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4月30日は「図書館記念日」だということをご存じ? 1950年のこの日は、図書館法が公布され、原則無料となり、本との距離がぐっと近くなった記念すべき日なのだ。そこで、私たちに多くの知識や娯楽をもたらしてくれるその存在に感謝しつつ、一度は行きたい国内外の図書館を厳選してご紹介。重厚なクラシック様式から宇宙船のようなスーパーモダン建築まで、本好きにも建築マニアにもおすすめの図書館が盛りだくさん。

アドモント修道院図書館/アドモント、オーストリア

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アルプスのふもとに立つ、修道院図書館としては世界最大のライブラリー。約20万冊を収める約70メートルの内部ホールは、建築家ヨーゼフ・フーバーが、バロック後期様式で1776年にデザインした。天井には、学問や宗教、芸術についてのフレスコ画が描かれている。2008年には創設以来初となる改修が終了し、全盛期の美しさを取り戻した。中世ヨーロッパの美と知の神髄がここに。

アムステルダム大学図書館/アムステルダム、オランダ

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国際色豊かなアムステルダム大学。図書館には、まるでSF映画のセットのような一角が存在する。事前にオーダーした図書をこの“赤い部屋”で受け取ることができるようになっており、合理化と美しさを同時に実現、オランダのデザイン賞を受賞したことも頷ける。数キロ先にある、アムステルダム公共図書館も建築&デザイン好きなら必ず訪れたい。

アメリカ議会図書館/ワシントン、アメリカ

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日本でいう国立国会図書館にあたる、この図書館。書籍以外に写真や楽譜、音声資料など、1億5,800万点を超えるコレクションを所蔵する、世界最大規模の国立図書館だ。設立は1800年だが、1814年に英国軍の侵攻により全焼してしまい、それを憂いた第3代大統領トーマス・ジェファーソンが自身の蔵書を提供。議会が買い取り、今の図書館の基礎となった。ミュージアムショップも覗いておきたい。

ヴェンラ図書館/ヴェンラ、ノルウェー

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数々の建築賞を受賞した、ノルウェーの小さな町ヴェンラに佇む、ヴェンラ図書館。くじらの骨格をコンセプトに作られた、まるであばら骨に包まれたかのようなユニークな仕様が目を引く。木造建築のため、ぬくもりに溢れ居心地が非常によく、地元民からは「癒しの図書館」として愛されているのだそう。

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オーストリア国立図書館/ウィーン、オーストリア

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『美女と野獣』に出てくる図書室のような、ウィーンのオーストリア国立図書館。今年で創立650年を迎えるこの建物だが、特に見ておきたいのは、18世紀に建てられた長さ80メートル、高さ20メートルの豪華な大広間「プルンクザール」(写真)。世界で最も美しいバロック様式の図書館としても知られている。

金沢海みらい図書館/金沢市

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2011年に開館するやいなや国内外から高い評価を得て、金沢の新名所として定着しつつあるこの図書館。日本の建築ユニット、シーラカンスK&Hが、真っ白な直方体でまるでケーキを運ぶ箱のようなデザインに仕上げた。通常の四角い窓ではなく、約6,000個の円窓を埋め込んだパンチングウォールが印象的で、内部には柔らかい光と森のような静けさが広がる。入館時に申請すれば、館内での写真撮影も可能。

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シアトル中央図書館/シアトル、アメリカ

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シアトルのダウンタウンに2004年にオープンした、11階建て、ガラスと鉄骨でできた図書館。本だけでなく、あらゆるメディアに関わるアクセスポイントとして機能している。建築は、オランダの巨匠レム・コールハース。フューチャリスティックながらも、ぬくもりを感じさせる造りになっている。

ジョージ・ピーボディ図書館/ボルチモア、アメリカ

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19世紀、アメリカの慈善家・起業家として知られるジョージ・ピーボディが、ボルチモア市民のために作らせたのがここ。5階建ての内部はすみずみまで本で埋め尽くされ、ガラス張りの天井からは自然光がさんさんと入り込む。

新アレクサンドリア図書館/アレクサンドリア、エジプト

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もともとの建築は、紀元前3世紀に建てられた超歴史的建造物で、当時でも最大かつ非常に重要な場所だったが、その後3世紀に破壊され、多くの書物や巻物が失われてしまう。新しいこの建物は2002年に誕生。日時計を思わせるデザインで、地中海の方向に向かって傾斜しているのが特徴。

ストラホフ修道院図書館/プラハ、チェコ

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“世界一美しい図書館”とも称される、プラハにあるこのライブラリー。12世紀に造られた修道院内に2つの図書館を擁し、13万冊を保管。残念ながら一般見学では部屋に入ることはできず、外から中を眺めるのみだが、それでも行く価値は充分あり。天井の装飾にうっとり酔った後は、併設レストランのおいしい自家製ビールでほろ酔いになるのもよし。

