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もうダイエットに関する説は出尽くしたと思っていたけれど、なんと新しい説が!しかもこれはなかなかの驚きのもの。

新しい著書『The Plant Paradox』の著者でカリフォルニアの心臓外科医のスティーブン・ガンドリーは、ダイエットの一番の敵は、植物性のタンパク質、レクチンを含んでいるものだという新しい説を展開。このレクチンはダイエットによさそうな食品に含まれていることが多い。たとえば、全粒穀物、豆類、ナス、トマト、ピーマン、紫イモ、カボチャ、ナッツ、種子類、乳製品。そしてオーガニックではない動物性タンパク質の卵や肉にも含まれている。

レクチンは捕食者から身を守るためにもともと持っている方法の一つ、とガンドリー氏。レクチンは、身体の中で炎症作用を引き起こし、それが体重増加や身体への好ましくない影響を及ぼす。代表例としては過敏性腸症候群など。

ガンドリー氏は、今まで穀物類は家畜を太らせるために使われてきた、と指摘する。だから、レクチンが豊富な食物を食べると、人間も太ってしまうというのも納得。ガンドリー氏は、自身もレクチンをカットする食事法で31kgもやせた経験があり、その効果から患者にも同様の方法をすすめているそう。

「驚くことに、主要なレクチンをカットするだけで体重が減り始める。しかもカロリーは取っているのにも関わらず、体重は減り、脂肪もため込まない」とガンドリー氏。

さらに、ガンドリー氏は2006年の研究でも、レクチン・フリーの食事が循環器系の疾患やメタボリックシンドロームの人にもよい影響があったと指摘している。つまり、高血圧や血糖値の値が高い人、腰まわりに脂肪が余計についている人やコレステロール値に異常がある人などに、レクチンカットは効果的だったそう。

レクチンは体重を落とすにも効果的?

ある特定の食品を排除して、かわりの食品を食べなければ合計のカロリー摂取量は減ることが多い。

でもだからといって、レクチンを含んだ食品をカットすれば自動的に体重が減るわけではない、とリア・カウフマン博士は話す。体重を落とすことを成功させたいのなら、バランスの取れた食事をする必要がある。つまり、レクチンを含むものも少しは食べなくてはいけない。そして食事からの摂取カロリーより多くのカロリーを消費する必要がある。

食べるのをやめたほうがいいと言われるレクチンを含む食品の多くは、体重減に効果のあるもの、と話すのはサマンサ・ケゼッティー博士。たとえば、2017年の臨床栄養学の専門誌『American Journa of Clinical Nutrition』に発表された研究によると、レクチンを含む食品の代表格、全粒穀物は体重減と関連しているそう。

同じく同誌に発表された別の研究では、6週間豆類、たとえばレンズ豆やヒヨコ豆を食べた人は、全く豆類を食べなかった人に比べて著しく体重が減ったとか。

レクチンカットをするべき?

このような説はあるが、カウフマン博士は、IBSの患者に低FODMAPダイエットを実践し、特定のレクチンを含む食品をカットさせてダイエットを成功させたこともあると話す。低FODMAPダイエットとは、豆類やデンプン質の多い野菜を食べないというもの。

ただ、食事制限をする必要がなく、お腹の問題がない一般的な人の場合は特定の食品を排除するのではなく、すべての食品群を適度な量で食べることをすすめるそう。カウフマン博士はお皿の1/4を炭水化物、1/4を脂肪の少ないタンパク質(グラスフェッドや放牧などにこだわる必要はなく、飼育方法は特に問わない)そして残りを好きな野菜にするようにと提案する。

つまるところ、どんなヘルシーな食材でも、身体への影響は人による。もちろん、レクチンフリーのダイエットで体重を減らすことはできるかもしれない。でも、消化系の問題がない限り、もう少し長く続けられる食事法にした方が結局はよさそう。最終的には長期的に続けられる食事法が、一時的ではない体重減につながるから。

※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Elizabeth Bacharan Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images