あなたの今日のto-doリストには、どれくらいの仕事が並んでいる? その仕事量を見てクラっとくる? そんなあなたは一人じゃない。UK版「ウィメンズヘルス」から、仕事のストレスを軽減させてくれる「バッチタスキング」という手法をご紹介。簡単にできて効果てきめんなのでぜひお試しを。
キャリアウーマンが教える「バッチタスキング」で、あなたの1日が変わるかも
イギリスの安全衛生庁(HSE)の発表では、25歳~45歳の働く女性が、男性よりも仕事からくるストレスや不安、鬱などに悩まされているそう。その大きな理由として挙げられるのが仕事量。そして現代の多様化する仕事のスタイルです。ベッドの中からメールチェックができる時代 -- 素早い返事を求められることもしばしばなはず。ストレスレベルが上昇するのは納得。
勤務時間の中であろうと外であろうと、時間というのは大切な資産。そしてそれを上手にマネージメントすることが、現代を生きる私たちにはとてつもなく重要。
そこで、エグゼクティブ キャリア コーチであるキャロライン・ウェブ(Caroline Webb)氏の思想に触れてみよう。彼女は過去にイングランド銀行のエコノミストとしての経歴、そしてコンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーの共同経営者でもあったキャリアウーマン。
彼女は自身の最新著書、『How to Have a Good Day: Think Bigger, Feel Better and Transform Your Working Life』にて、行動科学を通じ、日常の仕事での非効率的な癖を見直し改善する方法をレクチャーしている。
マルチタスキングはストレスです
ウェブ氏によると、忙しい女性が頻繁に行っている、同時にたくさんの仕事をこなすというマルチタスキングが、私たちをハッピーな気分から遠ざけ仕事を非効率的にしているそう。
締め切りを守りつつ、メールの山を片付け、電話の応対をし、同僚からの質問や要求に迅速にこたえるなんてコトを、いっときに全て片付けられると思う? 私たちの脳ミソというものは単純に、別々のことを同時に考え実行するのは不可能な構造なのに。
「神経科学の視点から見ても、我々の意識は一度にひとつのことしか認識できないとされています。ということは、私たちがマルチタスクをしていると思っている時、実際には意識を複数のトピックスの間で頻繁にスイッチしているということになります」とウェブ氏。
それは高強度インターバルトレーニングをしているようなもの。高強度インターバルトレーニングは、負荷の高い運動を次々に繰り返し、たくさんの熱量を消費すると同時に数分で筋肉を疲労させるもの。これは体のトレーニングなので代謝の改善、脂肪燃焼などにつながるけれど、これと同じことを脳に課すと、意識をスイッチし続けるたびに精神的なエネルギーを消費し、脳はすぐに疲れてしまうというわけ。
「ということで、あらゆることを同時にこなそうとして、ストレスを感じたり疲れやすくなったりするというのは気のせいではありません。それは実際あなたの脳にとって抱えきれない量を詰め込んでしまっているからなのです」
どうしたらいいの?
ウェブ氏は多くの女性が - 固い決意や、ノーと言うことを嫌う性格、もしくは世間一般に女性は一度にたくさんのことができる(根拠はないようですが)とされているため自分をそこに当てはめるべく- マルチタスクを負うことに使命のようなものを感じているのではないかと述べている。
マネージ不能なリストから仕事を消すことはできない。しかしウェブ氏の「バッチタスキング」という方法でコントロールすることはできるはず。
「バッチタスキング」って何?
これは要するに、あなたのto-doリストを、脳が理解しやすいようにバッチ(ファイル・プレート)に分けて解決していくというもの。
「脳を動かしていても、せいぜい頭に入れておける案件は3つか4つが限界です。ただそれもざっくりとしたインフォメーションの塊で良くて、細かな作業である必要はないんです」と話すウェブ氏は、
「あなたのto-doリストに、14のタスクがあるとします。そしたらそれを3つか4つの塊に分ければ、気分がたちまち少し楽になるはずです」と解説。
例えば、返さなければいけないメール、書き物の仕事、リサーチ系、プランニングといった具合にざっくり分けてみて。
ウェブ氏は、「このように分割して仕事をさばいていけば、ランダムに次から次に意識をシフトする必要なく、メールからリサーチ、リサーチから書き物、といったような流れを作ることができ、集中して仕事に向かえるのです」と説く。
脳にブレイクタイムを
一度一つの作業から離れることができたら、そのブレイクタイムを深く、誰にも邪魔されないものにして。
「現代の私たちは、自分を他から完全に遮断したりすることができず常にオンラインです。そのため誰でも、そしていつでも、他人の時間やスペースに入り込むことができてしまいます。」とウェブ氏。
上司に提出する大切なレポートに向かっている時、オフラインになることに躊躇する必要がある? 「集中する」ということは、誰かから与えられる特権ではなく、私たちに必要不可欠な要素。そしてまずは小さなステップから始めればいい。
「メールを閉じて、携帯の電源を切り、せめて5分か10分間、一つの仕事に集中してみてください。その数分が終わったら、よくやったねと自分を褒め、そこから自分のペースを作っていきましょう」
脳をトレーニングしている時、それは体のトレーニングと同じように、成功を自分自身で感じ褒めてあげることが大事。そしてヒントとして、ポストイットを使うことをウェブ氏はオススメしている。そこに日々のバッチのタスクを書き込んで。
このロジックとしては、(バッチに分けて)少ないタスクとして仕事を認識すれば、ストレスもその分感じづらくなるというもの。
またそのポストイットを使った可視的な方法の補助として、細かな長いリストはパソコン上やオンラインに書いておくといいそう。そこで修正、共有も可能。脳を休めて帰ってきたら、そこから続きもできる。ただやはり、仕事の抱えすぎにはご用心。
http://www.womenshealthmag.co.uk/health/stress/6381/how-to-feel-less-stressed-at-work/
Photo:Unsplash/Pineapples on Pinterest Translation:Saori Ohara