アメリカで、ヴィーガンやプラントベースを実践している人に人気の「パラミツ(ジャックフルーツ)」って知っている? フルーツなのに、豚肉のような食感を味わえるんだとか! そんなパラミツの栄養価や食べ方についてご紹介。審査員長・松本人志で紹介したとんかつ風パラミツのレシピも併せて、チェックして。
目次
パラミツ(ジャックフルーツ)とは
パラミツは、南国やインド、アジアの木になる植物。英名は「ジャックフルーツ」。大きな卵型で、緑色や茶色の硬い皮で覆われている。アメリカのナショナルパブリックメディアによると、ジャックフルーツは南アジアや東南アジアを原産地とし、バングラデシュの国のフルーツに認定されているそう。
このパラミツが、2015年からアメリカで、ベジタリアン向けの代替ミートとして注目を浴び出した。市場に出回る他の大豆ミートほど加工されておらず、熟れる前のパラミツを細かく刻むと、煮込んでから手で割いた鶏肉や豚肉に食感が似ていると言われている。
パラミツの栄養価は?
パラミツ 1カップ(165g)
※データ:NutritionData
エネルギー…155kcal
全炭水化物…39.6g
たんぱく質…2.4g
総脂質…0.5g
食物繊維…2.6g
ビタミンA…490IU
ビタミンC…11.1mg
カルシウム…56.1mg
鉄…1.0mg
タンパク質量が少ないので、栄養面からは、お肉の代替品として使うのはおすすめできない。でも、パラミツにはビタミンAやビタミンCなどの抗酸化ビタミンが含まれているので、生活習慣病の予防や、老化を遅らせることが期待できる。パラミツを食卓に出す場合は、タンパク質が豊富な豆類と一緒に食べて。
パラミツの食べ方
パラミツは味がほとんどないので、カレーに入れたりマリネにしたりするのがおすすめ。直火で焼いても燻してもいいし、ピザの上に乗せてもいい。他の食材と混ぜる前に、フライパンで (スパイスやソースが欲しければ一緒に) 調理した方がいいそう。
とんかつ風パラミツレシピ
【材料(2人前)】
・パラミツ…1缶
・薄力粉…適量
・卵…1個
・パン粉…適量
・サラダ油…適量
・キャベツのみじん切り…適量
・とんかつソース…適量
【作り方】
- 油を温めておく
- 缶から取り出したパラミツを水で軽く洗い、キッチンペーパーで覆う
- その上から布巾を被せ、手で潰しながら水分を抜く
(厚さ2センチ程度のパラミツが1センチ弱ほどの厚さに) - 塩胡椒で下味をつける
- 2に薄力粉→溶いた卵の順につける
- パン粉につける
- 140°Cの油に入れ、少し色がつくまで揚げ、一回油から取り出す
- 170°Cの油で揚げ直す
- とんかつソースをかけ、キャベツのみじん切りを添えて完成
パラミツは日本で買える?
日本でパラミツを手に入れるなら、オーガニックスーパーや輸入品の多いスーパー、またはオンラインショップ。でも、買えるのは塩に浸けた缶など、調理済みのパラミツがほとんど。
おかずとして豚肉のような食感を楽しみたい場合、熟れる前のヤンググリーンジャックフルーツ”という品種のパラミツを手に入れて。ちなみに熟したパラミツは非常に甘い。
パラミツはエシカルな食材といえる?
環境の観点から見ると、動物性食品の代替品となるパラミツはエシカルフードといえそう。
そして、パラミツの原産地であるインドでは、多くのパラミツが破棄処理されてしまっているそうだ。これはこの果物の原価と輸送料が割にあわないから。廃棄される食材が再注目されているのは、フードロス削減の対策にも◎。
でも、ひとつ注意点がある。日本で食べる場合は、海外から取り寄せることになってしまう。その輸入時の排気ガスのことなどを考えると、100%エシカルフードということは難しい。肉を食べ過ぎてしまったときや大豆ミートに飽きてしまったときの代替肉として、ときどき取り入れるのが良さそう!
注意点
パラミツは、以下に当てはまる人は食べるのを避けて。
・ラテックスアレルギー(天然ゴムの成分であるラテックスに含まれるタンパク質)
・シラカバアレルギー
まとめ
豚肉のような食感を楽しめるパラミツは、肉の食べ過ぎを防ぐのに良さそう。でも、タンパク質量は少ないので、豆類などと一緒に取り入れて。
※一部は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されたものです。
Text: Isadora Baum Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images Instagram@vegan_venja ,@rhianamygdala, @tbmore808
臨床現場において、最新の分子栄養療法や腸内フローラなどを基にした予防医療、生活習慣病から終末期医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。食や農業、環境問題への洞察を基にした人と地球全体の健康を実現する「プラネタリーヘルスケア」や女性特有の悩みを解決する「フェムケア」、また世界の最新ヘルストレンド情報などを様々なメディアで発信、プロダクト監修を行なっている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。他、「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の科学』(光文社新書)、『腸と森の「土」を育てる〜微生物が育てる人と環境』(光文社新書)ほか多数。
tenrai株式会社:https://tenrai.co/
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。