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女友達との旅行ときなどに、「同じタイミングで生理になった!」という経験をしたことがある人も多いのでは? 実は生理のタイミングが仲のいい友達や同僚とかぶるのは、単なる偶然じゃないのだとか。この不思議でおもしろい現象について、アメリカ版ウィメンズヘルスとドクターが科学のメスを入れる!

生理日がかぶる。それって、科学的に説明できるものなの?

これを解き明かすキーワードが「月経同調」。これは同居、または近くに住んでいる女性同士が同じタイミングで生理になることを指す言葉。月経同調は1970年代以降、「ドミトリー(寄宿舎)効果」として多くの議論がされてきた。でもこのうわさ、果たして本当?

過去の文献のなかには、このうわさを肯定するものもある。例えば1971年に、科学専門誌『Nature』に掲載された心理学者マーサ・マクリントックによる研究では、とても近いところに住んでいる女性同士が実際に月経同調を経験し、ドミトリー効果が初めて実証された。ひとつには、フェロモンと呼ばれる無臭の化学物質が、女性の行動と生理機能に影響を与えるからだといわれている。

でも、マクリントックの研究には落ち度もあった。その後の文献のなかには、彼女の研究結果を再現できた=同居する女性同士が同じタイミングで生理になることを証明できたものもあれば、できなかったものもある。

現段階の結論としては、友達と生理のタイミングがかぶることを科学的に証明する、明白で断定的な臨床データが不足している、とされている。でも、女性たちの体験談を聞く限り、月経同調の可能性がゼロとはいえない。

マウントキスコ・メディカルグループの産婦人科医で、『V Is for Vagina』の著者であるアリッサ・ドウェック医学博士によると、母と娘、またはルームメイト同士が同じタイミングで生理になることは珍しくないそう。

しかしドウェックいわく、月経同調の要因はフェロモンの影響だけではないらしい。例えば、とても近くに住んでいると、月経周期に影響を与える要素……食生活やエクササイズ習慣、睡眠・起床サイクル、ストレス要因などが互いに似てくることもあるのだそう。

ピル(経口避妊薬)を飲んでいる場合、生理周期は化学作用でコントロールされている。ドウェックによれば、それでも月経が同調することはあると言う。女性は同じ日、日曜日に経口避妊薬を飲み始める傾向にある。つまり、同居が月経同調の一因となり得るのは確からしいけれど、ルームメイトが同じ日曜日に経口避妊薬を飲み始めたという事実もまた、月経同調の要素である「同居」が影響している可能性もあるのだとか。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Cassie Shortsleeve Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images

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Kaoru Sawa
ウィメンズヘルス・エディター

美容・ダイエットを中心とした記事を担当。自他共に認める美容マニアで、ハマり症。その気質から、自分が挑戦する取材企画には必ず結果へのコミットにこだわる。男性ライフスタイル誌、女性向けアプリメディアなどを経て、2021年までウィメンズヘルス編集部に在籍。