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ココナッツミルクは、今やヘルシーフードの定番だけれど、専門家の中ではおすすめしないという意見も。『The Vegiterranean Diet』の著者で公認管理栄養士のジュリアンナ・ヒーヴァーは、「ココナッツミルクは、豆乳やアーモンドミルクほどヘルシーではないです」と話す。そんなココナッツミルクの栄養価やメリットについてアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

ココナッツミルクの栄養価

飲料タイプのココナッツミルク(砂糖不使用)1カップに含まれる栄養素は、以下のとおり。

● カロリー:45kcal
● 脂質:4g(飽和脂肪3.5g)
● タンパク質:0g
● 糖質:1g
● 糖類:1g
● カルシウム:41mg(※1日に必要とされる量の4%)
● ナトリウム:180mg

※注記:飲料タイプのココナッツミルクの中には、ミネラルが強化されているものもあるので、購入前に成分表で確認してください。

次に、缶入りのココナッツミルク(砂糖不使用)1カップに含まれる栄養素。
最大の違いは、脂質が多い分、カロリーが飲料タイプの3倍であること。

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● カロリー:149kcal
● 脂質:12g(飽和脂肪10g)
● タンパク質:0g
● 糖質:3g
● 糖類:1g
● カルシウム:0mg
● ナトリウム:15mg

これを牛乳(脂肪分2%)1カップに含まれる栄養素と比べてみよう。
● カロリー:123kcal
● 脂質:4g
● タンパク質:8g
● 糖質:11.8g
● 糖類:12.4g
● カルシウム:295mg(1日に必要とされる量の29%)

ココナッツミルクのメリット

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他の代替ミルクよりも脂質が高く、糖質が1gと控えめなのは、ココナッツミルクの利点のひとつ。ケトン食のような超低糖質・高脂質の食生活を送る場合は、必要な脂質量を満たすためにココナッツミルクを取り入れるのもおすすめ。もちろん、牛乳が飲めない人にとっては乳製品不使用の代替品となる。

飲むタイプのココナッツミルクなら、カロリーも許容範囲(1カップで約50kcal)と言えるかもしれない。でも、「カロリーが全てではない」とヒーヴァーは注意を促す。「カロリーだけでは全容がつかめない。大事なのは、カロリーの量ではなく中身」

この “中身” こそが問題。ココナッツミルクには、飲むタイプでは1カップあたり4g、缶入りでは1カップあたり12gと、飽和脂肪が非常に多い。つまり、ココナッツミルクに含まれる脂質のほとんどは飽和脂肪である。

ココナッツは、部分的に中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)でできている。MCTは、すぐに代謝されて体のエネルギーになる。でも、「ココナッツが良質な飽和脂肪であるという科学的な根拠は今のところ存在しないです」とヒーヴァーは指摘する。「動物性食品の飽和脂肪よりは良いかもしれないけれど、まだ確かではないのです」。現時点で分かっているのは、飽和脂肪の過剰摂取が循環器疾患を促進すること。飽和脂肪の摂取量を制限する必要性は、ココナッツがはやり出した今でも変わらずにある。

米国心臓協会は、飽和脂肪を1日に摂取するカロリーの5~6%分に抑えるよう勧めている。体が必要とするカロリー量は人によって異なるけれど、仮に1日のカロリー摂取量が2,000kcalなら、飽和脂肪は13gまで。飲むタイプのココナッツミルク1カップに含まれる飽和脂肪は、その約3分の1。でも、動物性食品を食べているなら、リミットを超えるのは簡単。ヒーヴァーが言うように、完全にヴィーガンでも飽和脂肪は蓄積するので、食習慣にかかわらず、マインドフルに食べることが重要。

ココナッツミルクは飲むべき?

日常的に飲むのはたぶんやめた方がいいけれど、限られた量を料理に使うのはいいみたい。「ココナッツミルクも、少量なら料理にピッタリなのです」と話すヒーヴァーによると、1カップの液体が必要となるスムージーには、砂糖不使用のアーモンドミルクかココナッツウォーターを使うべき。

ココナッツミルクの風味が欲しいときは、ココナッツエクストラクトを1滴垂らしてみよう。カシュークリームを作り(水に浸したカシューナッツをブレンダーにかけるだけ)、ココナッツエクストラクトをミックスすれば、クリーミーでコクのあるココナッツ風味になる。

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タイカレーやインドカレーにもココナッツミルクが使えるけれど、ココナッツミルクを使う日には動物性食品(乳製品を含む)を控えてバランスを取ろう。
結論として言えるのは、ココナッツミルクを食生活に取り入れても全く問題はないということ。でも、ヒーヴァーは「ココナッツミルクをおやつとして扱ってください」と教えてくれた。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Jessica MigalaTranslation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。