Shoulder, Human leg, Elbow, Wrist, Exercise, Exercise machine, Knee, Physical fitness, Chest, Thigh, pinterest

ここ数年、ジムでの進捗状況の確認には、トレッドミルでの走行距離より、持ち上げられるウエイトの重さが用いられることが多くなった。

筋トレには、ダイエットに効果的、お腹周りの脂肪を燃やす、心拍数を上げるといった数々のメリットがある。でも、昔ながらの有酸素運動を時折行うのも目標達成への近道。

しかも、スウェーデンで行われた新たな論文によると、スピンクラスの時間を捻出したり、ランニングの始め方を調べたりするべき理由が他にもあるという。

神経学の医療ジャーナルに掲載されたこの研究結果は、循環器系の健康状態が良く持久力があると、その分認知症のリスクが下がることを示しているそう。

研究チームは、38~60歳の女性191名を対象に、エルゴメーター (身体能力計測器) を使ったサイクリングテストを行い、体が疲れるまでに加えられた負荷の量をもとに参加者の作業量を測定。その結果、作業量が最も高かった (循環器系が非常に健康な)人々の認知症の発症リスクが、なんと88パーセントも低いことが発覚。これに比べて、循環器系があまり健康でない人は23パーセント、そこそこ健康な人は45パーセントの確率で、後に認知症を発症した。

持久力の高さも、認知症の発症を著しく遅らせることが分かったそう。

でも、どうして認知症の心配をする必要があるの? 認知症専門サイトYoung Dementia UKの情報では、イギリスだけでも現在85万人が認知症を抱えている。また、世界保健機構のデータによれば、毎年新たに1千万人が認知症と診断されている。

さらに心配なのは、若年発症認知症 (30代から発症する認知症)が広がりを見せていること。イギリス国内の患者数は、現在4万2,325名という統計が出ている。しかし、認知症の診断は難しいため、Young Dementia UKは実際の数字をその2倍と見積もっている。

ライフスタイルが認知症の発症リスクに与える影響を示す研究結果は、どんどん増えている。それを思えば、今行動を起こすことが大きな違いをもたらすことになるかもしれない。

なぜ? ひとつには、脳には血管が非常に多いことが挙げられる。エクササイズで血行を良くすれば、栄養素と酸素が脳に届きやすくなり、脳機能を健全に保つことができる。

地中海の食生活を取り入れて、知識の減少や技能の衰退を防ぐのも、脳の健康を守る良い方法。ときどきお酒を飲む人は、アルコールによる脳へのダメージをランニングで阻止することを考えてみよう。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images