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いわゆる「足がつる」という症状の筋痙攣は痛烈だけど、あのズキズキした痛みに慣れてしまった人も多い。事実、米国家庭医学会によれば、60%もの成人が深刻な不眠症の原因にもなりかねない夜間の脚の痙攣を経験済みだそう。

通常、筋痙攣を心配する必要はないものの、米国マウント・サイナイ病院統合疼痛管理センター長のフーマン・ダネシュ医学博士は、「痙攣には何か深刻な原因があるのではと心配して病院を訪れる人が非常に多い」 と言う。その痙攣が普通ではない可能性を示すサインには、どんなものがあるのだろう。

長距離走の決まった地点で筋痙攣を起こす

ふくらはぎがつるのはランナーにはよくあること。でも、トレーニング中、いつも決まった地点で足がつる場合はコンパートメント症候群の可能性がある。5km地点でも7km地点でも、いつも同じ距離で痙攣が起きるのが特徴。

通常、筋肉が拡張すると、筋肉や臓器が並ぶコンパートメント (筋区画) がそれに柔軟に対応する。「でも、瘢痕またはコンパートメント内の大きな筋肉群のせいで、その動きに順応できない人もいる」 とダネシュ医師は語る。

「エクササイズを行うと、筋肉がより多くの血液を欲する。より多くの血液を筋肉に運ぶためには、血管が拡張しなければならない。でも、硬くなったコンパートメント内にはこのためのスペースが作れない」。よって、ふくらはぎなど特定の筋肉に過度な負荷が蓄積して血流を妨げ、深刻な組織損傷を引き起こす危険性がある。コンパートメント症候群は稀ではあっても、軽視すべきものではないので、絶対に医師に相談すること。

腫れ、赤み、肌の変色

筋痙攣が赤み、腫れ、肌の変色といった目に見える異変を伴う場合には、血が液状から固体状に変わる血栓が疑われるので、すぐに医師の診断を受けること。ダネシュ医師によると、「血栓自体は危険じゃなくても、それが剥がれると心臓発作や脳卒中の原因になるかもしれない」。避妊ピルの飲用、長距離フライトや長距離運転では血栓が大きくなる可能性がある。(機内で通路を歩くよう勧められるのは、動くことで血栓を防ぐことができるから)

ひどい痛みと痙攣

睡眠や日常生活に支障が出るほどひどい痛みが続くなら、医師に相談するべき。誰だってそんな生活は送りたくない。「ふくらはぎがつる時は、筋肉がぎゅっと締め付けられてつま先が縮まるように感じるのが一般的」。ダネシュ医師いわく、痙攣は最大10分続くこともあるそう。

「でも、痙攣があまりにひどくて、翌日や翌々日にも筋肉の痛みが残ることもある」。筋痙攣と激しい不快感だけで判断することはできない一方で、ダネシュ医師はこれが手足への血液供給量不足のサインである可能性を指摘する。大抵はコルチゾール値が高いことが原因で、圧迫された背中の神経や動脈、卵巣腫瘤が脚の痙攣を引き起こすこともあるそう。

吐き気、発熱、嘔吐

筋痙攣が吐き気や発熱、嘔吐を伴う場合には、どこかに異常がある確率が高い。ダネシュ医師の見解は 「脱水症状か食中毒」。発熱は鎮痛解熱剤のアドビルで、脱水症状は水を大量に飲めば解消する。

脚へ拡散したヒリヒリ・チクチクした痛み

問題を抱える体の一部が、他の部分にも影響を与えることがある。 その代表例が椎間板ヘルニア。脊椎上の3ヶ所 (脊椎骨の間の歯頸部、肋骨脇の胸郭、骨盤の上の腰部) で発症し得る椎間板ヘルニアだが、ヒリヒリまたはチクチクした感覚を脚に感じることもある。ダネシュ医師によれば、「椎間板ヘルニアになると、神経が圧迫されやすい。でも幸いなことに、筋弛緩薬や抗炎症薬だけで治療が可能」。痛みが長引くようなら、医師に相談して。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Laura Stampler Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images