまい、肥満につながる。
GI値が低い食べ物は吸収がゆるやかで腹持ちもよいため、ダイエット中はなるべく低い物を選ぶのがよい。白米はGI値が81、これに対してキヌアのGI値は53と低い。体重コントロール中の方にもおすすめ。
キヌアの食べ方は?
栄養たっぷりのキヌアはどうやって食べればいいのか。実はとても、簡単。乾燥したキヌアの2倍の量の水で10分から15分程度茹でるだけ。他の豆や玄米のように、事前に水につけておく必要もない。
茹でるときは中心が少し透き通って、くるっと丸まった胚芽が見えるようになるのが目安。その後料理に使う場合はあまり茹ですぎないことと、しっかりと水気を切ることがポイント。たくさん茹ででおいて、後は冷凍すれば使い回しにも便利。
秋冬におすすめのレシピ7選
キヌアを使った料理の定番と言えば、サラダ。秋においしいサツマイモと組み合わせて、さっぱりと酢で味つけした「サツマイモとキュウリのキヌアサラダ」
おやつにもぴったりの「キヌアとサツマイモのインド風おやき」は焼いたものを冷凍しておけば、小腹が減ったときにすぐに食べられる便利な一品。
キヌアをメインディッシュにするなら、脂質が少なく、高タンパクな鶏胸肉と組み合わせた「ブロッコリーとキヌアのチキングラタン」がおすすめ。栄養価の高いブロッコリーも丸ごと1個食べられます。
キヌアをひき肉と組み合わせてミートボールにした「タンパク質たっぷりのキヌア入りミートボール」は大きく焼いてハンバーグにしても。スパイスたっぷりなので、ヨーグルトソースを添えてエスニック風にして。
ちょっとしたおもてなしなら、見た目も華やかな「キヌアとごはんのトマト詰め」。キヌアとオリーブを混ぜたライスサラダをくりぬいたトマトに詰めているので、食卓が華やぐこと間違いなし。
糖質をカットしている人におすすめなのは、きのこたっぴりの「マッシュルームとキヌアのリゾット風」。低カロリーなきのことの組み合わせならダイエット中でも安心。
日本のスーパーフード、納豆と組み合わせてスナックに仕上げた「キヌアと納豆のカレーせんべい」。混ぜて焼くだけなのにスパイシーで止まらなくなるヘルシーおやつです。
※キヌアの栄養成分は、はくばく製品紹介より
Text:Noriko Yanagisawa
『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。