体を守って! 「なりきりアスリート」「運動やりすぎ女子」になっていない!?

07 May 2019

体を守って! 「なりきりアスリート」「運動やりすぎ女子」になっていない!?

数年前から続くランニングブーム。マラソンのハイシーズンに初マラソンに挑む人も多い。しかし、医師やスポーツ指導者からは、「自分のレベル以上に頑張りすぎて、体を壊している人も少なくない」と指摘する声も出てきている。整形外科では、1~3月は無理な走りで故障した、“やりすぎランナー”が急増するという。

高尾美穂先生

産婦人科専門医・医学博士・婦人科スポーツドクター 高尾美穂先生

女性のための統合ヘルスクリニック、イーク表参道副院長。文部科学省・国立スポーツ科学センターの女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。一般社団法人アスリートヨガ事務局理事、ドームのアドバイザーリードクターも務める。内科・婦人科・乳腺などを中心にクリニックでは診察を担当し、女性の健康をサポート。マターナル(周産期)ヨガを始め、ヨガセッションも積極的に行っている。また、プロアスリートのメディカル・メンタルサポート、女性アスリートに向けた、医学的知識の提供などにも積極的に参加。webサイト http://www.mihotakao.jp/ イーク表参道 http://www.ihc.or.jp/

ランニングだけでなく、他のワークアウトも中毒的に頑張りすぎて、ハードなトレーニングに自己流の栄養コントロールで、極限まで体脂肪を減らしているケースもある。

「アスリートのトレーニング法などがネットで公開されると、意識が高い人やアスリートに憧れる人は真似をしがちです。もちろん体を動かすこと、スポーツをすることは悪いことではありません。でも体を壊したのでは本末転倒だということをまず、頭に置いてほしいと思いますね」と言うのは、産婦人科医の高尾美穂先生。スポーツドクターの顔も持ち、イーク表参道副院長である高尾先生は、特に女性アスリートに多くのメディカル指導をしている。


アスリートと一般人のスポーツは本来、「目的」が違う

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大坂なおみ選手の全豪オープン優勝を見て、テニスをしたいと思った人も多かったのではないだろうか。テニスをしたことがある人は、「また始めてみようかな」と思ったに違いないだろう。スポーツは楽しい。上手になれば大会を目指し、成績を上げたいと思うのも当然だ。

「楽しむ範囲で大会に出たり、成績を上げたいと思うのはとても素敵なことだと思います。ほとんどの方はこの領域で楽しまれていると思います。でも、なかにはやりすぎてしまうケースもあるようですね。特に、ランニングは始めると練習によって結果が出やすいので、性格的に頑張ってしまう人もいるようですね」と、高尾先生。

「次の大会では3時間台に」「そのまた次の大会では3時間半を切りたい……」と、目標を立てる。大会前に練習をと、月100km以上走るプログラムを立て、自己流で炭水化物を抜くダイエットで減量。次第に頑張ることでアドレナリンも出てきて、もっと頑張ってしまう。その結果、気づいたら半年以上月経が止まっていた……、という声も聞こえてくる。

 「アスリートは、管理栄養士やスポーツドクターに細かく指導や管理をしてもらっています。それでもパフォーマンスとQOL(quality of life、生活の質)を維持する体づくりはとても難しく、皆、苦労しています。アスリートですら難しいのに関わらず、それを真似て同じレベルを目指し、自己流で行っても正直うまくは行きません。

さらに良い記録や成績を目指して『もっと、もっと!』となりがちですが、今の自分の身体は良い状態であるのか、客観的に見つめる尺度を持つことも大事です。きちんと食べて、月経がある世代であれば毎月きちんとあるのか、それらを確認することは重要です。一般の女性であれば『汗を流すと気持ちいい』『体を動かすと気持ちいい』というレベルの“楽しむための運動”を目指して欲しいと思います。アスリートではない私たちは健康スポーツのレベルを維持することが大事だと思いますね」


もし、こんな思考があったら冷静に。下記の項目をチェックしよう

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●ダイエットをするとき、“憧れのモデルの体形”などをゴールにプランニングする
●多少無茶をしても、憧れのセレブのような体形になるため頑張っている
●どうせスポーツするなら、人から「すごいねと」言われる成績を残したい
●身長に関係なく、45kg以下の体形を目指している
●今は健康よりも見た目。きれいでいることが最優先

ひとつでも当てはまることがあった、要注意。高すぎる目標は果たして自分に合っているのか? 今の美しさだけでなく、長い目で見て女性の人生として、どんな体形でどう体を動かすのが自分らしいのか、少し見直してみることも必要なのかもしれない。

次回は、運動×エストロゲン維持のために、大事なポイントを高尾先生にインタビュー。こちらも私たちにとって大切なことばかり。次回もCheck!

Photo: Getty Images Text: Manabi Ito

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