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ここ数年で人気が高まってきた瞑想。目まぐるしさを増す現代人の生活を考えれば、その理由は明らか。オーストラリアを牽引する瞑想・マインドフルネス講師の一人、ティム・ブラウンによると「瞑想の一番のメリットは、深い休息とリラクゼーション効果」。これから瞑想を始めてみようと思う人に、知っておくべき瞑想のTIPSをご紹介。

ひっきりなしの会議に追われる忙しい毎日に、人付き合いの時間をねじ込み、ストレスばかりの長い1日を終えた後に、ハンバーガーを貪ってしまわないよう、ありったけの自制心を使う。そんなあなたがストレスに対処し、心を休ませ、体を修復するのに、瞑想はかなり役立つツールらしい。

「20分間の瞑想は、3~4時間の睡眠に相当する。脳と体に対する瞑想の深い休息とリラクゼーション効果が、体の “戦うか逃げるか” 反応を遮断し、セロトニン、ドーパミン、オキシトシンの分泌を活性化するので、体を休ませ、ゆっくりくつろがせて、回復させることができる。これは、現代社会では本当に大切なこと」 とブラウンは語る。

ちなみに、瞑想とマインドフルネスは違うもの。瞑想は、心を落ち着かせ、体をリラックスさせるプロセスを指す。一方のマインドフルネスは、ストレスを排除し、心を静めることで、今この瞬間に集中すること。

心をリラックスさせ、ストレスや不安を和らげ、心の内面の落ち着きを取り戻すなんて、かなり良さそうでしょ。でも、多くの人にとっては、日常的な瞑想への第一歩を踏み出すことが、すごく大変に思えることも。始め方すら分からないし、瞑想するには思考が忙しすぎるという不安や困難もつきもの。でも、心配しないで。瞑想初心者なら誰もが知っておくべき、アドバイス、コツ、見識をブラウンが教えてくれた。

1.あれこれ考えてしまうのは至って普通

最初のうちは、なかなか瞑想に入れなくても大丈夫。あれこれ考えてしまうからといって、瞑想に向いていないわけじゃない。「思考がさまようのは、瞑想に最もよくある問題で、これに対処するには、何が思考をさまよわせているのかを理解すること。To-Doリストや今日見た夢の流れを忙しく考えてしまうのは、あなたの思考が猿のようにわんぱくでイタズラ好きだからじゃない。犯人は思考ではなく、体がストレスと緊張を発散しており、それが思考を活発にしているから」 とブラウンは説明する。

なんだ、体がストレスを発散しているだけなのか。しかも、それを “止めなければ” と感じる必要はなく、もう一度、そっと焦点を合わせる方法を見つければいいらしい。

「活発な思考は、制御するべきものでも打ち消すべきものでもない。思考や騒音、体の感覚や心に次々と浮かぶイメージで気が散っても心配しないで。イライラする代わりに何が起きているかを理解し、心の中で笑って、意識を再び呼吸に戻す。しばらく呼吸に集中していると、どこかでまたちょっと脱線する。でも大丈夫、自分にイライラする必要も、心配する必要もない。これは悪いことじゃないし、実際のところ、非常に重要な瞑想の一部。心が深い休息状態に入りたいのと同じで、体は精神的、身体的、感情的なゴミを出してしまいたいんだ」

2.テクノロジーは瞑想に入るのを助けてくれる

瞑想をどこから、どのように始めればいいか分からない? ブラウンいわく、そんな時はアプリが便利。「Headspace、Smiling Mind、Fitbit Appといったアプリはどれも優秀。人々が瞑想への第一歩を踏み出し、哲学や概念を学ぶよりむしろ、まずは瞑想を体験できるように作られている。これなら時と場所を選ばず瞑想できるし、何と言っても無料。僕はこういうアプリの大ファンだよ」

呼吸のペースを落として、禅モードに入りやすくするためにもテクノロジーを活用できる。心拍数の低下をモニターできるツールなら特にいい。例えば、Fitbit Versaには “リラックス” 機能が付いており、呼吸に集中し、瞑想に向けて心拍数と体を整えるのを手伝ってくれる。

3.瞑想にパーフェクトな時間や場所はない

一日の特定の時間に、独りぼっちになれる特別な場所を見つけることが瞑想だと思ってない? 他と比べて理想的な環境があるのは確かだけれど、ブラウンの話では、練習を重ねればいつでもどこでも瞑想できるスキルが身に付く。そうしないと、環境を言い訳に瞑想をやめてしまうことになる。

「そこで時間が取れるなら、電車やフェリーの中でも瞑想してみて。静かな場所にいられたらもちろんラッキーだけれど、まず手に入らないから。静寂なんてどこにもない。鳥の鳴き声や工事現場からは逃げられないでしょう。だから環境は気にせず、ただ座って練習するのみ」

瞑想に使う時間は、かなりフレキシブルに選べる。「日常生活にフィットさせること。一番大事なのは、瞑想している時間ではなく、その後に得られる瞑想の効果。これぞみんなが求めているもの、瞑想をする理由だよ」

4.とても長い時間瞑想する必要はない

楽に一時間座って瞑想できる人もいるだろうけれど、始めたばかりの頃は特に、それほど長い時間瞑想を続けるのが難しいと感じるのでは? それでOK。ブラウンいわく、価値ある瞑想には10分もあれば十分。

「10分以上20分以下の瞑想が理想的。これが体の自然な休息リズムだから。

大事なのは、頭がスッキリして、創造力やエネルギーが湧いてくるのを感じること。心を落ち着かせ、体をリラックスさせ、精神的・身体的・感情的なゴミを出してしまえば気分が良くなる。相互作用を働かせ、何事ともうまく付き合えるようになる。これぞ瞑想の意義。ここに瞑想の楽しさがある。僕たちはみんな、心と体に “ハードドライブを最適化する” 機会を与えられるようにならないと。瞑想はそれを見事にこなしてくれるんだ」

5.ストレスや不安に対する一時しのぎの解決策ではない

瞑想でストレスや不安が減るの? 間違いなく減る! でも、10分の瞑想を一回しただけで、ストレスや不安が消えてなくなるわけではない。瞑想から長期的な効果を得るには、練習に徹しなければならない。

「アドレナリンと “戦うか逃げるか” 反応をオフにして、セロトニン、ドーパミン、オキシトシンの分泌を活性化することは短期間で可能。これですぐにストレスが減る。そして、継続的に一貫して瞑想に取り組むにつれ、“戦うか逃げるか” 反応を起こすことが少なくなってくる。

ゴールは心の内面を静かにすること。何にも飲み込まれない心の平静こそ、みんなが手にしたいもの。でも、日常的に圧力を抜き、タンクを補充しないと。今の時代、1年に1~2回のホリデーだけでは足りない、心と体を修復して立て直し、再編成して常に絶好調でいるためには不十分」

※この記事は当初、Beauty Crewに掲載されました。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Carli Alman Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images