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水分補給水を飲めばいいわけではない。事実、女性には満たすべき特別な必須要件があるそう。

年齢、性別、フィットネスレベルに関わらず、ワークアウトすれば汗をかく。体温を調節するために発汗は欠かせない。でも流れ落ちるその汗一滴ごとに、あなたの体の正常な機能を守るために不可欠な電解質と体液を失っている。失い過ぎれば疲れや目まい、フラつき、痛みなどが現れる。これが脱水症。

どうやら、このような体液の喪失との闘いはワンパターンではいかないみたい。女性の生理機能は、エストロゲンとプロゲステロンといった女性ホルモン物質値の変動によって毎月変わり、これが体の水分補給機能に影響を与えるから。さらに、女性が推奨基準に従って水分を取っても、最高のパフォーマンスには達しないことが研究によって明らかになっているそう。推奨基準の多くが大学生くらいの男性を被験者にした実験をベースにしているらしいけれど、誰がそんなことを知っていただろう……。

女性要因とは

「女性は小さな男性ではないの」と言うのは、運動生理学者で栄養科学者のステイシー・シムズ博士。「女性が運動中に腹部の張り、ガスや下痢など胃腸の問題を抱える確率は男性の5倍。熱性疲労や熱射病にかかりやすいのも女性なのよ」

シムズによると、これには血液量が関係しており、運動におけるベストパフォーマンスには血液量を高く保つのが理想的なんだそう。エストロゲンとプロゲステロン値が高い時、黄体もしくは月経前の段階、女性は血液の液体成分である血漿の8%を失うそう。さらにプロゲステロン値が高いと中核体温が約0.5度上昇し、疲れるのが早くなり、そして暑さにも弱くなるとか。

血液に水分を届けるのを助けてくれるナトリウム量も大事だが、上昇したプロゲステロン値がこれを邪魔する。プロゲステロンはアルドステロン腎臓がナトリウムを排泄するのを抑制するホルモンと同じ受容体をめぐって戦ってしまうため、体から排出されるナトリウム量が増加するのだ。

避妊ピルを飲んでいる場合、体組織内のエストロゲンとプロゲステロン値はなんと6〜8倍も高くなることがある。

賢く飲むには

シムズによると、女性特有のこれらの変動の多くは正しい水分補給と賢い食事で調整できるそう。男性と比べて、女性にはより多くのナトリウムと同様にカリウムが必要だそう。カリウムはナトリウムと共同で、しっかり水分補給ができるようにと水と様々な糖類を血液に運ぶ。グルコースやスクロースが最も消化しやすい一方、女性の体が効率よく代謝できないフルクトース果糖は頻繁にお腹の張りの原因になる。

ワークアウト前に水分を取ることを意識しよう。「水分が足りているのを感じながらワークアウトに行くのよ」とシムズ。高強度や高耐久トレーニングを行うなら、事前の水分補給数時間前から24時間前は体内のナトリウム量を上げるために不可欠。ワークアウト中も水を補給し続けることで、バランスを維持して。

米国スポーツ医学会は、60分以上のワークアウトの場合、15〜20分ごとに85〜235mlのスポーツドリンクの摂取を推奨しているけれど、シムズは水分補給量は体重によって決められるべきだとしている。体重0.5kgにつき1時間5〜6mlの水分。寒い中での運動時は最低量を、暑さの中では最高量の補給をして欲しいそう。

「個人によって違うものだけど、これが一般的なスタートポイントね。45分以下の運動なら事前と事後に飲むのは大切だけど、運動中の水分補給はいらないわ。1日の終わりや朝起きたばかりなど、体内の水分量が低い時なら話は別よ」

シムズいわく、高強度または長時間のワークアウトに最適なのは、水、少量のナトリウム、スクロースグルコースミックスを組み合わせたもの。水分を血液に送り届けるのに最も効率的な調合だそう。

パワーの出力と耐久力を上げると同時に月経前の不調を避けるためには、性別不問の推奨摂取量よりも低めの炭水化物、多めのナトリウムが取れるドリンクを。自分で作りたければ、ひとつまみのヨウ素添加食卓塩と少量のメープルシロップを水に加えるのがシムズのおすすめ。

結論。女性らしい水分補給で、どんなにきついワークアウトも乗り切れるかも。

早く回復するには

エクササイズにおける男女の違いは水分補給だけではない。

「女性の場合、周期の中でのタイミングによってはワークアウトが激しすぎてオーバートレーニング状態(使い過ぎ症候群)になりかねない」とシムズ。「周期の後半ではエクササイズ後の血中ホルモン濃度が高くなり、筋肉を損傷しやすく、極度なストレスを感じている時と同じように脂肪も蓄積しやすい。筋肉痛、高い心拍数、イライラ感、食欲不振があるなら、運動をやめてもっとタンパク質を取ること」。

エクササイズの30分後に、タンパク質と炭水化物の比率がおよそ3対1のスナックを食べることで脂肪の蓄積を減らし、筋肉合成を促進できるそう。大さじ1杯のハチミツを加えたギリシャヨーグルト170g、鮭の燻製とアボガドを添えたベーグルを半分、または355mlの低脂肪チョコレートミルクを試してみよう。

http://www.womenshealthmag.com/fitness/hydration-tips

Text: Berne Broudy Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images