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最悪の状態にあるカップルを見ることほど、ヘルシーな人間関係のありがたさと、それを台無しにしないためのちょっとしたコツを教えてくれるものはない。配管工がトイレやシャワーの排水口が詰まるのを見事に防ぐ方法を知っているのと同様に、上手くいかないカップルを毎日目にする離婚弁護士は男女の関係を壊すものを知っている。

クライアントがパートナーと別れる手助けをする。その仕事を通して、離婚弁護士が学んだ賢明なアドバイスとは?

8人の女性離婚弁護士が、長続きする強い関係を築く上で大切なことを教えてくれた。

口論には、正しいやり方と間違ったやり方がある

「人間関係には、コミュニケーションだけでなくネゴシエーションも大事。この仕事から、私生活でも上手く交渉し、ケンカは賢く選び、少し与えて少し貰い、相互の関係を大切にする術を学んだの。これで前より聞くのも伝えるのも上手になった。後々法廷で争うのを避けるために、今、リビングで困難な会話をすることの重要性を知ったわ」

― ローレン・レイク/Lauren Lake’s Paternity Court裁判長で『Girl! Let Me Tell You』の著者

幸せな結婚生活には努力が必要

「顧問弁護士兼仲裁人として、2者間の論争の調停を行うのが主な仕事なので、離婚に向かうカップルと毎日接している。ひとつ確かなのは、離婚は大変だということ! “自分の世界が崩れ落ちる” くらいに大変。これが自分たちの選んだ道であることや、自分たちの言動が原因の一端となっていることに、(多くの場合) 嫌でも気付くことになるの。毎日帰宅したら、自分の結婚生活が幸せであることに感謝し、その幸せが続くように日々努力するようにしているわ」

― ジュリア・M・パーチェス/コロラド州の弁護士兼仲裁人

正直さは法的にも恋愛的にも最善のポリシー

「私の仕事は、すべてに対して正直であることの大切さを教えてくれたわ。自分の過去や、自分が恋愛に持ち込む問題の重さを偽らないこと。借金、養育費、未解決の法的問題、父親としての認知問題、健康状態、親権問題などは、すべてオープンに話し合うべき。お金のこともごまかさず、出来れば結婚前に、2人の間で財政を管理する具体的なシステムを作ること。同性の友達、ソーシャルメディア、元カレ元カノとの付き合い方に関する共通の境界線を引き、2人を取り巻く人間関係にも誠実でいることね」

小さな問題を大きくしない

「一日中離婚や親権問題に関わっていると、ヘルシーな関係を築くカギは、ポジティブなコミュニケーションにあることがハッキリ分かるわ。帰宅したら、1日の出来事を必ず夫に話し、彼の1日の出来事を聞くの。2人の関係について気になることがあれば、必ず彼に打ち明けるわ。問題を頭の隅に押しやろうとすると、その問題がますます大きく見えて、それしか考えられなくなるから。これがコミュニケーション不足につながり、最終的にはケンカ、意見の食い違い、さらにはネガティブなコミュニケーションを引き起こす。自分の考えはハッキリ口にして、自分が何かに気を悪くした時は即座に夫に知らせることを学んだわ」

― ジェイナ・L・ポンツァック/メリーランド州ボルチモアの弁護士

小さなことにこだわらない

「私は結婚して10年以上になるけれど、多くのクライアントが結婚生活で直面した恐ろしい経験の数々を聞いてからは、パートナー、友達、生後3か月の娘の父親として、夫に対して今まで以上に感謝するようになったわ。この仕事のおかげで、夫の欠点 (もちろん誰にでもある) ばかりを気にせず、人を許して受け止め、結婚および一緒に築いてきた生活の全体像に重点を置く、寛容な妻になれたと思う」

― ローラ・マークス・オブライエン/バージニア州フェアファックスの弁護士

隣の芝生はそれほど青くない

「結婚生活が単調に感じるから、という理由で離婚するカップルを何組も見てきたわ。クライアントの多くは、この結婚生活の向こう側にはより良い人生があると思っているの。そして、隣の芝生が遠くから見た時ほど青くないことに気付き、ガッカリするのもしょっちゅう。このパターンを目にしてきたからこそ、マンネリを乗り越え、夫と結婚生活のポジティブな面を意図的に見ることの価値を理解できたわ」

― シェル・ハリントン/顧問弁護士兼非常勤教授

幸せでありたいのか、正しくありたいのか

「自分がイライラしている時や、夫がしたことやしなかったこと (また!?) に機嫌を損ねている時は、自分は正しくありたいのか、それとも幸せでありたいのかを自分の心に聞いてみるの。彼の靴下を拾うのが1億回目でも、私がこの靴下を拾わなかったら、彼は私の元を去っていたかもしれないと自分に言い聞かせるわ。このゴチャゴチャした家の中に、靴下やら何やらと一緒にいてくれた方がよっぽどましだと」

