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豆乳、アーモンドミルク、カシューナッツミルク、ココナツミルクなど牛乳の替わりとなる、代替ミルクにまた新たな仲間が登場。

広がる代替ミルクの市場

調査会社のミンテルによると牛乳の売り上げは2015年から7パーセント減少し、さらに2020年までに11パーセントも減るという予測が出ている。その一方で、2016年のニールセンの調査によると米国ではアーモンドミルク市場は拡大しており直近の5年間で2.5倍になっているそう。
この背景には健康志向の高まりや、植物由来の食品の人気だけでなく、環境への意識の高まりがみられるそう。

「第三のミルク」と呼ばれる代替ミルクは今では種類も多いが、豆乳、ココナッツミルク、ライスミルクの順に市場規模が大きい。牛乳の代替といえば豆乳が定番ではあるが、海外では無調整豆乳ではなく、調整豆乳、特に砂糖が加えられているものが主流。さらに、カルシウムが添加されるなど加工の度合いが高いこと、遺伝子組み換え大豆に対しての不安がある。また大豆イソフラボンが疑似女性ホルモンの働きをするために、過剰な摂取を控えるようにする傾向がある。

一方のアーモンドミルクはタンパク質が多いとされているが、実際は牛乳の8分の1しか含まれていないことや、アーモンドミルクを作るのに大量の水が必要なことが懸念されている。

ピーミルクとは

そこで登場したのが、ピーミルク。これは、その名の通り黄色のエンドウ豆で作られている。このピーミルクのよい点は、100パーセント食物由来であり、さらに安価に栽培できるためコストを抑えられることがある。さらによいのは独特な風味がなくてすっきりしているところだという。

ピーミルクメーカーのスタートアップ、リップル社は2016年4月にこのピーミルクを販売してからすでに2500万本も販売している。同社は4400万ドルをグーグルやシリコンバレーのベンチャーキャピタリストから調達している。

ピーミルクのよい点は、完全にアレルギーフリーだということ。乳、大豆、ナッツ、グルテンを含まない。冷蔵庫に保管しなくてもいい上に、栄養価の面でもとても優秀。1食分(コップ1杯240ml)あたりオメガ3脂肪酸を32mg含んでいて、さらに一日の摂取カロリーを2000カロリーとした場合、必要なカルシウム量の45パーセントを摂ることができる。

これは、牛乳の約1.5倍。気になるカロリーは、オリジナルの微糖のもので100カロリー。ピーミルクは、黄色エンドウ豆のタンパク質でできていて、精製するのにはオーガニックな方法しか使われていないそう。そこにヒマワリ油を加えてなめらかさと食感を加え、オーガニックなサトウキビを使って甘味を足しているそう。そこにビタミンやミネラルを加えてできたのがピーミルク。

リップル社では、「私たちは食物由来の食べ物を作るのは、世界を救えると思っているからではなく、その助けになると思っているから。そして、それが私たちをもっとしあわせで、もっと健康にしてくれるから」と話す。

アレルギーのある子供も安心して飲めることももちろん、環境にも負荷をかけないことがこのピーミルクを推進している理由だそう。現在はまだ価格が高いが、数年以内に牛乳と同じくらいの価格で販売できるようにすることも目指している。

自分にあったものを選んで

牛乳以外のミルクが日本でも比較的手に入りやすくなったことで、選択肢は広がっている。乳アレルギーや乳糖不耐症な人でなくても、この新しい代替ミルクを楽しんでみて。必要に迫られて食事制限をしているのではないのなら、その時の気分や、一緒に食べるもの、調理に使うならそのメニューによって選んでみて。



Text : Noriko Yanagisawa

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Kiriko Kageyama
エル・グルメ編集長/ウイメンズヘルス編集長

『エル・オンライン(現エル・デジタル)』のファッションエディターを経て、フリーランスに。女性ランナーによる企画集団「ランガール」を設立。その後女性誌立ち上げやWebメディアの立ち上げを経て2017年にウィメンズヘルス』日本版ローンチ時から編集長に。2023年夏よりエル・グルメ編集長も兼務。趣味は料理を作って友人たちに振る舞うこと。