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アーモンドミルクやライスミルクに続いて、海外で注目され始めているのが、グラスフェッドミルクとラクトースフリーミルク。日本でも流行する日は近いかも?

海外では牛乳にも新しいトレンドが。今までは、牛乳のかわりにココナツウォーターやアーモンドミルクやカシューナッツミルクなどのナッツミルクがヘルシーとされて広がってきた。でも、今では牛乳自体にも新しいタイプが登場してきている。

グラスフェッドミルク

グラスフェッドビーフは聞いたことあるかもしれないが、グラスフェッドミルクは?実はグラスフェッドの流れは牛乳にもきているそう。通常の牛の飼料は、抗生物質や成長ホルモン剤などを混ぜた人工的な飼料で育っている。さらに、遺伝子組み換えのされたトウモロコシなどの穀物を食べて育てられるのが主流。でも、グラスフェッドは文字通りグラス(草)をフェッド(与えられた)された、つまり牧草を食べて育ったということ。

グラスフェッドミルクは牧草を食べて育った牛から絞った牛乳。このグラスフェッドミルクは自然の牧草を食べ、広い牧草地があるようなところでのびのびと育っているためストレスが少ないとされている。

2016年の研究によると、飽和脂肪酸や抗酸化成分、ビタミンなどの量がグラスフェッドミルクの方が従来の牛乳よりも多かったそう。さらに、体重コントロールにも効果があるといわれているリノール酸も多かったという。これは免疫や心臓の健康にも効果的な成分。

そのような、牛にとってもヘルシーな環境で育った牛から絞ったグラスフェッドは海外で注目を浴びている。たとえば、ホールフードマーケットではこのグラスフェッドミルクを扱っている。合成ホルモン、殺虫剤、抗生剤や遺伝子組み換えをされたものは使わずに育てられたカリフォルニア牛の牛乳だという。

さらにアメリカでは、グラスフェッドミルクを使ってミルクも発売されているそう。

ラクトースフリーって?

また、もう一つのトレンドは「ラクトースフリー」の牛乳。

これはラクトース、乳糖を排除した乳製品のこと。ラクトースフリーの製品なら、乳不耐症の人でも安心して食べられる。

乳不耐症だと、消化器系統で乳糖(ラクトース)を消化する酵素(ラクターゼ)が少ないため、うまく乳糖を消化できない。その結果消化不良や、下痢などの症状が起きる。もし牛乳を飲むとお腹がごろごろするのなら、それは乳不耐症かもしれない。

ラクトースフリーの牛乳は、通常と同じ牛乳をフィルターして乳糖を半分まで減らすそう。そして、その後、ラクターゼ酵素を添加することで残りの乳糖を身体が吸収できるレベルの小さい形に分解するという。この工程を経ることで、なんとラクトースを0.03パーセントまでカット。こうして普通の牛乳と同じおいしさを保ちながら、おなかにやさしラクトースフリーの牛乳が出来上がる。

何かを添加したり、取り除いているわけではないので味も通常の牛乳と全く変わらない。ココナツミルクやカシューナツミルクなどのミルクの代替品はそれ特有の味がある。特にナッツミルク系はナッツの味が主張してしまうが、このラクトースフリーはそんなことはない。味も牛乳そのままなのは牛乳好きな人にとってうれしいポイント。さらに、料理でも乳製品と同じように使えるそう。

イギリスでは、ラクトースフリーの牛乳も普通のスーパーで並ぶほど普及していてどこでも見かける。価格はイギリスでは、1リットル約210円。乳製品が安いイギリスでは、通常の牛乳の2.5倍、オーガニック牛乳の1.6倍と価格は高くなるが、日本の牛乳と比べるとむしろ安いくらい。

さらにラクトースフリーの製品は牛乳だけでなく、生クリーム、ヨーグルト、チーズなどラインアップが広いので、乳アレルギーや乳糖不耐症の人も心配せずに乳製品を食べることができる。

日本人の場合は、実は多くの人が乳不耐症だと言われているので、日本で見かける日がくるのも時間の問題かも。

Text:Noriko Yanagisawa Photo : Getty images