― アニータ・サヴェージ/GB Family Lawの弁護士

本気じゃないなら離婚を持ち出さない

「至る所で離婚を武器に脅さないことね。口論や意見の食い違いの度に離婚を口にするクライアントが、あまりにも多すぎるわ。やがてパートナーはそれを聞くのに飽き飽きして、やれるものならやってみろと開き直るの。こうなると離婚に向かって一直線。本気じゃない限り、離婚は口にしないことね」

― アビゲイル・ビービ/フロリダ州ウェストパームビーチのThe Law Office of Abigail Beebe, P.A.の弁護士兼筆頭オーナー

金銭的な浮気は、別の意味での浮気と同じくらい痛い

「離婚に際して最も頻繁に勃発するのが、お金をめぐる争い。金銭感覚とお金の使い方が夫婦の間で大きく違うと (例えば片方が浪費家で、もう片方が節約家など)、結婚生活がますます大変になり、時には乗り越えられない試練になるわ。結婚する前に、お金の扱い方に関する意見がある程度一致しているのを確かめて。パートナーとフランクに話し合い (一度ではなく何度も)、お金が何を意味するのかを自分の中で偽らず、相手にも正直に伝えてみて。使いたいのか貯めたいのか、どれだけ借金があるのか、どんな返済計画なのか、共働きをするのか、いつまで働くつもりなのか、収入はどこへ行き、誰が引き出せるのか、お金は何に使うのか、何に使わないべきか、どこに住みたいのか、そこに住むのにいくらかかるのか、どちらかが職を失ったら、どうバックアップするのかなどをね」

― アニータ・サヴェージ

長所を重視する

「弁護士としての経験から言うと、大きな争いごとに発展するのは大抵取るに足らないケンカ。パートナーがすること (またはしないこと) への不満を並べたてそうになったら、息を吸ってみて。頭の中で、相手が得意とすることを最低3つ考えて、さっきまであなたが気にしていた小さなことと対比させるの。そして、自分に聞いてみる。“私が言おうとしていることは、2人のためになること?”。答えがノーなら言っちゃダメ」

― シェル・ハリントン

プライベートはプライベートに

「いつまでも、お互いのプライバシーを尊重すること。ソーシャルメディアに巻き込まれすぎたり、2人の関係について投稿したりせず、何をシェアするにもパートナーの気持ちを考えて。例え冗談のつもりでも、パートナーに対する不満を書くのはNGね。その全てが内容の良し悪しにかかわらず、離婚訴訟であなたの不利に働きかねないから。控えめな投稿内容にすることで、そもそも離婚裁判になるのを防げるかもしれないわ」

― ヴァレリー・トッチ/Stutman Advocate Stutman & Lichtenstein提携弁護士

共に努力し関係を強化する

「この仕事は離婚訴訟が、経済面ではもちろんのこと感情面でも、人に大打撃を与えることに気付かせてくれた。訴訟プロセスは、その人の生活のほぼすべてに長期的な影響を及ぼす。初めから終わりまでで、最長数年かかる。大急ぎで別居や離婚に走るのではなく、夫と妻が一緒になって障害を乗り越えようとすることの大切さが、より理解できるようになった」

ーローラ・マークス・オブライエン

忙しさにかまけて夫婦の時間をないがしろにしない

「2人の関係を優先しないと、結婚生活は上手くいかないことを学んだわ。育児に仕事、親戚との付き合いや諸々の義務に夫婦ともども追われていると、同じ家に住んでいるんだから、そのうち2人の時間が作れるだろうと決め込む。でも、この予想は大抵外れるの。時間は意図的に作らなきゃダメ。近々作れるのが数分だとしても、2人のつながりを優先するのがマスト。忙しい数年間は夫婦の時間を二の次にして、落ち着いたら取り返せばいいと考えるのは非現実的よ」

― シェル・ハリントン

家政婦を雇う

「家事に関するケンカが多いなら、家政婦と庭師を雇うこと。贅沢に聞こえるかもしれないけれど、夫婦カウンセリングや離婚の費用より安いわ。仕事や育児で長い1日を終え、お互いクタクタの時に、どちらが家事を多くやるかで次第に溜まる鬱憤 (これが原因で毎日ケンカすることも) を減らすのに役立つわ」

― アニータ・サヴェージ

パートナーを支える

「決して相手の足を引っ張らないことね。パートナーを支え、成功するよと励まし、その試みが何であれ傍にいること。個人的な目標や仕事上の目標をはじめ、何に関してもそうするの。また、パートナーが楽しいことに使う時間を制限してはいけないわ。友達と会ったり、趣味や仕事を楽しんだりするのに時間を使わせないのはNG。これらはすべて、妻と夫それぞれの人生に必要なもの。奪われると憤りを感じるようになるわ」

― アビゲイル・ビービ

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Charlotte Hilton Andersen Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images