このところの寒暖差は、私たちの体に大きな負担をかけていると久手堅先生は指摘する。
「私たちの体は、体温など体の中の環境を適正な状態に保つ働きを持っています。自律神経という部分で調節をしているのですが、気温が一定だと、この調節は少ない負担で済みます。
ところが気温が乱高下したり、日中は夏日で夜が肌寒いなどの寒暖差があると、温度調節に使われるエネルギー量が高くなります。前日比、日内変動で7度以上、気温が変化すると体に影響が出てきます。エネルギーをかなり消耗するために体が疲れ、自律神経などにも影響が出てきてしまうわけです。
気持ち的にも春は負担が多い時季で、さらに気候変動の影響も出るため、疲労感や倦怠感が出やすくなるのです」
寝ても疲れが取れない、朝起きるのがつらい、天候が悪いと決まって不調が強くなるという人は、もしかしたら5月病だけではなく、気象との関係も疑ってみたほうがいいのかも。
■お話を伺ったのは……
久手堅 司(くでけん・つかさ)先生
せたがや内科・神経内科クリニック院長。医学博士。日本内科学会・総合内科専門医、日本神経学会・神経内科専門医、日本頭痛学会・頭痛専門医など。天候と不調にフォーカスを当てた、気象病外来を立ち上げ、メディアなどでも話題になっている。
http://setagayanaika.com/