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親友だからって、ベッドを共にしてもいいんだろうか。アメリカ版メンズヘルスのエディターが調査してみた。

私は毎晩、3歳で体重20.5kgのダルメシアンとヒーラーのミックス犬と一緒に寝ている。ベッドタイムの習慣は、もう何年も変わっていない。私が彼女にご褒美をあげ、彼女が私に (片方の前足で) “ハイタッチ” と (両方の前足で) “ハイテン” をくれたら消灯だ。

ところが最近、犬とベッドを共にしていいものかどうかを疑問に思うような出来事があった。二人で外で遊んでいたところ、彼女が耳を切った。消毒をしようと室内へ連れ戻した直後、彼女は寝室へ走ってベッドに飛び乗り、至る所に血を付けたのだ。

寝具をゴシゴシこすりながら、実は彼女がかなり汚いことに気が付いた。泥の中で遊び、爪を噛み、猫の嘔吐物を食べ、頻繁にフンを踏み、トイレの水を飲む。そして私は、そんな彼女と毎晩ベッドを共にしている。そもそも犬と同じベッドで寝るのは、身体に悪いのではないだろうか?

早速グーグルに 「犬と寝るのは身体に悪い?」 か聞いてみると、矛盾する回答が返ってきた。大丈夫だと言うサイトもあれば、やめた方がいいと言う人もいる。でも、検索エンジンに引っかかったのは、犬ブログばかり。健康に関しては、ペットオーナーではなく医療専門家の話を聞きたいところ。

いっそ、自ら調査に乗り出してみよう。ということで、細菌エキスパートとして知られるシカゴ大学の微生物叢研究センター長ジャック・ギルバート博士に電話をした。彼の話では、犬と寝るのが身体に悪いのは特定の場合のみ。

例えば、少しでも犬アレルギーがあるなら一緒に寝るべきではない。博士いわく 「免疫システムはアレルギー源に過剰反応する」。 ベッドがアレルギー源の発生地となり、毎晩8時間も有害な粒子を吸い込んでいては、免疫システムに深刻な被害を与えかねない。事実、韓国で行われた実験では、長時間にわたってアレルギー源にさらされたネズミに健康に有害な炎症が見られた。

犬に対してアレルギーがあるなら犬との接触を避けるなんて、当然だと思うかもしれない。でも、犬アレルギーは想像以上に一般的。米国喘息アレルギー財団によると、人口の半分以上が何らかのアレルギーを持ち、そのうちの3分の1は犬または猫アレルギーを抱えているという。

私にアレルギーがないのは朗報だけど、まだ大丈夫とは言えないらしい。

犬はよく寝返りを打つので、睡眠が邪魔されたり全く眠れなかったりする。質の悪い睡眠は、暴食から運動パフォーマンスの低下まで、あらゆる問題に関連している。米国メイヨー・クリニックの研究では、一晩に5時間しか寝なかった人の1日のカロリー摂取量が、推奨される8時間の睡眠を取った人よりも多い結果となった。さらに、マーサ・ジェファーソン睡眠医学センターによると、睡眠時間が短いとプロアスリートとしての現役寿命が縮む傾向にあるという。

幸いなことに、犬に起こされることがない私には、睡眠不足による悪影響のリスクはなさそうだ。むしろ、彼女のおかげでよく眠れるような気がする。ちょっと調べてみたところ、他にもそう感じている人はいるようだ。メイヨー・クリニック会報誌に掲載された調査では、犬に睡眠を邪魔されていると答えた2倍以上の人が、犬のおかげでよく眠れると答えている。

これは、ペットを飼うこと自体に心理学的および身体的なメリットがあり、感情の調整やストレスへの対処に役立っているからかもしれない。ミズーリ大学コロンビア校の研究チームが、ペットとの交流によって脳が “ご機嫌” ホルモンのオキシトシンを分泌することを発見した。つまり、ペットといるとくつろげるのだ。繋がりが強ければ強いほど、その効果は大きい。

でも、犬が持ち帰ってくる気持ち悪い細菌については? どうやら、それも身体に良いらしい。コロラド大学の研究によると、犬は家の中の細菌総数を増やす。でも、すべての細菌が “悪い” わけではないという。

実際のところ、様々なタイプの細菌に触れることで免疫システムを強化し、病気を遠ざけ、健康的な体重や明るい気分を維持することさえできるそう。例えば、ギルバート博士は独自の研究により、家畜と一緒に育った子どもには、特定の自己免疫疾患の発症率が低いことを突き止めた。犬のそばで暮らすことは、それに次いで良いことなんだとか。

これが、この先何年も私が愛犬とベッドを共にする理由。それ以外は彼女もきっと受け入れない。

※このストーリーは、ネバダ大学ラスベガス校ハンク・グリーンスプン・ジャーナリズム・メディア学会と共同で執筆されました。

※この記事は当初、メンズヘルスに掲載されました。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Samantha Fry Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images