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英国皮膚財団によると、イギリス国内では毎年少なくとも10万人が新たに皮膚がんの診断を受け、この疾患で1日7人(相当)が命を落としているそう。中にはほくろの変化で気がつく皮膚ガンもあるので、見分け方をチェックしよう。

スキンケアが重要なのは分かっているとしても、どのくらい頻繁に肌をしっかりチェックする? そして、体中に点在するほくろについては? 最後に見てから、大きさや形が変わっていないと自信を持って言える?

英国皮膚財団のデータによると、ほとんどの人の体には10~50個のほくろがある。そして、悪性の黒色腫(皮膚の色素細胞のがん)の多くがほくろの上、または周辺に発生することを考えれば、普段の状態を知っておくのが皮膚がんの初期症状を見つける上で非常に重要。

どこから手を付ければいいのか、何を探せばいいのか分からない? このまま読み進めて、皮膚がんのリスクを大幅に削減しよう。

ほくろとは?

まずは基本から。ほくろは、皮膚に色素を沈着させる皮膚細胞が集まって形成され、その数は、日光照射量だけでなく遺伝によっても変わる。「ほくろが多い家族もいる」 と語るのは、イギリスのほくろ専門クリニックThe MOLE Clinicでスクリーニングを担当するマルチナ・プロコピコヴァ看護師。「一般的に、ほくろの数が多ければ多いほど、黒色腫があるリスクは高くなる。黒色腫は最も稀だけど、最も深刻な皮膚がん。統計的に、女性は脚にできやすく、男性は背中にできやすい」

黒色腫の何が問題?

プロコピコヴァが言うように、黒色腫は、最も稀だけど最も深刻な皮膚がん(皮膚がんには、黒色腫の他にも扁平上皮がんと基底細胞がんがある)。でも、早く発見されれば生存率は高く、英国皮膚財団によれば、黒色腫を取り除いた人の4分の3は、それ以上の問題を免れている。だけど、放っておいたり見逃したりすると、黒色腫は皮膚深部、さらには体の他の部位にまで広がる恐れがある。

日に焼けやすい人はリスクが高いけれど、黒色腫は衣類によってカバーされている部位や、一度も日に焼けたことがない部位にも現れることがあるので、ほくろや皮膚全般に対する懸念が少しでもあるなら、必ず医師に相談を。

プロコピコヴァの話では、「大抵のがんとは異なり、黒色腫は若年でも比較的頻繁に発生し、若年成人に2番目に多く見られるがんの種類」

ほくろのチェック方法

プロコピコヴァは、「毎年数回、自分で自分のほくろを観察する」 よう勧めている。「ほくろが多い人は、長期的な比較ができるように写真を撮るといいかもしれない。通常、黒色腫は、新しいほくろや変化しているほくろに現れるので、この2つのタイプのほくろを見つけた時は特に、皮膚科専門医に診てもらって」

そして、4つ(ABCD)の変化に注意するべき。

A: Asymmetry (非対称)

ほくろは左右対称に見えるのが理想的。これでほくろが規則的に成長していることが分かる。左右で形が違うのは皮膚がんのサインかも。

B: Border(境界線)

縁がぼやけていたり、でこぼこしていたり、切れ目があったりするほくろには気を付けて。健康なほくろは、どちらかというと丸くて境界線がハッキリしている。

C: Colour(色)

ほくろに色が1種類以上ある? 例えば、黒、茶色、ピンクが混ざってない? 健康なほくろは通常単色。ほくろの色が濃くなったり、変わったりするのは警告サイン。

D: Diameter(直径)

直径が7ミリ以上のほくろがあるなら、病院で診てもらおう。悪性黒色腫は、これより小さいこともあるけど大きめなのが一般的。

「痒みのような、ほくろの感覚も把握して」 とプロコピコヴァ。「その感覚が、例えば衣類で擦れているなどの理由もなくあるなら、専門家に診てもらうのが賢明」

でも、大急ぎで病院の予約を入れる前に、ほくろの見た目が徐々に変わるのは普通であることも覚えておこう。大事なのは、そのプロセスがゆっくりで目立たないものであること。プロコピコヴァいわく、「目に見えて急速に変わるほくろは、がん変異の結果かもしれないので怪しい」

皮膚がんのリスクを下げるには?

英国皮膚財団によると、ほくろを守り、皮膚がんのリスクを下げるための一番の方法は、日差しに気をつけること。紫外線は予防可能な主要因で、これはイギリス(のように曇りがちな場所)にも当てはまる。

衣類で肌を覆い、日焼け止めを塗り(20~30分待って皮膚に吸収させること)、午前10時から午後3時の間は直射日光を避けること。色白肌なら、特に注意が必要。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images