どんなにダイエットを頑張っていても、食べすぎてしまう日は誰にでもある。生理中でイライラして暴食したり、ハッピーアワーで飲みすぎたり、疲れすぎていつもの2倍の量の朝食を平らげてしまったり。でも一日食べすぎただけで体重はどれだけ変わるの? 「昨日食べすぎて、太った」と嘆く人の真偽を、アメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

思わず暴食してしまう原因

食べ過ぎて気持ち悪いことがよくあるなら、以下の項目に当てはまるものがないかチェックしてみて。

1.朝食を抜いている

カロリーを減らすにはよい手段のように思えるけれど、朝食を抜くと次の食事で視界に入ったものをがっつく羽目になりやすい。ヘルシーな朝食を作る時間がないなら、事前に計画を練って作り置きしておこう。

2.画面を見ながら食べている

テレビやパソコンに向かって食事をすると、食べるという作業に意識が及ばず、大抵食べ過ぎてしまう。ドラマの展開やメールの内容に気を取られていると、満腹度をはかるのが非常に困難になる。食事の間は、食べることだけに集中して。テレビを観るのは食べ終わってからでも遅くない。

3.分量をコントロールしていない

限られた量を注文するか、食べながら満腹感に気を配るか、ジリアン・マイケルズ (フィットネススター)のアドバイスに従って食べ残した分は捨てるか。きっとあなたには、冷静になって、巨大なピザを一切れで済ませるだけの自制心があるはず。最終的には、自分に最適な方法を選んで。

4.喉の渇きと空腹を混同している

喉が渇いているだけなのに、おなかが空いていると勘違いする人は多い。しばらく食べておらず、物足りなく感じるなら、公認管理栄養士で米ウェイクフォーレスト大学の公衆衛生科学助教授マラ・Z・ヴィトリンズの助言を参考にしよう。「喉が渇いた状態とおなかが空いた状態は区別しにくい。まずは水を飲んで、20~30分経ってからおなかが空いているかもう一度チェックして」

5.パートナーと同じものを食べている

パートナーが食べ過ぎるのを気にしないタイプだと、ヘルシーな食生活を目指し続けるのは難しい。公認管理栄養士で公衆衛生修士のシンシア・サスには、自炊に役立つアドバイスがあるという。「似たような食材で別々のものを作る。夫と私とではニーズが異なること、もしくは食事に関しては目指すものが違うことを理解する必要があった」。例えば、夕飯をタコスにするなら、サス自身はアボカドとピコ・デ・ガロソースを使ったヘルシーなタコスサラダを、旦那さんはあれこれ付け合わせた大きなブリトーを作るそう。

参考記事:食べ過ぎてしまうのはこれが原因かも?

1日食べすぎたあとの体重の変化は?

自然食品宅配サービス 「Luvo」 の栄養ディレクターで公認管理栄養士のサマンサ・カセッティが、食事面で本当によくない1日を送った後に、実際どれだけの体重が増え得るのかを教えてくれた。

「ひと晩で体重を増やすなんて、ジャンクフードを大量に食べたとしても実際にはほぼ不可能よ」 とカセッティは言う。「これは、カロリーを計算すれば分かること。100パーセント正確とは言えないけれど、体重を維持したい人なら通常より3,500キロカロリー多く摂らないと体重は増えないわ」

つまり、今のスタイルを維持するために1日2,000キロカロリーの食生活を送っている場合、さらに3,500キロカロリー多い、計5,500キロカロリーを摂取しないと1キログラム増やせないということ。しかも、運動で消費されるカロリーは一切考慮していない。

では、何を食べれば3,500キロカロリーに到達するのだろうか。

「普段の食事にプラスして、ワイン3杯(370キロカロリー)、手羽先2本(110グラム)、オニオンリング(340キロカロリー)、ディップ付きチップス(290キロカロリー)、具だくさんのハンバーガー(860キロカロリー)、チョコレートケーキ1切れ (795キロカロリー)。これだけ食べても、まだ3,500キロカロリーには達しないのよ」

