プロテインパウダーは本当に救世主?

04 December 2017

プロテインパウダーは本当に救世主?

みんなが飲んでいるけれど、その効果は? どれを飲むべき?

ジムに行けば、隣の人がワークアウト後にプロテインシェイクを飲んでいたり、友人が飲み始めたり、まわりはみんな飲んでいるように思えるプロテインパウダー。実際に、イギリスの大手ドラッグストア、ホランドアンドバレットではこの5年間でプロテイパウダーの売り上げは20%増えたそう。そのうち62%が女性だとか。

「最近は、ウェイトトレーニングをする人でプロテインシェイクを飲んでいない人はいないくらい」とパーソナルトレーナーのダン・ウィーラーは語る。ワークアウトする人には欠かせないアイテムとなったプロテインパウダーだけれど、実は知らないこともたくさん。

 

タンパク質は筋肉を作るのに欠かせないブロック

タンパク質は栄養素の一つでアミノ酸の供給源となる。「アミノ酸は筋肉や骨、ホルモンや肌の構成と維持に欠かせないもの」と言うのは、リバプール・ジョンモーア大学の人間生理学の教授、グレイム・クロース博士。アスリートへの栄養指導を行うクロース博士は「レゴブロックのようなものを想像してみて。筋肉が運動によって傷つくと、レゴ職人はそれを修復にかかるが、ブロックがないと作れない」と話す。

筋肉を鍛えても、アミノ酸が十分に足りていないと、筋肉は修復されないので壊れたまま。しかも、筋肉は修復するのに必死なので、足りていないアミノ酸を得るために、筋肉を壊してしまうという。

つまり、筋肉を増やしたいのなら、タンパク質も増やさないといけない。理想をいえば、タンパク質は肉、卵、魚介類、乳製品や豆類から摂りたい。ただし、それにはお金もかかってくるので、ここで便利なプロテインシェイクが登場。値段と手軽さがプロテインパウダーの一番の売りポイント。

「プロテインはただの人工的なものではなく、食品のある成分を抽出したもの」とスポーツ栄養士のドリュー・プライスは説明する。「そして、筋肉を作ったり修復したりするのに必要なタンパク質はプロテインシェイク1杯と鶏胸肉1枚で同じ量を摂れる。つまりとても効率がよいということ」

 

どのくらいの量が必要?

もし、筋力トレーニングにはまっているのなら、クロース博士は今の筋肉量に関わらず体重1kgに対してタンパク質1.5gを毎日摂るようにとアドバイスする。つまり、体重が50kgなら、毎日75gのタンパク質が必要だということ。

有酸素運動が好きな人はどうすればいいの? 有酸素運動は筋力トレーニングに比べて筋肉を壊さない。「ランニングをする人は、少し少なくてもいいが、それでも体重1kgに対して1.2gは摂りたい」とクロース博士は話す。

ただ、一部の専門家は、タンパク質をたくさん摂っても意味がなく、タンパク質は摂取カロリーの10%で良いと話す。この場合だと、だいたい体重1キロあたり0.8グラムのタンパク質ということになる。でも、クロース博士はこの意見には異を唱える。「この一般的なタンパク質の推奨摂取量は、運動量の少ない人を前提にしているので、トレーニングを定期的に行ってパフォーマンスを上げたい場合はもっと必要となってくる」というのがクロース博士の論。

 

飲むタイミングも大切

大切なのは量だけでなく、いつ摂るかということ。ヘルシーな食事の後に飲んでいてもそれはお金も時間もムダにしている。食事でもプロテインパウダーでもどちらでも良いけれど、身体が必要としているのは30g程度のタンパク質。それ以上摂っても余分な分は尿として排出されてしまう。

そして、大切なのはアミノ酸を安定的に身体に供給することなので、一日に必要なタンパク質量を計算して、それを4で割り、3時間か4時間に一度摂るようにして。

巷では運動して30分以内にタンパク質を摂ると、一番効率よくアミノ酸が使われるという説がある。けれど、「筋肉の合成効果は、実際は運動してから24時間働いている」とクロース博士は話し、この30分以内に摂取しなくてはいけないという考えは間違っていると言う。


どのプロテインを選べばいいの?

どのプロテインを選べばいいの?

