調子を上げてくれるデザインのシューズが実はヒップ、膝などを痛めている理由
関節を保護するため、ベストな品質かつ美しいクッション効果で、バネのように弾むランニングシューズにいつまでも投資しているとしたら、それは体に良いことよりも悪いことをしていることになるかも。あなたの体への思いやりとは裏腹に、このようなランニングシューズは健康に有害であることが、新たなリサーチによって明らかになったのだ。
たっぷりとパッドの入ったシューズを履くランナーは、後ろ足で地面を蹴って走る。つまりステップのたびに踵が最初に地面に着く踵着地の状態で走ることになる。これによって体は、地面との激しい衝突を1.6キロにつき1000回も経験することになる。
当然これがヒップや膝、足首に悪影響を及ぼす。
だから今まさに、アフタースキー用のムーンブーツ風ランニングシューズ(つまり厚底のシューズ)を脱ぎ捨てて、ソールが薄めのシューズに切り替えるべき時。最小限の大きさのシューズなら、足と脚部の構造を最大限に使う前足キック(つま先着地)で走ることになる。
これによって、踵着地のランナーが一歩前進するごとに体に与える、体重の2〜3倍もの衝撃を回避できるのだ。
事実、ハーバード大学のダニエル・リバーマン教授は、裸足でのランニングには「ほぼ衝突による衝撃はない」とする。街中を素足で走り回りたい人はあまりいないかもしれないが、パッドを最低限に抑えたシューズには同様にプラスの効果がある。
リバーマン教授はさらに、分厚いパッドから薄いパッドのランニングシューズへの「移行はふくらはぎと足の筋肉を鍛えられるようゆっくりと」、とアドバイスしているので、薄いソールのシューズに買い替えたら、いきなり長距離を走るのではなく、少しずつ脚を慣らしていくのがおすすめ。
Translation : Ai Igamoto