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フィットな体と同時に心も失っていたら……? もしケガをして精神的にも疲れてしまったら、この7つのステップを試してみて。

ランニングに恋をして疲労骨折したことがある。初めて怪我をした時は、泣いて泣いて中足骨が治るまで巨大な固定ブーツを履き続けた。2回目のケガでは、泣いて泣いて恥骨が治るまで弱々しく脚を引きずり続けた。3度目、またしても恥骨をケガした時、私は走るのを止めた。本当に治すには止めなければ、そう思った。

でも今なら、止めることが唯一の選択肢ではなかったことが分かる。あなたが汗を流し、幸せを感じる運動を諦める必要もない。その代わり、ボロボロになった心を癒すために7つのステップを踏んで欲しい。

ステップ1.凹んでいる理由を知る

ケガをすると、不本意に座っていることが多くなる。クロストレーニングやリハビリエクササイズの幅も制限される。このどちらかがメンタル面に大打撃を与える。「ケガをして突然ワークアウトができなくなると、エンドルフィン値の急降下を経験することになる」と語るのは、人間性能研究所の心理学者バーバラ・ウォーカー博士。

このご機嫌ホルモンの脳内での分泌が減少すると、ケガを取り巻くネガティブな感情をコントロールするのが難しくなるそう。いつも友達と一緒にワークアウトしていたり、チームメイトがいるスポーツをしているなら、その社会から切り離されるのは言うまでもない。そして、いつもの運動がどれほど頭をスッキリさせてくれていたか、不安を払拭してくれていたかを知ることになる。ケガで体重が増えやすくなるのも間違いない。だから気持ちのコントロールができなくなるのはよく分かる。

ウォーカー博士によれば、このようなネガティブな感情の変化が実際にうつ症状を引き起こすこともあるそう。「落ち込んで怒りっぽくなるのは普通。でも、絶望を感じ始めたら専門家に話をするべき」

ステップ2.話をする

ギプスをはめて足を引きずったり、松葉杖をついたり、車椅子に乗ったりと目に見えるケガをしている場合、どうしたのか聞かれる。眉を寄せ、悲しい顔をして、時には背中をさすってくる人もいる。『On Top of Your Game』の著者で、スポーツとエクササイズのメンタルスキルコーチであるキャリー・チードルは、聞かれたときにまた心に傷を負うことがないよう、自分の状態を人にどう伝えるかを考えておくよう勧めている。

何がどうして起こったのかを紙に書くこと。そして、ここで最も重要なのは前向きな “でも” の使用。例えば、「ふくらはぎをかなりひどく痛めました。“でも”、トレーニングを休むことで仕事がはかどっています」。出来るまではフリをしろという格言があるのは、本当に役に立つから。

ステップ3: 必要なサポートを受ける

医師の予約から心理的な傷の原因に関する多様な意見まで、チードルのいう “情報的サポート” をたっぷりもらう必要があるのは間違いない。でも、彼女のいう “感情的サポート” が足りないかもしれない。

治癒するには、感情的に必要な助けを認識することが不可欠。治らないのではという恐怖感、失望感、絶望感、そしてベッドから出たくなくなるうつ症状を認識したら、それに対するサポートが受けられる場所を特定する。あなたを叱ってエクササイズに連れ出してくれる友達かもしれないし、最悪な状況を愚痴るあなたに耳を傾けてくれるセラピストかもしれない。ポイントは、その助けを実際に求めること。

気持ちを紙に書いてみるのもチードルのおすすめ。「情報の処理で気持ちがより良く理解でき、ケガの見方が変わることも」

ステップ4: ストレスを減らす

ストレスは回復にとっての大きな障害になる。ストレスホルモンは傷付いた組織の除去を妨げ、免疫細胞の患部での働きを阻害するため、ストレスを感じれば感じるほど治癒が困難になる。ストレスによる睡眠習慣の乱れが回復をさらに遅らせるのは言うまでもない。ウォーカー博士とチードルが、効果的なリラクゼーションでストレスを軽減することを学ぶのが身体的そして精神的な回復には欠かせないと口を揃える理由もここにある。例えば、擦り減った神経を和らげ集中力を高めるために、呼吸法を見直してみるのも良い考え。

ステップ5: ゴールを再設定する

マラソントレーニングの途中でも、8kgの減量に挑戦中でも、一貫したエクササイズ習慣を築き上げる過程でも、その目的をもう一度考え直してみること。治療中のストレスを軽減し、トレーニングが再開できたときに絶大な精神的効果を発揮してくれる。

「あなたはまだアスリート」 と言うチードルは、「怪我が完治するまでは我慢強く現実的でいること」 の大切さを指摘する。パフォーマンスや結果に集中するのではなく、まずは回復を最初のゴールに設定する。リカバリーに全力を注げば、以前のゴールから遠ざかった自分に肩を落とす代わりに進歩を励みにすることができる。これによってストレスが和らぐという利点もある。

ステップ6: チャンスと捉える

この時点でのあなたはとても強い。脚の骨折、肩の脱臼、アキレス腱炎も突然チャンスのように思えてくる。チードルは、「身体的にも精神的にも強くなって怪我から戻ってくるアスリートをたくさん見てきた」 と言う。不本意な離脱を別の角度からパフォーマンスを上げていくチャンスとして捉え、自分に出来ないことではなく出来ることに集中する思考を鍛えるのがポイント。

そのスポーツから離れている間の目的意識が生まれるだけでなく、徐々にワークアウトを再開する段階においても非常に役立つ。例えば、回復中に安定感、バランス、体幹を鍛えることが出来たあなたには、かつてないほどの運動神経と将来のケガを回避できる力があることになる。ケガで全く体を動かせないなら、本を読んだり、教育用ビデオやドキュメンタリーを観たり、メンタル面を強化する方法を身に付けたりと、そのスポーツに関する知識を増やし続けることがチードルのおすすめ。

でも、回復にこれだけのエネルギーを注ぐことでネガティブな感情に拍車がかかるなら、感情的な休息を取るべき時。チードルは、笑える映画を観たり、親友に電話をしたり、5段ケーキを食べたりとケガのことを完全に忘れられることをするよう勧めている。

ステップ7: 復帰する

ケガからの復帰とは、心が躍るものであると同時に非常に困難なもの。ゴールの再設定や感情的な休息など、回復中に使用したステップを今一度踏む必要があるかもしれない。チードルによれば、心より体が先に回復するものなので、これはいたって普通のこと。

自分には出来るというビヨンセ級の自信、それには時間がかかることを理解する聖人並みの辛抱強さ、この悔しい思いの原因となったスポーツを再開するというスーパーマンのような勇気、そしてもちろん、この運動がまた楽しめる状態に戻ることにはそれだけの価値があるという信念が必要。

時々、自分がしていることが何なのか、なぜそれが大切なのかを見直している自分に気付くかもしれない。その結果、止めることを考るなら、なかなか癒えない心の傷を理由にしないこと。止めるなら、何か新しいことを始めたいという心の準備が整った時に。

身体的な負傷の度に乗ってきた数々のメンタルジェットコースターから学んだことがあるとすれば、感情的なニーズをしっかり把握するのは難しいということ。でも忍耐強く、必要に応じて回復プロセスに立ち返ればハッキリする。自分の経験について書くこと、それ以外のことを話すこと、体を強化する新たな方法を見つること (ケトルベルなど!)、 そのすべてが私の完治を助けてくれた。このステップを踏めば、どんな怪我からも回復し過去最高の自分を見つけられる。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Emily Pifer Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images