1日食べすぎたからといって体重が増えることはまずない、という科学的な証拠もあるそう。カセッティによると、「6週間の休暇中に2~5キログラム増えたという話はよく聞くけれど、実際は平均0.5キログラム増えただけの人がほとんどだという研究結果をニューイングランド医療ジャーナルが発表しているわ。これは、過去最高の論文ね。約2カ月の長期休暇で実際に体重が2キログラム以上増えた人は、被験者の10パーセント以下にすぎなかったのよ」

もちろん、食べすぎた日はおなかが張るし、次の日も気だるく感じる。でも、カセッティが言うように、「翌日からまたヘルシーな食生活とエクササイズを再開すれば、本当に体重が増えることはないはず」。実家の手料理を楽しむのはいいけれど、自分を甘やかすのを習慣にせず、エクササイズを続けることだけは忘れないで。

※上記は健康な人が1回の食事をしたときの仮定です。代謝が著しく落ちている場合、疾患やトラブルがある場合などは想定しておりません。また、本記事は過食や飽食を推奨するものではありません。ヘルシーな食生活で健康を維持することをおすすめ致します。

暴食を予防するには

1.思わず手が伸びるジャンクフードは、目に入らないところに追いやる

性格と社会心理学の研究ジャーナル「Journal of Personality and Social Psychology」によると、自制心が強い人は、そもそも生活を送る上で「誘惑」の対象となるものを全てきれいに取り除いているのだとか。例えば帰り道においしいパン屋さんがある場合。そのパン屋さんを通らない帰り道を選べば誘惑されずに済むでしょう? となると、デスクの引き出しに大量のスイーツを隠し持っておくのは今すぐやめよう。

2.明らかに太りそうな間食フードは、ヘルシーなものと置き換える

日中のエネルギー源として糖質の塊であるチョコレートに頼っているのなら、今すぐヘルシーなスナックと置き換えて。

うれしいことに間食をしていると血糖値も安定するので、ものすごくおなかが空いてしまうという事態も避けられるよう。さらにこれまでの研究によると、血糖値が安定している人は、食事後に血糖値が急降下した人に比べて難しいタスクにも粘り強く取り組める傾向にあったそう。

間食用のスナックには、満腹感を持続させてくれるタンパク質をチョイスして。ナッツやフムス、ギリシャヨーグルト、ナチュラルピーナッツバター、そしてゆで卵などがおすすめ。

3.外食よりも断然ヘルシー! 自炊の時間を確保する

最近行われた研究によると、自炊する人は外食をする人に比べて、バランスのよい食生活が送れているのだとか。そのおかげで、太りにくい傾向にもあるそう。毎週日曜日に1週間分、あるいは数日分の朝・昼・晩の献立を考えた上で食べ物を買い込んで、ある程度は作り置きしておくのがベスト。余裕があるなら、ランチもお弁当に!

4.注文した材料で作るだけ! 定期宅配の力を借りてみる

夕食のメニューを考えてくれる定期宅配に頼るのも一つの手。オーストラリアではヘルシーかつおいしい料理の材料を必要な分だけ家に届けてくれるサービスが大人気だとか。こういった宅配サービスを利用するだけでも、毎日の献立が考えやすくなるかも。日本でも糖質を控えた献立だけを揃えた宅配サービスなどもあるので、上手に利用してみて。

5.ひとまず「後回し」に。どうしてもアンヘルシーなフードが欲しくなったときこそトライ

夕食を食べ終えた後に欲しくなるデザート。どうやらこういった欲求は、無理に押し殺さずに「後で食べよう」と考えるといいらしい。ニコール・ミード医師によると、自分の意志や誘惑に負けてしまいそうなときにこの技を使うと、欲求が収まるそう。だから「絶対に食べちゃダメ!」と自分を苦しめるのではなくて、「後で食べよう」と考えてみて。

その結果、どうしても飲みたくてやっぱりシェイクに手をつけてしまったのなら、罪悪感に浸らず素直に楽しむべし。

参考記事:暴飲暴食に走らないための5つの賢いコツ

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Annie Daly Translation: Ai Igamoto