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スナックの引き出しを漁りたい気分。カップラーメン1杯くらい、いいでしょう? それが実際、加工食品は思いもよらぬ速さで体に影響を与え始める。その影響について、オーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

細胞代謝専門誌『Cell Metabolism』に掲載された新たな研究結果が、加工食品中心の食生活を2週間続けるだけで、そこに含まれる糖質と脂質の量にかかわらず、体重と体脂肪が増える可能性を明らかにした。

「この結果には驚きました」と語るのは、この論文の筆頭著者で、米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所のケビン・ホール上級調査員。

「これは超加工食品が、その栄養価とは関係なく、食べすぎや体重増加の原因になることを実際に示した初めての試みです」

この研究では、20名の健康な成人が実験室で1ヶ月生活し、食事とスナックを支給された。最初の2週間、被験者たちは2つのグループに分けられた。

1つ目のグループは重度の加工食品ばかり(缶詰め、揚げ物、ダイエット系ソフトドリンクなど)を食べたのに対し、2つ目のグループは非加工食品のみ(サラダのような自然食品、ナッツ、卵、オートミールなど)を食べた。

最初の2週間を終えたところで研究チームは、1つ目のグループと2つ目のグループの食事内容を入れ替えた。

興味深いのは、どちらのミールプランにも同量の糖質、脂質、ナトリウム、食物繊維が含まれていたにもかかわらず、重度の加工食品を与えられたグループのカロリー摂取量が1日500キロカロリー多かったこと。この食生活を続けた2週間のうちに、被験者たちの体重は最大2キログラム増加した。でも、非加工食品に移行すると、増えた分の体重が減ったそう。

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研究チームいわく、体重増加の原因は食べるスピードにある。

「超加工食品は柔らかい傾向にあるので、噛んで飲み込むのが楽なのです」とホール調査員は続ける。

「食べるスピードが速いと、『十分なカロリーが摂取できたし、満腹だから食べるのをやめなさい』という腸から脳へのシグナルがタイミングよく送られません。そのシグナルが脳に届く頃には、たぶんもう食べすぎているでしょう」

加工食品中心の食生活は、被験者の体重だけでなくホルモンにも影響を与えた。一方、非加工食品中心の食生活では、食欲を抑制するホルモン(ペプチドYY)が増えると同時に、空腹感を増進するホルモン(グレリン)が減っていた。

「両ホルモンが見せた変化は、その理由こそ完全には分かりませんが、今回の観察結果を裏付けていると言えるでしょう」とホール調査員は補足する。

「(自然食品を食べれば)自然とカロリーの摂取量が減り、体重と体脂肪の減少につながります。カロリーを計算する必要も、意図的にカロリーを減らそうとする必要もありません」

※この記事は当初、アメリカ版『Men's Health』に掲載されました。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Alex Pierotti Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images