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ジャンクフードの 「中身」が体にとても悪いことを、私たちはすでに知っている。でも、その 「外側=パッケージ」が有害かもしれないというニュースを聞いたことはある? 『PLOS Medicineジャーナル』に掲載された新たな研究結果では、私たちの身近にある物質が健康に与える影響に改めてふれている。その物質の名は、ペルフルオロアルキル化合物。あまり聞きなれないこの物質の正体と影響について、オーストラリア版ウィメンズヘルスがリポート!

ペルフルオロアルキル化合物は商業用・工業用の化学物質で、食品のパッケージから繊維まで、ありとあらゆる物に含まれている。食べ物と一緒に摂取したり、息とともに吸い込むと血流に吸収されても、体が代謝または分解できない物質。

食物連鎖を通じて生体内で濃縮される可能性もあり、過去には魚や鳥の体内から検出されている。高濃度のペルフルオロアルキル化合物にさらされると、がんやホルモンバランスの乱れ、免疫機能不全、高コレステロールや肥満につながると言われているけれど、その影響に異議を唱える声も。

今回の実験では、アメリカのハーバード大学公衆衛生学部の研究チームが、食生活の改善を中心にしたダイエットを2年間行った621名の肥満被験者を追跡。被験者たちは最初の6カ月で平均6.4kgの体重を減らしたものの、残りの1年半で2.7kgリバウンドした。

研究チームは、血中のペルフルオロアルキル化合物の基準値が高い女性被験者は、総じて安静時代謝率が低く、ダイエット中に落とした体重が戻りやすい発見したそう。ペルフルオロアルキル化合物の基準値が最も高い女性たちは基準値が低い女性たちに比べて、リバウンドした体重が平均1.7k~2.2kgも多かった。

「ペルフルオロアルキル化合物は、がんのようにまれな健康問題の観点から議論されるもの。だが、全世界で何百万もの人々が直面している、大きな健康問題である肥満の一因にもなっているようだ」 と語るのは、論文共著者のフィリップ・グランジャン。「特に女性はペルフルオロアルキル化合物を避けたり減らしたりすることで、ダイエットが成功した後も安定した体重を維持しやすくなるかもしれない」

オーストラリアのクイーンズランド州政府が発表したガイドラインによると、一部のペルフルオロアルキル化合物の製造および使用は、国際協定と製造業者の自発的な措置によって中止または制限されているそう。でも、過去に使われた分や、オーストラリアに輸入された前処理済みの品目から放出された分が、今でも環境の中に存在している可能性がある模様。

とはいえ、警戒しすぎなくて大丈夫。食品に含まれる残留農薬や汚染物質などを消費者が体内に取り込む量=摂取量を最も包括的に評価する、オーストラリア食習慣調査の直近のデータによると、食品のパッケージに含まれる化学物質の摂取量は少ないという。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Lauren Williamson Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。