では、次に何をタンパク質源とすれば良いのか考える番。もし筋力トレーニングをしているのなら、専門家の一番のおすすめはホエイプロテイン。2016年のNutrition And Metabolism誌に発表された研究によると、ホエイプロテインはプロテインのサプリメントの中でも最も簡単に代謝されるということが分かったそう。「ホエイプロテインは13%がロイシンで、これが筋肉の合成を促す」とプライス氏。

 

ホエイプロテインは形状によって効果も異なるので注意して。ホエイプロテイン・コンセントレート(WPC)は乳清をろ過したもので一番安価だが、タンパク質の含有量は少ない。ホエイプロテイン・アイソレート(WPI)はWPCで抽出したタンパク質をイオン交換で濃縮して、ラクトースを99%除去してある。そのため、乳糖不耐症でも安心して飲める。最後は、ホエイプロテイン・ハイドロリサイト(WPH)。これは、タンパク質を加水分解してペプチド状にあらかじめしたもの。このため、吸収が簡単。ただし、値段も相応に高くなる。

 

また、乳糖不耐症でなくてもホエイプロテインを摂ると、むくみを感じる人もいる。「これは、普段なら牛乳を飲んでも平気な人でもホエイプロテインの量を多く摂ってしまうと消化できないことが要因と考えられる、とプライス氏。

 

プロテインの中でも植物性のものといえばヘンププロテイン、ライスプロテインやピープロテインがある。専門家はいくつか試してみて、味やタンパク質を見ながら選ぶことをすすめる。植物性のプロテインの場合は必須アミノ酸量が異なる。たとえばヘンプはホエイほどロイシンを含んでいない。他よりロイシンの量が多いピープロテインですら、身体の酸度を調整するグルタミン酸や筋肉細胞を修復するアルギニンなどが足りていないという。

 

もしタンパク質量を増やしたいけれど動物性のものは避けたいのなら、タンパク質の多い食材を摂ったり、足りないアミノ酸を摂るようにして。最近では、アミノ酸のバランスを取るために複数のプロテインを混ぜたものもある。

 

色々な種類を試すのは、過剰摂取を防いでくれて、過敏反応を起こすリスクも減らしてくれるので、むしろ良いことだそう。また、最近ではコラーゲンパウダーも注目されている。ただし、肌や骨への効果はあっても、筋肉への効果は少ない、とクロース博士。

 

そして実際プロテインパウダーの種類を決めたのなら、裏面表示をチェックして。タンパク質含有量はもちろんのこと、聞いたことのないような成分が入っているものは避けるように。なるべく人口甘味料ではなくステビアやカテムフェを使っているものにして。

 

プロテインパウダーを摂っても、脂溶性のビタミンや身体に良い脂質を摂ることができないので、まずは目標量を食べ物から摂取できないかをチェックしてみて、とプライス氏。そして、もしそれが実現できないのなら、その時にプロテインプウダーを試すように。


おすすめのプロテイン

おすすめのプロテイン

ホエイプロテイン:100gあたりタンパク質含有量70g、347kcal、脂質6.3g

筋肉が使いやすい形のアミノ酸。最近では体脂肪を燃やす効果があるとも。

 

カゼインプロテイン:100gあたりタンパク質含有量87g、390kcal、脂質1.7g

消化に時間がかかるので、空腹感を長い状態維持してくれて、筋肉が分解されるのを防ぐ。オランダの研究者は、寝る前に40g摂ると筋肉の修復を20%改善したということを発見。

 

ヘンププロテイン:100gあたりタンパク質含有量53g、413kcal、脂質12g

オメガ3脂肪酸と、オメガ6脂肪酸も摂れる。アミノ酸が足りないのでそれ以外の植物性のプロテインと組み合わせるように。

 

ピープロテイン:100gあたりタンパク質含有量77g、357kcal、脂質2g

筋肉を作る効果はホエイと同等と研究者が発見。食物繊維を含まないので消化がされやすい。

 

ライスプロテイン:100gあたりタンパク質含有量77g、423kcal、脂質2g

ホエイと同じくらい効果があると研究によって判明。ただ、アミノ酸の摂取のためには他のプロテインと組み合わせて。

 

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text:Roisin Dervidh-O’kane Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images

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