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NGO団体『Eat Forum』の依頼によって、医学情報誌『Lancet』は、この先何世代にもわたり、何十億人もの人間を支える「地球の健康ダイエット」を公開。肉も乳製品も食べられるこの地球に優しい食事法について、UK版ウィメンズヘルスからご紹介。

地球の健康ダイエットとは?

気候変動、栄養学、農業に携わる世界各国の専門家37名がまとめた「地球の健康ダイエット」は、人間と環境の両方にとってベストであることを約束する食事法だとか。1日の摂取カロリーは2,500kcalで、お肉と乳製品は含まれているけれど推奨される食品の大半は植物性。

一週間分の分量は以下の通り。

● 牛赤身肉:ハンバーガー1個分(または大きなステーキを4週間に1枚/1日14g)
● 鶏肉:2~3食分(1日29g)
● 魚:2~3食分(1日28g)

残りのタンパク質(英国民医療サービスによると、女性には1日45gのタンパク質が必要)は、植物性食品から摂取するべき。
「地球の健康ダイエット」に携わる専門家は、以下の食品を勧めている。

● ナッツ(1日50g)
● さやいんげん、ひよこ豆、レンズ豆などの豆類(1日75g)

フルーツと野菜でお皿の半分を埋めて

● 野菜:ブロッコリー、ズッキーニ、さやいんげん、ケール、ホウレン草、パプリカ、トマト(1日300g)
● フルーツ:ベリー(イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー)、バナナ、リンゴ、梨(1日200g)

デンプン質の野菜の摂取量には注意して

● ジャガイモなどのデンプン質の野菜(1日50g)

炭水化物は、フルーツと野菜よりも少なめに摂取

● パンやお米などの全粒穀物(1日232g)

ミルク、ヨーグルト、卵は、分量を制限する

● 卵:1個強(1日13g)
● 乳製品:1週間で牛乳コップ1杯分(1日250g)

その他に、摂取できる食材

● 砂糖(1日31g)
● オリーブオイルなどの油(1日50g)

この研究に貢献した米ハーバード大学のウォルター・ウィレット教授は英『BBC』に対し、この食事法は「とんでもなくバラエティーに富んでいる」と語った。食生活はガラリと変わるし、世界の大部分で赤身肉の摂取量が劇的に減ることになりそう。赤身肉に対する課税は、研究者たちが人々に変化を促す手段のひとつ。

「地球の健康ダイエット」で何が変わる?

世界人口の増加に伴い、専門家たちは、人々の食習慣が変わらないと地球が危ういと話す。現時点の世界人口は77億人で、2050年には100億人に達すると言われている。『Eat Forum』と『Lancet』のプロジェクトに参加した専門家たちは、この食事法が取り入れられれば、死亡者数が毎年約110万人減ると推測している。

これは「地球の健康ダイエット」によって、がんや脳卒中といった食生活に起因する病気や、大規模な農業による温室効果ガスの排出量が減ると想定されるから。農業は現在、地球温暖化をもたらすガスの4分の1を排出している。電車、飛行機、バスなどの交通機関が排出するガスの量より、はるかに多い。また、広く報道されているように、温室効果ガスの15~18%は家畜から来ているので、食肉の摂取量を減らせば、メタンと亜酸化窒素の排出量が著しく減る。

「地球の健康ダイエット」のガイドラインに従って、野菜の摂取量を増やし、乳製品と食肉の摂取量を減らせば、以下の成果が期待できるということ。

「地球の健康ダイエット」のエコなポイント

● 水の節約になる
● 温室効果ガスの排出量が減る
● 不必要な農地の拡大を止められる
● 今よりかなり多くの人に食糧が行き渡る
● 総体的な健康が改善し、ウェルビーイングが向上する

科学者たちは、この食事法通して人々の行動が以下の変化を期待している。

● 食品廃棄物を減らす
● 現在の農地で作られる食物の量を増やす

自分一人が頑張ったところで何も変わらないと思うかもしれないけれど、小さな変化の積み重ねが大きな変化につながることもあるのでトライしてみてもいいかも。

 
※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Alice Head Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。