マグネシウムは、ミネラルの中ではなかなか称賛を浴びないけれど、じつは「体のヒーロー」。かなり重要な役割を担っている。そして、体内のマグネシウムが不足すると、体に深刻な被害が及ぶそう。

栄養カウンセリングサービス「Nutrition Now Counceling」の設立者で管理栄養士のローレン・マナカーによれば、マグネシウム不足はとりわけ神経系や筋機能、血糖値、骨密度、代謝に影響を与えるという。

米国立衛生研究所 (NIH) によると、女性は1日あたり310~320ミリグラム(妊娠中なら350~360ミリグラム) のマグネシウムを摂取するべき。幸いなことに、マグネシウムは何にでも含まれている。濃い緑の葉物野菜から、ナッツやシード、豆類、アボカド、バナナ、ヨーグルト、さらにはダークチョコレートまで。

でもNIHの話では、マグネシウムを十分に摂取していない人がほとんどなのだとか。栄養情報サイト「Real Nutrition NYC」の設立者兼管理栄養士、エイミー・シャピロによれば、マグネシウム不足はクローン病、セリアック病、糖尿病の前兆であるインスリン抵抗といった持病のある人に多く見られる。

生活習慣もマグネシウム不足の原因になる。「アルコール中毒、食生活が乱れている、胃腸に問題がある、ビタミンD不足の人は、マグネシウムが不足するリスクが高い」 とシャピロは指摘する。

マグネシウム不足になっても、すぐに症状が現れるとは限らない。でも、マグネシウムの摂取量が必要量以下の期間が続くと、時間とともにかなり危険な問題につながることも。医師に相談するべき、マグネシウム不足の症状をチェックしていこう。

手足の指がゾクゾクする

マナカーによると、「マグネシウムは体内の神経伝達と関係するので、不足するとしびれやゾクゾク感が出る」 。この症状は、主に手や足の指などの体の末端に現れ、寝ている間に感じられることも多いみたい。

インフルエンザみたいな症状がある

食欲の減退や吐き気、嘔吐、疲れ、衰弱。マナカーいわく、これらは通常、マグネシウムが足りない人に現れる最初の症状。
もちろん、マグネシウムの摂取量が足りないことが原因ではなく、インフルエンザを含む他の病気を示していることもある。5日以内に症状が治まらないなら、医師に相談した方がいいそう。

発作性疾患がないのに発作が起きた

NIHによると、発作が起きるのはマグネシウム不足が悪化しているサインかも。マナカーの話では、発作は脳内に異常な電気活動があるときに起きるもので、その原因がマグネシウム不足にあることも。発作が起きたなら、医師の診察を受けて。

いつも脚がつる

『Secrets of a Kosher Girl』の著者で管理栄養士のベス・ワレンによると、筋肉が収縮してけいれんを起こすと、脚や腕が硬直して重く感じたり、うまく動かせなかったりするそう。「科学者たちは、マグネシウムの濃度が下がると神経細胞に大量のカルシウムが流れ込み、筋神経を過度に刺激するからだと考えている」

マナカーいわく、これは妊娠中の女性によくある問題。「妊娠中の女性は足がつりやすい。いくつかの臨床試験結果は、サプリメントや食品などでマグネシウムを補充すると頻度と激しさが和らぐことを示している」

最近、「自分らしくない」

マグネシウム不足になると、気分や性格が変わり、うつ病のリスクが上昇することもある。シャピロによれば、精神的な症状には、感情の欠如、不安の増幅などが含まれる。

心臓の鼓動がいつもより早い

ワレンによると、マグネシウムが不足するとカリウムの濃度が下がり、これが心筋細胞に影響を及ぼし、正常な心拍リズムを狂わせる。鼓動がいつもより遅かったり早かったりするのなら、医師に必ず伝えること。

便秘

マナカーによれば、「便秘は、食事が下剤的な働きをするにはマグネシウムが必要だというサインかもしれない」

ところで正常な便通とは? 

「一般的には、平均して週3回が “正常 な排便”の定義」 なんだそう。多くの医療専門家は、1週間に3回未満を便秘としている。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。