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昔から定番のオリーブオイルと新顔のココナッツオイルを比べてみたら……どっちが良いの?

毎日サラダをたっぷり食べているのは良いこと。でも、そのサラダにかけるドレッシングを見直してみない? 昔から使われている地中海出身のオイルの代表格オリーブオイルと、最近ではだいぶ浸透してきたココナッツオイルを比べてみた。あなたのお好みはどちら?

まずは、オリーブオイルとココナッツオイルの市場規模を比べてみよう。2016年のオリーブオイルの消費金額は、1.81億ポンドで、前年の1.69億ポンドと大幅に増えている。定番でありながらも市場はいまだ拡大中。対する新顔のココナッツオイルは、まだ少なく1400億ポンド程度でオリーブオイルの10分の一以下。ただし、前年度から3倍も増えているので、人気が高まっていることがうかがえる。

栄養価を比べてみると

では、その栄養価について見てみよう。オリーブオイルに含まれている天然成分のオレウロペインは酸化ストレスの予防をしてくれ、体内のタンパク質を保持する助けをしてくれる、と栄養生化学の専門誌『Journal Of Nutritional Biochemistry』。

一方で、ココヤシの油脂分、ココナッツオイルに含まれる飽和脂肪酸はコペンハーゲン大学の研究によると、脳細胞の自己修復力を高めることで加齢に伴う認知機能の低下をゆっくりにしてくれるという。また、栄養とダイエットのウェブサイトmyprivatediet.comの栄養士、エマー・デラニーによると、ココナッツオイルの中鎖脂肪酸はすぐにエネルギーに変わり、さらに脂肪燃焼を助けるための燃料となってくれるそう。

それぞれのメリットとデメリットは

オリーブオイルはアルツハイマーや脳ガンの予防に効果があると言われ、さらにドイツの研究者によると、満腹感を高めて血糖値を安定させることでお腹まわりにも効果があるそう。

ただし、オリーブオイルの健康によい効果は、オイルに含まれるポリフェノールによるもの。でも残念ながらポリフェノールは熱に弱く、さらに時間が経つにつれて失われてしまう。買う時は1年かそれ以内のあまり古くないものを選んで。ワインのようにビンテージだからよいというわけではない。そして、調理する時は、さっと炒めるか、そのままかけるのに使って。オリーブオイルの発煙点は低いので、揚げ物には向かない。

ココナッツオイルには血圧を下げて、消化を助けてくれる効果がある。そして、どこにでも塗ることができるのもよい点。髪の毛の傷みにも効果的という研究結果もあり、さらに肌の保湿として使うにも最高。

気をつけたいのはココナッツオイルを食べるということは、牛の肉汁を食べているのとほぼ同じということ。大さじ1杯で循環器系の疾患と関連していると言われる不飽和脂肪酸が10グラムも含まれていて、これはラードやバターよりも多い。さらに、ココナッツオイルは良いものを買おうと思うと値段が高いのもネック。

料理に使うならどっち?

普通のオリーブオイルを軽い炒め物に使い、ドレッシングなどそのままかけるものときはエクストラバージンオリーブオイルを使うのがおすすめ。せっかく高価なエクストラバージンオリーブオイル買っても、加熱してしまうと、含まれているビタミンやミネラル、そして風味も失われてしまう。

その点、ココナッツオイルの一番の強みは高温でも栄養素が失われないこと。でも、そのままで食べてもおいしいのでリンゴ酢とマスタードと混ぜてドレッシングにしても。

では、結論として、どちらがよいのか。軍配はオリーブオイルに上がる。ココナッツオイルは高温にも強く賞味期限が長いという点では勝る。でも実は身体への効果と料理での使いやすさはオリーブオイルがイタリアンやギリシャ料理で使われているのでも証明されている。健康効果はたくさんあるけれど、心ゆくまで使っても、軽くなるのは身体で、お財布ではないのもうれしい。

Text:UK版「ウィメンズヘルス」編集部 Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images