流動食とは、本来、固形物を咀嚼するのが難しい乳児、高齢者や病気がある人のための食事。
「流動食は既に咀嚼したような状態になっているので、しっかり噛まなくても栄養がスムーズに吸収されるというメリットはあります。
でも、ずっとこうした流動食タイプの食事を摂っていると、アゴや歯といった口元だけでなく、飲み込むための喉、食道や胃、腸といった内臓の機能も低下します。食道や胃や腸も筋肉でできているため、流し込む食事ばかりしていると咀嚼する力、消化する力も低下するのかもしれません」
内臓も筋肉。ならば、食事で“内臓の筋トレ”を!
さらに、流動食は噛む回数が少なくて済むため、唾液の分泌が少ないという特徴が。
「唾液には、食べ物を消化するために大切な消化酵素が含まれています。噛まない食事だと、唾液の分泌が低下してしまうので、通常口腔内で消化できるものが消化されません。そのため、胃腸に負担がかかり胃もたれなどを起こしやすくなると考えられます。
スムージーやスープが好きでどうしても食べたい場合には、噛み応えがあるものもプラスしてあげるべきです。単に栄養素を意識した“飲む食事”ではなく、“噛んで食べる食事”を加えることが大事です。
元気に長生きしているご高齢の方のお話を伺うと、80代でも焼き肉やステーキを食べているなど、きちんと咀嚼して、内臓の筋肉をしっかり使うものを食べている人が多いと感じます。強い内臓はQOL(quality of life、生活の質や人生の質)も上げ、長生きに欠かせないのです。10~30代の内臓のほうが老けているのは問題。内臓のアンチエイジングにも目を向けるることが大事ですね」
内臓老けは、日々の暮らしや人生が現れてしまっているのかも。生活と食事を見直して、内臓からいきいき、ヘルシーな毎日へとシフトしよう!