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トライアスリートとして2015年のアイアンマン世界選手権大会では2位という好成績を残したローレン・パーカーは、2017年のけががきっかけで下半身まひ状態に。
そんな彼女が事故の9カ月後には、パラアスリートとして復活を果たした。彼女の思いについて、オーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

大けがから回復し、同レベルの舞台に再び立つことのできるアスリートは非常に少ない。でも、ローレン・パーカーは、それを実現してみせた。

トライアスリートとして成功し、2015年のアイアンマン世界選手権大会で2位に輝いたローレンの人生は、2017年、わずか5秒のうちに砕かれた。

「あの年は調子が万全で、一度もけがをしていませんでした」と彼女は振り返る。でも、「次のレースを2週間後に控えたある日、自転車のタイヤが破裂して、体が吹き飛ばされたのです」。この不慮の事故でローレンは肋骨(ろっこつ)、背骨、骨盤を折り、肺をつぶし、脊椎を損傷。下半身は、その場でまひ状態になった。
「地面に倒れたまま、脚の感覚を得ようとしても得られなかったのを覚えています。絶望的な瞬間でした」

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下半身不随となり、再び歩ける確率が0~1%と宣告されれば、その瞬間に選手生命が絶たれる人も多いだろう。でも、ローレンは9カ月後、パラアスリートとして復帰した。

アメリカの障がい者スポーツ支援団体『Challenged Athletes Foundation』に出会ったおかげで、再び戦うためのモチベーションが見つかったという。

「『Challenged Athletes Foundation』では、車イスの人や両脚のない人が幸せそうにしていました。私より苦しい状況にある人が幸せになれるなら、私だって幸せになれるはずだと思ったのです」。そして彼女は、脚と下部胴体の力が使えないにもかかわらず、新しい自転車の乗り方や泳ぎ方をあっという間に習得した。

現在30歳のローレンは過去12カ月だけでも、2018年にイギリスで開催されたコモンウェルスゲームズの銅メダルとワールドカップの金メダルを獲得、突出した結果を残したアスリートに贈られる『Ian Thorpe OAM Outstanding Achievement Award』を受賞し、豪ニューサウスウェールズ州の『障がいを抱えるアスリート・オブ・ザ・イヤー2018』にも選ばれている。その彼女が今、脇目も振らず目指しているのは2020年の東京パラリンピック。

「どんな障害にも乗り越える方法があるものです。必要なのは、絶対に諦めないという強い気持ちだけです」
ローレンのこの言葉は、たとえ障害がなくても日々困難に向き合うことが多い私たちも、心に留めておきたい。そして、2020年、ローレンがパラリンピックに出場できた暁には、ぜひ応援したい!

 
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Lucy E. Cousins Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。