ソルトレイクシティ公共図書館/ソルトレイクシティ、アメリカ

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2003年にオープンした、ソルトレイクシティの公共図書館。カナダ人建築家のモシェ・サフディが手がけた。ガラス張りの外壁と吹き抜けが特徴の建物は、総面積22,000平方メートルを超え、明るく開放的。観光名所としても、ローカル民の交流の場としても、広く愛されている。

大英博物館図書室/ロンドン、イギリス

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あの大英博物館の中に実は図書室があるということを、知らない人も多いのでは? 3年の歳月をかけて1857年に完成した円形の閲覧室では、まずはその高いドームの美しさに見とれたい。中央のカウンターを中心に放射状に整然と並ぶ席と、それをぐるりと取り囲むように並ぶ本棚も圧巻だ。

天津濱海図書館/天津、中国

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天津市に2017年秋に開館すると、瞬く間にネットで大きな話題を集めたのが、天津濱海図書館。オランダの建築スタジオMVRDVが造り出した、従来の図書館のイメージを覆すルックスは、さながら宇宙船内部か未来の神殿といったところ。世界中の本の虫が、今いちばん行きたがっている図書館と言ってもよいだろう。ちなみに、上方の棚に収まっているのは、本ではなく壁紙なのだとか。

デンマーク王立図書館/デンマーク、コペンハーゲン

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つやつやに磨かれた黒い花崗岩を用いた外壁と、平行四辺形のような外観から、「ブラック・ダイヤモンド」の別名で親しまれるこちら。国立図書館の新館として作られ、1999年に完成した。アンデルセンの直筆の原稿や、デンマーク出身作家の文献や資料を数多く所蔵。歴史とモダンが一体化した、まるで宝石箱のような必見ランドマークだ。

トリニティカレッジ図書館/ダブリン、アイルランド

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アイルランドで最多の蔵書数を誇るこのライブラリーは、60メートルある“ロング・ルーム”が有名。当初は平らな天井だったが、より本を所蔵するため現在の形状に。映画『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』に登場するジェダイ・アーカイヴは、ここをイメージして作られたという。

ニューヨーク公共図書館/NY、アメリカ

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『ティファニーで朝食を』(1961)、『ゴーストバスターズ』(1984)、『セックス・アンド・ザ・シティ』(2008)など、映画ファンには外せないNYの観光名所のひとつがここ。5000万冊もの本が収蔵されている巨大な建築は1911年に建てられたもので、ニューヨーカーだけでなく世界中の人々を魅了し続けている。

バーミンガム図書館/バーミンガム、イギリス

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シェイクスピアにまつわる資料や、19世紀のグリーティングカード、1500年代の書籍など、貴重な資料を所蔵するバーミンガム図書館。ジュエリーの製造でも知られるこの地からインスピレーションを受けたという、ゴールドやシルバーのメタルリングの透かし細工をまとった外観は、どこか日本らしさも。オランダの建築家集団メカノー・アーキテクツによる設計で、2013年に開館した。

バイネッキ図書館/ニューヘイブン、アメリカ

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文学関連のアーカイブを収蔵している、イェール大学のバイネッキ図書館。珍しい本や書類を所蔵する建造物のうち、世界最大を誇る。日光でダメージを受けることなく、かつ読書できるには充分な明るさの光が入ってくるようデザインされた、大理石と花崗岩、銅、ガラスでできた特殊な壁がフォトジェニック。サブカル好きならご存じ、「ヴィオニッチ手稿」という未解読の古文書はここに保管されている。

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ホセ・ヴァスコンセロス図書館/メキシコシティ、メキシコ

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哲学者・政治家であったメキシコの偉人ヴァスコンセロスの名をつけられた、コンクリートとガラスでできたこの図書館は、メキシコ人建築家アルベルト・カラチによる設計。“空間の魔術師”の異名を取る彼らしく、まるで本棚が宙に浮いているような空間が広がる。神秘性とモダニティが融合した、ロマンをくすぐる場所。

ポルトガル王室図書館/リオデジャネイロ、ブラジル

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通称「幻想図書館」で知られるこちらは、その呼び名のとおりファンタジー映画に迷い込んだような気分にさせてくれる荘厳な雰囲気が人気。ポルトガル国外では最多のポルトガル図書の収蔵を誇り、約35万冊の古書が整然と並ぶさまに圧倒されるはず。

武蔵野美術大学/東京都

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設計を担当した藤本壮介が「図書館を形作るのは、本、棚、光、そして美しい場所」と語るとおり、木製の棚×ガラスの美しい調和が印象的なこの図書館。“書物の森”というコンセプトのもと、渦巻き形になっているため、従来の図書館とは大きく異なる構造なのも特徴のひとつ。アルネ・ヤコブセンやイームズなど、世界の名作チェア約350点がいたる所に配置されているのもポイントだ。



Photos: Getty Images, Courtesy