レプチンは、たとえるなら「もう終わり、ごちそうさま」の信号を出すホルモン。通常なら、脂肪細胞から分泌されて、血液によって脳に運ばれ、満腹という信号を出すもの。でも、そのはたらきは、フルーツや加工食品に含まれている果糖に邪魔されることも。というのも、果糖を摂りすぎてしまうと肝臓が果糖を処理できなくなって、エネルギーに変えられなくなってしまうから。
果糖が多すぎると、エネルギーとして消費するのではなく、脂肪に変え、トリグリセリドとして血中に放出してしまう。そして、肝臓やおなかに蓄えられていく。果糖が脂肪に変換される量が多いほど、(脂肪細胞がレプチンをつくるので)レプチンが増えてしまう。さらに、身体はある特定のホルモンの量が多すぎると、その信号を正しく受け取ることができなくなり、レプチンの場合は満腹を感じなくなってしまう。その結果、食べ続けてしまい体重が増えるそう。
過剰なコルチゾールも危険
ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールはやせたい人にとってはかなりの厄介者。コルチゾールが増えると、血糖を脂肪に変えてしまう。大昔なら、食料が不足したときに備えて身体に脂肪を蓄えることは役に立ったけれど、現代では必要のないこと。だから、ストレスをうまくコントロールしてコルチゾールが過剰分泌されないようにして。そして、ストレスだけではなく、毎日のコーヒーも急激にコルチゾールの値を上昇させるので気をつけて。
エストロゲンが脂肪の肥大につながる
エストロゲンは女性らしさのために大切なホルモン。でも実はこれもなかなかのトラブルメーカー。通常だとエストロゲンは、インシュリンの分泌を抑えてくれるけれど、多すぎるとむしろ体重の増加につながってしまうそう。
食事をすると血糖値が上がり、それにともなってグルコースが身体の3つの部分に運ばれることで、インシュリンが下がる。インシュリンが正常に働いているときは、一部を肝臓に、残りをエネルギーとして使うために筋肉に送り、脂肪として蓄える分はほとんどない。
健康で身体がうまく機能しているときは、膵臓はちょうどよい量のインシュリンを分泌しているので、血糖値はある一定の範囲(70から85mg/dl)で上下する。でも、エストロゲンが増えすぎると、インシュリンを作る細胞が働きすぎて、インシュリンへの耐性ができてしまう。そうなると、グルコースは肝臓や筋肉に送られなくなり、血糖値は上がり、最終的にはグルコースを脂肪として蓄えてしまう。さらに、増えたグルコースを蓄えるために、脂肪は通常の4倍にまでふくらんでしまう。
どうしてエストロゲンの値が上昇してしまうのか? 実は、肉が主な原因だという。これは、肉を食べる時には食物繊維が少なくなるため。調査ではベジタリアンの人は、そうでない人よりも2倍もの食物繊維を摂っているという。肉ばかりを食べて、繊維が足りないと便秘気味になり、老廃物がたまることでエストロゲンが増えてしまうので注意を。
さらに、肉にはもうひとつ問題が。一般的に飼育された動物は、エサに含まれるステロイド、抗生剤や毒素にまみれている。そのため、その肉を食べることで身体に入りエストロゲンと同じはたらきをして体重増につながってしまうそう。