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ヴィーガンとケトン食は似たようなものと思っている人も多いのでは。ヴィーガンは、植物性食品を中心に食べるのに対し、ケトン食は脂質とお肉を積極的に摂る。
これだけハッキリ違うにもかかわらず、この2つのミールプランは、どちらもダイエットに効果的。でも、ヴィーガンには、ダイエットというより倫理的・環境的な理由で転向を決めた人が多いみたい。じゃあ、本気で体重を減らすにはケトン食の方がいいの?

ヴィーガンとケトン食の違い

ケトン食は、糖質の摂取量を最小限に抑える一方で、脂質の摂取量を増やすというミールプラン。体をケトーシスと呼ばれる状態にすれば、脂肪がエネルギーとして使われるという考え方だ。

体やニーズは人によって異なるけれど、このケトーシス状態に入るべく、ケトン食ではカロリーの60~75パーセントを脂質、15~30パーセントをタンパク質、5~10パーセントを糖質から摂取するのが一般的。フルーツ(およびジャガイモやカボチャといった糖質過多の野菜)の摂取量も減る。フルーツに含まれる果糖も、天然とはいえ糖であることには変わりないからだとか。

一方のヴィーガンは、基本的にすべての動物性食品(肉・魚・乳製品)を排除する。食生活の中心となるのは植物性食品で、どれだけ糖質を摂ろうが関係ない。

体重を減らすには、どっちがいいの?

公認管理栄養士のジェシカ・コーディングによると、どちらのミールプランでどれだけ体重が減るかは、その人が今まで何を食べていたかによるところが大きい。

例えば、「糖質(特に単炭水化物)たっぷりの食事をしていた人がケトン食に移り、食べ方を根源から見直し、体がケトーシス状態に入れば、体重がすぐに著しく減ることも珍しくない」そう。「これは恐らく、余分なカロリーの元凶となっていた食品を大幅にカットするから」

ステーキ、ハンバーガー、ベーコンをたくさん食べていた人がヴィーガンになった場合にも、同じことが言える。

でも、体重が早く減りやすいのはケトン食。公認管理栄養士のベス・ウォーレンによれば、「糖質の大部分をタンパク質で置き替えているから、ヴィーガンを含む他のミールプランよりも、食べた後の満足感を得やすい人もいる」という。

とはいえ、ヴィーガンの食生活がダイエットに効果的であることも実証されている。体重を減らすのが目的でヴィーガンになるのなら、栄養価の高い食品を中心に食べること。ピザやクッキーのヴィーガンバージョンを食べるよりも、農産物、植物性タンパク質、ヘルシーな穀物などを積極的に摂る方が体重は減りやすいはず。

どっちが合っている?

お肉や動物性食品を食べることについて、どう思う? 「気が進まない」 と答えた人にケトン食は向いていない。

また、ヴィーガンでもケトン食でも、“絶対に” 体重が減るとは限らない(こればかりは、その人の体によりけり)。ケトン食で大成功を収めた人も多くいれば、米NBCテレビ(NBC)の人気キャスター、サバンナ・ガスリーのように、まったく結果が出なかった人もいる。同様に、ヴィーガンになって痩せる人もいるけれど、逆に太る人もいる。

体重を減らすことだけが目的なのか、栄養価の高い食事をして全体的にヘルシーになることが目的なのかも選択に関わってくる。公認管理栄養士のジュリー・アプトンが言うように、ケトン食では「体重が早く減りやすい。でも、ヴィーガンの方がよっぽどヘルシーだし、健康的な体重を手に入れて、長期的に維持するのを助けてくれる」

持続可能性も重要な要素だけれど、ケトン食は続けるのが大変なことで有名。コーディングいわく、「ケトン食には入念な計画と作り置きが不可欠」。胃腸に問題が出ることもあり、そうなると長期的に続けるのが困難になるばかりか、結果が出る前にやめてしまうこともあり得る。とはいえ、野菜だけで生きていけない人には、ヴィーガンを続けるのも難しい。

結論

どちらのミールプランも、正しく実践されればダイエットに効果的。体重が早く減るのはケトン食かもしれないけれど、続けやすいのはヴィーガンかも。最終的には、自分のライフスタイルと食べ物の好みによって決めるのがベスト。

 
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。