Eyewear, Skin, Glasses, White-collar worker, Sunglasses, Fashion design, Vision care, Event, Photography, Fashion designer, pinterest

ロイヤルツアーで連日ファッショナブルな装いを披露していたメーガン妃。そのファッションが、消費者の購買行動にも大きな影響を与えているそう。

Getty Images

オーストラリア、ニュージーランド、フィジー、トンガの4カ国を16日間かけて訪問したロイヤルツアーで、76の公務をこなしたメーガン妃。シャツドレスやブレザー、スニーカー、ブラックデニム、ハンドバッグなど、彼女の身につけたアイテムの多くは、すぐに完売した。

彼女が着用したアイテムが即完売する「メーガン効果」は、何も今に始まったことではない。だが、これまでと大きく違ったのは、メーガン妃が素材から染色方法、生産工程に至るまで、サステイナブルな取り組みに励んでいるブランドを中心にチョイスしていたこと。

ツアーのために用意されたコーディネートが、細部まで計算し尽くされていたのは言うまでもない。その証拠に彼女は、ニュージーランド発のブランド、マギー マリリン(Maggie Marilyn)やオーストラリアのアウトランドデニム(Outland Denim)、サステイナビリティに取り組み、動物性の素材を使用しないステラ マッカートニー、アイテムを作るのにかかる環境負担を開示しているリフォーメーション(Reformation)、そしてプラスチックボトルをリサイクルしてシューズを作っているローシーズ(Rothys)のアイテムを着こなしていた。その影響により、エコファッションに再び注目が集まっているという。

Clothing, White, Hairstyle, Dress, Fashion, Suit, Formal wear, Shoulder, Event, Long hair, pinterest

ニュージーランド発のブランド、マギー マリリン(Maggie Marilyn)のドレスで。
Photo: Getty Images

White, Clothing, Fashion, Fashion model, Street fashion, Hairstyle, Dress, Footwear, Sunglasses, Leg, pinterest

リフォーメーションのドレス。
Photo: Getty Images

Photograph, People, Fun, Formal wear, Suit, Photography, Fashion, Photo shoot, Gesture, Honeymoon, pinterest

ローシーズのフラットシューズを履いたメーガン。
Photo: Getty Images

なかでもお気に入りだったのが、アウトランドデニムのブラックジーンズ。このブランドは、性的人身売買の被害にあった生存者や貧困問題に苦しむ女性たちを縫製師として雇い、給与を払いながら、彼女たちの就労支援を行っている。メーガン妃はツアー中、同ブランドのブラックジーンズ(約22,230円)を6回も着用。その結果、なんと売り上げが950%もアップ! おかげで、新たに15人~30人の縫製師を雇うことができるのだとか。

創業者のジェームズ・バートルは「サセックス公爵夫人(メーガン妃)のおかげで、従業員を増やすことができるのは素晴らしいことだと思っています」「それによって、より多くの女性たちが生活費を稼ぎ、子どもたちに栄養のある食事や医療、学習環境を与え、ポジティブな職場の中で新たなスキルと自信を身につけることができるようになります」とプレスリリースでコメント。

Photograph, Suit, Clothing, Formal wear, Outerwear, Fashion, Footwear, Blazer, Walking, White-collar worker, pinterest

アウトランドデニムのブラックジーンズは、メーガン妃のおかげで売り上げが950%もアップ!
Photo: Getty Images

メーガン妃は他にも、シドニー国際空港で航空機に搭乗する際、クヤナ(Cuyana)によるローズクォーツカラーのサドルバッグ(約25,650円)を使用。そのバッグも登場するやいなや即完売し、続けてブラックバージョンもソールドアウトした。現在は、約1000人がピンクバージョンの入荷待ち。インスタグラムのフォロワー数は1500人増え、25ものメディアにブランドのアイテムが掲載されたそう。

共同創業者であるシルパ・シャー(Shilpa Shah)は「メーガン妃が、サステイナブルなブランドのアイテムを着用したり、同じアイテムを繰り返し着たりすることで、消費者も身近なところから地球環境に貢献できるということに改めて気付いたと思います」と語り、彼女もシーズンが過ぎても廃棄処分されないよう、タイムレスなバッグをデザインすることを心がけていると説明。また「彼女は、意識的に同じものを繰り返し着用しているようにも見えます。新しいアイテムよりも、タイムレスなアイテムの方が長く着られる、というメッセージを発信しているのかもしれませんね」と続けた。

クヤナでは、素材から生産まで、すべての工程を通じてサステイナブルなものづくりを行い、イタリアでバッグを作る際はイタリア産レザーを使うなど、輸送にかかるエネルギーの削減に取り組んでいる。シルパによれば、メーガン妃にクヤナのバッグをプレゼントしたのは、挙式当日に彼女のメイクアップを担当し、同ブランドとパートナーシップ契約をしているメイクアップアーティストのダニエル・マーティン。

Yellow, Standing, Snapshot, Dress, Fashion, Formal wear, Suit, Footwear, Interaction, Event, pinterest

即ソールドアウトしたクヤナ(Cuyana)のサドルバッグ。
Photo: Getty Images

日頃からギフトをもらうことの多いメーガン妃だけど、なかには自ら探して選んだサステイナブルなアイテムもあるよう。フランスのシューズブランド、ヴェジャ(Veja)いわく、メーガン妃がシドニーで開催されたインヴィクタス・ゲームで履いていた同ブランドのスニーカー「Esplar」は、ブランドから彼女にプレゼントしたものではないとのこと。

ブランドのスポークスパーソンは、US版『ELLE』の取材に対し、「彼女が私たちのスニーカーを着用したことで、エコロジカルな素材へのこだわりなど、ブランドとしての取り組みをより多くの人たちに知ってもらうことができました」「SNSを通じて、ブランドや我々のプロジェクトについて、たくさんのお問い合わせをいただきましたよ」と回答し、喜びを露わに。

Tourism, Vehicle, Vacation, Leisure, pinterest

ヴェジャ(Veja)のスニーカーでセーリングを観戦。
Photo: Getty Images

メーガン妃のサステイナブルなファッションのチョイスを喜んでいるのは、ファッションブランドだけではない。エコなものづくりを推進するNPO「Cradle to Cradle(C2C)」でテキスタイル&アパレル部門のディレクターを務めるタマラ・ズワルトさんは、「メーガン妃の影響は大きいと思います。彼女は幅広い年齢層の女性たちからロールモデルとして尊敬されていますから」と語り、今後消費者の意識と行動に大きな変化が訪れることを期待していた。

また彼女の同僚である、C2Cのアクティング・ヘッド・オブ・コミュニケーションズのエマ・ウィリアムズさんもこのようにコメント。「メーガン妃のファッションチョイスは、消費者の購買行動にもいい影響を与えています。消費者たちが彼女と同じアイテムを購入しているのは、とても素晴らしいことです。今後も、サステイナブルなアイテムを選ぶというメーガン妃の考えをもとに、アイテムをチョイスしてくれると嬉しいですね」「まずは、彼女と同じジーンズを購入するところからスタートし、徐々に持続可能性を配慮した買い物行動が定着してくれると嬉しいです」

ロイヤルツアーを通じて、環境に優しいファッションの普及に貢献したメーガン妃。エコや環境保護を意識するようになったのは、1970年代からプラスチックゴミが環境に及ぼす悪影響を訴えていた義父チャールズ皇太子の影響かも? それにしても、消費者の意識まで変えてしまうなんて、さすが。今後もサステイナビリティを意識したスタイルを披露していくのか、要注目!

Photos: Getty Images Translation: Reiko Kuwabara From ELLE