Natural foods, Local food, Vegetable, Food, Basket, Whole food, Fruit, Plant, Vegan nutrition, Produce, pinterest

ここ数年、イギリスのスーパーマーケットが尽力しているのが、年間で200億ポンド(3兆円弱)相当と言われる国内の食品ロスを減らすこと。そのためにスーパーマーケットに設置されたのが「捨てるには早すぎる」買い得野菜ボックス。それがどんなものなのか、イギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。

ディスカウントスーパーのリドル(Lidl)は昨年、鮮度の落ちたフルーツと野菜を1箱1.5ポンド(200円強)で販売するという新たな試みに挑戦。これが消費者に好評で、今後も継続されることが決まった。

この「捨てるには早すぎる」お買い得野菜ボックスは、イギリス、スコットランド、ウェールズのリドル全店で導入されている。5kgの箱には、少し傷があったり、変色や変形が見られたりするけれど、まだ安全に食べられるフルーツと野菜がぎっしり。

その日の箱に入るアイテムは専任の鮮度スペシャリストによって選定され、営業開始から正午まで販売される。売れ残りのボックスは、リドルの余剰食糧再分配プログラム「Feed it Back」を通して、地元の慈善団体等に寄付されるという仕組み。

リドルは、これまでに5万箱以上のお買い得野菜ボックスを販売し、250トンもの食品がゴミとなるのを防いできた。

英リドルのCEO、クリスティアン・ハートネイゲルは、「トライアルを終え、私たちのもとに届いたポジティブなフィードバックの数々には感動しました」と話している。「スタッフたちは、このイニシアチブに非常に熱心に取り組んでくれました。トライアルの当初から、どこで箱が買えるのかと聞いてくれた消費者の方々にも感謝しています」

「この箱が国内の全店で販売されていくことを非常にうれしく思います。他のスーパーマーケットが似たような取り組みを始めているのも、素晴らしいことですね」

instagramView full post on Instagram

リドルは、自分たちの野菜ボックスが、他のスーパーマーケットが販売している「いまいちな野菜ボックス」とは違うことを強調している。リドルの目的はサプライチェーンではなく、店内の食品ロスを減らすことにあるからだとか。

アズダ(Asda)は、3年前に「いまいちな野菜ボックス」を導入したスーパーマーケットのひとつ。そうでもしないと消費者に買ってもらえないニンジンを箱に入れ、格安で売り出した。他の小売店もリドルやアズダに続き、大型スーパーのテスコに至っては、約70品目のフルーツと野菜における賞味期限表示を廃止している。

日本のスーパーマーケットでもこういった取り組みが導入されるのを期待したい。

 
※この記事は当初、イギリス版『Country Living』に掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Katie Frost Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。